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イップスを治す④

今回はイップスに対する応急処置をお伝えします。

前回まではイップスの話をじっくりとしてきました。

イップスとは何か?
どのような練習をして治すのか?
といった事を出来る限り丁寧に説明して来ました。

今回は今すぐにでも治したい!
何とかして欲しい!
といった方の為の応急処置をお教えします。

今回の話はあくまでも応急処置であることを忘れないで下さい。

下記の内容を実行し、悪送球が無くなったとしても、
イップスを克服したとは言えません。

だからこそ、第4回に書いています。
正しく理解し、練習する事がイップス克服の最短の近道です。

そうは言っても、イップスの完全な克服までには、
一ヶ月以上かかる事もあります。

それまでの間に練習もあれば、練習試合や公式戦がある方もいるでしょう。
その際に暴投を続けて、
レギュラーを外されてしまったり、
ベンチ外に外されてしまったり、
指導者に悪い印象を与えてしまったりするのは避けたいはずです。

ましてや、暴投のせいで公式戦を敗退しては目も当てられません。

努力を続け、やっとの思いでイップスを克服したときには、
控えとなり、チャンスさえも与えられない状況になっているというのは、
絶対に避けなければなりません。

そのため、イップスを克服する正しい道を着実に歩みながら、
応急処置をして行く必要があります。

それでは、応急処置について解説していきます。

応急処置の方法は下記の4つです。


全力で投げる

前回までに何度も解説していますが、イップスは力の調節が原因です。
そこで、力の調整をせず、毎回全力投球すれば、暴投は少なくなります。

しかし、この方法には以下のような問題があります。

①近い距離だと相手が取れない
②近すぎると実際には力を調節してしまい、暴騰する
③イップスを克服していない不安から自分を信じる事ができず
 全力投球ができない。または、投げ方をいつもと変えてしまう
④そもそもリリースポイントが安定していないのでコントロールが悪い

これらの問題があるので、完全な対処法とは言えません。

しかし、手っ取り早く、誰でも今すぐできることですので、
応急処置としてはある程度有効です。

クイックスロー

全力投球では近い距離を投げることができませんので、
遅い球を投げたい時には、クイックスローが有効です。

クイックスローは、余裕を持って投げるときよりも球が遅くなるはずです。

多くの場合、クイックスローで球が遅くなってしまうことは、
悪影響となりますが、今回は逆にそれを利用します。

すでに、クイックスローは十分練習しているはずですので、
今すぐにでも試す事ができます。

しかし、この方法にも課題があります。

それは、あまりに焦り過ぎて、ミスが起きる可能性があることです。

イップスでは無いかもしれませんが、余裕があるのにクイックスローをし、
ミスをしてしまうのは印象がよくありません。

また、捕球する前からクイックスローを意識してしまうと、
エラーする可能性も増えます。

このようにミスが増える可能性があることから、
これも完全な方法とは言えません。

サイドスロー(アンダースロー)

サイドスローやアンダースローで送球することでも、
球速を抑えることができます。

これは練習方法の標準編でも行っていることでもあり、
一見すると良い方法に思えます。

しかし、練習が不十分な場合、
フォームが安定せず、コントロールが定まりません。

さらに最悪の場合が、
サイドスローで小手先の力の調整を行うことです。

サイドスローで小手先の調整を失敗すると、
横にずれるため、相手は捕球が困難です。

サイドスローでは、絶対に小手先で力を調整せず、
リリースは放すのではなく、放れる感覚で送球しましょう。

まだ自信がない時には、全力で投げようと頭では思っていても、
信じ切って腕を振る事は非常に難しいことです。

実際にはとても難易度の高いことではありますが、
この対処法でうまくいった場合には、
イップスの完治も近いかもしれません。

ランニングスロー(ジャンピングスロー)

球速を遅くする方法のラストはランニングスローです。

ランニングスロー自体ある程度難易度が高く、
それ自体の練習が必要になります。

ランニングスローで毎回同じフォームで投げれるようになれば、
遅い球をコントロールすることができます。

しかし、無理な体勢で投げるために、単純にミスが起きやすく、
使用できる状況も限られます。

また、体全体を使って勝手にリリースされるという事が困難な場合もあり、
手投げでリリースを自ら調整することも懸念事項です。

通常ランニングスローを選択しなければならない場合には、
これらのリスクも仕方が無いのですが、
不必要にランニングスローを行い、ミスをすることは避けたいものです。

以上がイップスの応急処置方法です。

正確には、小手先で力の調整をせずに投げるという大原則
遅い球を投げる3つの方法です。

何度も言いますが、これらはあくまで応急処置であり、
暴投が無くなったとしてもイップスの克服とは言えません。
用法用量を守って、適切にご使用下さい。

そして、時間稼ぎをしながら、正しい方法を見に付け、
イップスの完治を目指して下さい

それでは今日も良いBaseball Lifeをお送り下さい!

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