野球脳力②
読むだけで野球がうまくなるシリーズ第2弾は守備についてです。
守備と言うとコツコツと練習を続け、
ノックを多く受けた人が上手くなると考えがちですが、
頭を使い考えることで、守備が上手くなります。
もちろん、基本的な動作でミスをする確率を下げるためには、
守備練習を行い、上達する必要があります。
頭をいくら使っても、
正面のゴロをエラーする確率はなかなか下がりません。
しかし、頭を使えばアウトにできる確率は格段にアップし、
また、試合に勝てる確率も上がります。
そもそも、守備の目的は何でしょうか?
アウトを取る為、では考えが浅いです。
失点を最小限に抑える為、でもまだ少し足りないです。
目的は、試合に勝つためです。
そんな事は、当たり前で、それを言ったら全ての事がそうだろ!
と言われてしまいそうですが、
本当に試合に勝つための守備をしていますか?
まず、考えなければいけないのは守備位置です。
相手に関係なく、だいたい同じ守備位置に着いて、
取れるアウトを取っていこうという考えではありませんか?
守備位置は打者や状況を見て変えているという人も、
数メートル守備位置を変えているだけで満足していませんか?
野球の守備位置は、
フェアゾーンを投手、捕手含めて9人で守ります。
全ての打球をアウトにできる守備位置はありません。
一般的な定位置はバランス良く配置しているに過ぎません。
一回表の先頭打者で試合が動いておらず、
相手の情報が何もなく、味方も全員平凡な選手の場合は、
定位置に守る事がおそらく一番良いのでしょう。
しかし、相手打者の情報が無くとも、ランナーが出たり、
点差が開いたり、相手投手の良し悪しが判明したりすれば、
守備位置はその都度変化するはずです。
相手が変わらなくとも、味方の能力の違いでも、
最適な守備位置は変わります。
足が速く守備範囲が広い選手、肩が強い選手、投手の出来具合、
だけでなく、味方の打撃力や控え選手の能力でも変化するはずです。
例えば、味方がどのチーム相手でも、およそ5点取れるなら、
初回から少し深めに守って、4点まではOKとすべきかもしれません。
バランスの良い、いわゆる定位置にいることは、
すごく簡単で、例え負けても批判される事は少ないでしょう。
投手がヒットを打たれて負けたようにみえるからです。
負けた時にあなたのせいだと言われるのが嫌で野球をやっているなら、
どうぞ定位置で守って下さい。
監督や捕手に指示されてから、守備位置を変えれば相手の責任にできます。
ただ、もし試合に勝ちたい、勝利に導きたいと考えるのであれば、
自ら正しい守備位置に動く必要があります。
守備位置を変えれば、
逆方向に飛んだ打球をアウトにできないリスクは当然増えます。
後ろに下がれば、前の打球がヒットになる確率が上がります。
守備位置を変えたせいで負ける可能性もあります。
そうなれば非難されるでしょう。
でも、絶対に勝つ方法なんてありません。
全てをアウトにできる守備位置もありません。
正しいと考えた守備位置が定位置から、
20メートル離れているかもしれません。
三塁手がライトポール際に守るのが最善という考えに至るかもしれません。
外野手も含め全員で内野を守るのが最善のときもあるでしょう。
その時にあなたは動くことができますか?
動けなければ、世界最高の頭脳を持っていても意味はありません。
負けた時に、
「相手の方が力が上だった。」
「ヒットを打った打者がすごい。」
と言って終わりにして良いのですか?
野球はフェアゾーンの野手7人の守備位置は今のところ自由です。
逆に言うと、ホームランやフェンスの手が届かない位置以外の打球は、
全てアウトにすることが可能です。
これは紛れもない事実です。
ヒットは投手だけの責任ではありませんし、
失点はもちろん、試合の勝敗も守備位置で変えることができます。
現実的に相手の打球方向を全て予測することは不可能ですし、
相手も守備位置を見て対策するかもしれません。
それでも、守備シフトを変えて、勝利に導くことは十分可能です。
始めは、自信がなく、数メートルしか動けないかもしれません。
しかし、失敗と成功を繰り返しながら、
少しずつ大胆に動けるようになっていくはずです。
まずは始めの一歩を踏み出して下さい。
2歩目、3歩目は自然と続き、
そのうち味方にも指示が出せるようになるはずです。
味方に指示を出さざる負えないというのが正しいかもしれません。
あなた一人でできる守備シフトは限られています。
あなたが勝手に動くと、味方と守備範囲が大きく重なったり、
逆側ががら空きになったりします。
そこで、味方の守備位置を動かす必要が出てきます。
捕手の配球にも気を配るようになります。
ストレートで押せば、この位置に来ると考えて、守備位置を変えても、
変化球を投げてしまっては、意味が無いどころか、
逆効果になってしまうかもしれません。
投手の中には、普通の凡打を普通に取ってもらうのが、
一番良いという人もいます。
「ヒットをファインプレーで抑える必要なんて無い。」と言うのですが、
それは勝てる場合とプロとして個人で給料を貰っている場合の理論です。
プロは確かに全ての責任を年俸として負います。
ヒットを打たれればクビになるかもしれません。
ヒットを打たれるのは投手の責任で給料に反映されますし、
凡打をヒットにされるのは困るというのも納得です。
また、凡打を普通に取って勝てるのであれば、
守備位置を変える必要はありません。
最初に言った通り、守備の目的は試合に勝つことです。
試合に勝てれば、安打数、失策数、失点数は関係ありません。
凡打をヒットにすることで、投手のメンタルに影響を与え、
試合に負ける可能性が高くなるなら、凡打を抑えるのが最善です。
ただし、私は試合の勝敗が全て投手の責任かのような考え方は、
まだまだ浅い考えであり、考え方を変えることで勝率は上がるのに、
もったいないと思っています。
あなたのチーム状況は分かりませんが、
とにかく、まずは考え、実践してみて下さい。
試合に負けたら、その守備はおそらく正しく無いでしょう。
大抵はもっとリスクをとって大胆に動くべきだという結論になるはずです。
ヒットだから仕方がないという考えは、今日限りで捨てて下さい。
ヒットはあなたの守備位置が間違っていて、
打球とは関係のない所に突っ立っていた証拠です。
遊撃手だからライト前ヒットは無関係なんてことはありません。
遊撃手がライト前を守ってはいけないなんてルールはありません。
全て自分の責任だと思って動いて下さい。
まずは勇気を持って、小さくても一歩踏み出してみて下さい。
考え、行動すれば、失敗もあるかもしれませんが、必ず成長します。
考えても行動しなければ、失敗しないかもしれませんが、
絶対に成長しません。
それでは今日も良いBaseball Lifeをお送り下さい。