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老人による、老人のための公園ルール

欧米系の外国人が日本の公園で感じる不思議あるあるとして、公園でボール遊びが禁止されているのに飲酒は禁止されていないことに驚かれる(というか、ひいてる)。

欧米での飲酒は、家の中やお酒の提供が認められた飲食店以外での場所で飲酒を行うと、近隣の住民から通報され、警察に連行されてしまう。日本人が海外でやらかす事件としては、小さな子供を車の中に置きっぱなしにして虐待で通報されるニュースがたまに目に付くが、実はあまり報道されないだけで、海外旅行中に公共の場での飲酒でトラブルを起こすケースも少なくない。

ちなみに、欧州ではホームレスが駅前で横になりながら飲酒している場面をたまに目にする。彼らは安ワインを片手に飲むことが多く、そのためか欧州の若者の間ではワインがホームレス向けの安酒のイメージがあり、日本酒とかにはそんなイメージがないとかなんとか。

さて、日本の公園で飲酒が認められている理由は、少子高齢化を背景に説明がつく。国内では高齢者のクレームが社会で幅を利かせており、彼らが子どもの公園遊びに目くじらを立てることで、行政が過剰に反応し、子どもたちが何をして良いかわからない公園が出来上がってしまう。一方で、公園での飲酒は高齢者の余暇の楽しみとして容認されており、花見文化も根付いているため、公共の場での飲酒を規制するのは容易ではない。

とはいえ、公共の場で飲酒することは人として褒められた行為ではなく、それを行うのはダメな人間どころか、クズと断言できる。しかし、これを規制する話が国内から持ち上がることは考えにくい。もし規制が進むとすれば、たばこ規制の流れから、アルコール規制へ波及することにつながることで起こり得るか。

また、若年層でビールなどのアルコールの認識が低下しているのは日本だけではなく、海外でも同様の現象があると目にする。さらに、SDGsの流れから、環境を守るという大義名分が掲げられると、環境負荷が高いにもかかわらず謎の規制が制定されるケースがある。この二つの流れでアルコール規制が進めば、いずれ日本でも公共の場での飲酒が禁止される可能性も否定できない。

果たしてどちらが良いのか?目くそ鼻くそを笑うような論争と侮ることなく、公園のベンチでワンカップ片手に考えたい。

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