好きなバンド3 BaseBallBear 歌詞の仕掛け
第三回目となりました。
今回もBaseBallBearについて書いていきます。
NOTEで他の方の記事を読んでいくと、BaseBallBearについての記事もいくつかありました。その中で、ふじもとさんの記事がとても共感できました。BaseBallBearを追っていると次に流行る音楽が分かる説という記事で共感しかできませんでしたので、ふじもとさの記事のURLを勝手に載せさせていただきます。
ふじもとさんの記事と被ってしまう部分もあると思いますが、この記事にはない私の考えや内容をお伝えしていきたいと思います。
今回はタイトルにもある通りBaseBallBearの歌詞について少しずつ深掘りしていけたらと思います。その中で、小出さんも尊敬していて私の好きなアーティストの一人である、松任谷由実さんとの関連性についても書きたいと思います。
BaseBallBearの歌詞の特徴
BaseBallBearの作詞を手掛けているのが、リーダーでもある小出祐介さんです。歌詞の特徴をネットで調べると、短編小説のような歌詞と紹介されていることが多いです。まさにその通りだと思いますが、私はもっと深くかつ俯瞰した視点で書きたいと思います。
私が思う一番の特徴は、「分かりやすさと歌詞の仕掛け」だと思います。
とても分かりにくい特徴だなと思われると思いますのでこれから説明していきます。
分かりやすさについてですが、小出さんはかなり歌詞にこだわりを持っていて、その中でも歌詞に分かりやすさを求めて作詞しているなと聞いていても感じますし、インタビューでもよく話している印象があります。
上記のインタビューは小出さんが新たな音楽プロジェクトでもマテリアルクラブのファーストアルバムをリリースした際のものです。この記事でも話しているように、Jポップスでは「歌詞がとても曖昧で分かりにくくなっている」と言っています。それこそ80年代のJポップは松任谷由実さんやサザンが全盛期で歌詞の中にも湘南のバーの名前が登場したりと固有名詞が多く出てきます。固有名詞程分かりやすいものはないと私は思います。
そんな固有名詞の中にも抽象度の高いもの、低いものがありますが、歌詞の中や小説の中で、固有名詞が出てくるとかなり限定的意味で使われ、受け手側に伝えたい情景を比較的簡単に指定が出来ます。そのような固有名詞が最近のJPOPで減ってきておりふわっとした歌詞が多くなってきたなと感じます。勿論受け手側に想起させること等も大切ですが、私は音楽を聴く際特に邦楽を聴く際は歌詞の比重を重めにします。その理由としては、私が日本語を母国語としていて生活している中のシーンへ溶け込み、その音楽を聴くとあの場所、あの時のシーンが想起されたり、することがとても心に残るので歌詞はその音楽の方向性の舵大きく握るので、でたらめなこと言っている歌は、サウンドがどんなに良くてもあまり心に残りません。
私の音楽の比重に関してはここまでとしまして、小出さんの書く詩はかなり分かりやすいので、聞いていると情景が浮かびやすく、伝えたいことが心に残ります。(私の趣味といったらそれで終わりだという意見も分かっております)
アルバムを通して聞いた時のコンセプトが理解できて共感できる部分が多くあり、より考えさせられます。そのため、BaseBallBearのアルバムはコンセプトが全てにあります。BaseBallBearの楽曲を通してのコンセプトもあります。
それは、BOY MEETS GIRLです。つまり青春をテーマ、コンセプトとしています。勿論青春以外の楽曲や、アルバムもありますが、永遠の主題として青春があります。その理由としては小出さんが学生時代にいじめを受けてしまい、青春謳歌ができなかったこと等が影響しています。
そのことについては、以前やっていました、真夜中のニャーゴという番組で詳しく話していましたので、URLを載せておきます。
とても長い動画になりますが、ざっくりとBaseBallBearの結成の秘話や、中学、高校のいじめの内容等を話しています。
こういった経験から青春に対しての心残りからこういったテーマを主題にしていると思います。
次に歌詞の仕掛けについてですが、歌詞は分かりやすさが良いといった反対の意味になってしまいますが、受け手側にどんな意味かを考えてもらう仕掛けが絶妙だなと思います。
作詞は分かりやすいのも大事ですが、敢えて語り過ぎず受け手に想像してもらうことも大事だとインタビューで話していました。さらに歌詞を短くまとめることが実は難しいとも話しています。
どうしても歌詞を書く際に話が展開してしまい長ったらしいしくなってしまうんですが、究極は一枚絵で完結する歌詞を目標に作詞を最近は心掛けているみたいです。その際に例に挙げていたのが、「木綿のハンカチーフ」です。
言わずと知れた名曲ですが、歌詞を見てみると
恋人よ 僕は旅立つ
東へと 向う列車で
はなやいだ街で 君への贈りもの
探す 探すつもりだ
いいえ あなた私は
欲しいものはないのよ
ただ 都会の絵の具に
染まらないで帰って
染まらないで帰って
全てを載せるとあまり良くないと思い、省略させていただきましたが、都会へ行く彼との別れの時を描いた歌です。その後二人がどうなったか等の展開はなく、一枚絵で完結し受け手側に委ねている絶妙な歌詞だと私は思いました。
小出さんもこの歌詞を絶賛しており、こういった歌詞を書けるようになりたいと言っていました。他にも小出さんが絶賛するアーティストの歌として、松任谷由実さんの「月夜のロケット花火」をラジオで挙げています。ここでようやく松任谷由実さんがでてきました。
以前ラジオで松任谷由実さんをゲストに迎えていたこともあり、親交はあるみたいです。互いに楽曲を知っており、松任谷由実さんがそのラジオで、「小出君はいい言葉をいっぱい持っているよね。イマドキの人でキッチリ詞を書ける人は珍しい」と言われていました。
ユーミンさんに褒められるのはとてもすごいなと私も思いました。
このラジオで小出さんが「どうしても饒舌に書いて、説明したくなってしまう」という悩みからユーミンさんの楽曲の「遠雷」を挙げ、「この曲を聴くともっとリスナーを信頼してもいいんだなと思える」と話しています。ユーミンさんの楽曲は敢えて語りすぎず、受け手に察してもらう仕掛けが上手だなと思いました。
小出さん自身も松任谷由実さんから影響を受けた影響か最近は語り過ぎず、リスナーを信頼しきっていると話していました。
BaseBallBearの歌詞も最近は「詩→詞」へ移り変わっているような気もしています。
そういった歌詞の仕掛けを楽しめ松任谷由実さん等もBaseBallBearから知れることもこのバンドの良さかなと思います。
最後におすすめの歌(歌詞が最高)を紹介します。
BaseBallBear歌詞が素敵な楽曲
・Seventeen Romance
・ダビングデイズ
・Kodoku no synthesizer
・リアリティーズ
・Summer Melt
https://music.apple.com/jp/playlist/baseballbear/pl.u-11zBPBoI84ybZeY
の5曲です。今回の中でお伝えしました青春をテーマにした楽曲と小出さんの歌詞の仕掛けが上手だなと思ったものを選曲しました。勿論他にもオススメの曲はあります。(例えば、ヘブンズドアガールズ、beautiful wall等、、挙げるときりがないので次の機会で話せたら話します)
この5曲の解説もしたいな思うのですが、それは次回にします。
長くなりましたが次回もお楽しみに~
今回オススメした楽曲も是非聞いてみてください。