2020年最高の一枚シリーズ1
久しぶりの投稿になってしまいました。
BaseBallBearシリーズに一度一息付けて2020年に出会った最高のアルバムを紹介していくシリーズを始めてみようと思います。(もっと前にやれよと思われるかもですが、どうしてもBaseBallBearについて最初に書きたかったので、、)
このシリーズは一気にオススメのアルバムを紹介するのではなく一つの記事で一つ紹介することにします。
・2020年最高の一枚
今回紹介する一枚は、記事の表紙画像で分かる人もいると思いますが BBHF「南下する青年」です。
BBHFはGalileo Galileiのオリジナルメンバーが始めたバンドです。認知度はあまり高い訳ではありませんが、2020年にリリースされたアルバムの中ではトップレベルに完成度が高いものになっていると思います。
アルバムのコンセプトとして北から南へと下っていくというものがアルバムの一貫としたそれになります。
そもそもBBHFが北海道出身のアルバムということもあり、北海道から東京へ上京した青年、つまりを等身大としたアルバムになっていると思います。
それともう一つのコンセプトというかテーマ?が「継続」かなとアルバムを通して感じました。これはアルバムを聴いていただけると感じとれるかと思います。
アルバムの解説をしていきます。因みに私が名盤だなとか、これは最高だなと思うのは、一曲すごい曲があるというより「始めから最後まで全部良くね?」みたいな優劣のつけられないものか、コンセプトの一貫性が感じられるアルバム(曲と曲の関係性と繋がりのことだと思ってください。)が心に残り何度聴いても飽きないことが大事かなと思います。
しかも今サブスが当たり前の時代で、アルバムはEPやシングルとは違って情報量が多く、一曲輝いていてもそれ以外が何となくその曲を引き立てるためのそれに見えがちになってしまう、難しさとかジレンマがあると思います。一曲だけならシングルでいいし、ちょっとシングルよりはコンセプトやインパクト感?みたいなものを出したいときはEPで何個か出して、これで一つのアルバムですと謳った方が楽でやりやすいと思います。
それだけアルバムにはカロリーを消費しますし、リスクがあるものだと私は捉えています。
この時代の中で、いやこんな時代でだからこそBBHFは全17曲入りのアルバムをリリースし感動をさせてくれたことが今回最高の一枚に選ばさせていただいた理由になります。ほんとこのアルバムはいいし音が良い!!
長くなりましたが、アルバムの紹介をいい加減します、、(笑)
・アルバム紹介
「流氷」はアルバムの一曲目に当たる楽曲です。
ここで流氷の意味を検索すると、
寒帯地方の海から、その海面に凍結してできた氷が割れて、流されて来たもの。
このように出てきます。 つまり、北海道(北の地)から東京(東の地)へ流れてきたと解釈でき、Galileo Galileiの活動が終わり、新しい体制で活動が始まり自分達の音楽シーンでの立ち位置やら、そういった葛藤を流氷に例えた歌詞に感じました。
このアルバムの一曲目を飾るにふさわしい曲ですし「このアルバムはやばいぞ!!」みたいなメッセージ性も感じました。
何より音が良くて、ベースも音が太くリズム隊がしっかりしているなと感じました。最近のロックシーンでは、あまり感じることが出来ない高揚感が得られるなとこの曲を聴いて思いました。
本来は全ての曲を紹介したいところですが、曲数が多いこともあるので私が気に入った曲を紹介します。
・クレヨンミサイル
私がこのアルバムで頭抜けいると思った曲です。
何が良いかは、この曲に限らずですが、BBHFは北欧の曲にインスピレーションを受け曲を作っているのですが、それを日本人的解釈で昇華しているなと思ったからです。
曲の展開で洋楽っぽさを感じますが、特に後半の展開が海外のアーティストであれば、ギターソロとか色々な楽器を使い、歌詞は敢えて入れずにサウンドの余韻を残して終わりそうなところを、歌詞の文学的さで繋げて終えるのが、日本人的というか日本語が好きな私だから気に入った点かもしれませんが、最後の一拍おいてからの「君がいちばん最初に大人になってた」の歌詞がつい口ずさみたくなってしまうこの余韻感を残してつつ、ここで歌詞を重ねて進んでいくのが、この曲の凄さと自分の好きなポイントかなと思います。
・1988
この曲は公式でYouTubeにあがっていなかったので、実際にアルバムやアナログ盤を買って聞いて欲しい曲になります。(実はこのアルバムアナログ盤が出たんです!音が最高でした、、、、) それはさて置き、曲の紹介をします。
私はこの「1988」がこのアルバム前半の砦であり区切りだと思います。(実際には南下する青年がありますが、あれは特別な曲なので省きます笑)
私は「クレヨンミサイル→リテイク→とけない魔法→1988」でセットだと思っていつも聴いています。というかこの並びが好きなんです。
タイトルが1988なので、「THE1975と関係のある曲?」と思われる人も人もいるかと思いますが、私は特に関係はないと思います。勿論彼らはTHE1975から影響は勿論受けていると思いますが。
この曲が好きな点は、何より歌詞のインパクト感です。
「死ぬことよりこわいこと 拳銃みたいに隠して」
このフレーズが最初聴いた時から、頭から離れません。
私はこの意味について考えました。色々な意味や考察はあるかと思いますがこの曲のテーマは「孤独」だと思います。
孤独は時には寂しいもの、恋人のように寄り添ってくれるもの、そして怖く計り知れないものだと私はこの曲を聴き改めてそう感じました。
コロナの影響で、思うように友人や家族等人に会えない日々が続く中で、悲壮感を感じる人達に謳っているような歌詞だなと思います。(私はそういった意味を含んで作成したと思っていませんが、そういう作詞をした人が思ってもいないけど、自分なりの解釈で昇華させることができるのが音楽だと思っていますし、それが音楽の正しい聴き方かなと思います)
そして最後のフレーズ「二日酔いによく似た痛みを引き連れて 訪れる悪魔人生を拳銃みたいに引き抜け」
ここがこの歌の落としどころというか、下手に伝え過ぎないけど含み要素が多いなみたいなリスナ次第で考えさせるのが上手だなと。
私はこの悪魔を孤独の比喩だと思っています。この悪魔(孤独)を拳銃(人生)を引き抜いてその孤独を抜け出せと感じ取りました。(全然違う意味かもですが)
・君はさせてくれる
今回紹介する最後になります。本当はもっと紹介したい、、(機会があればやりたい、、)
こちらの曲は女性アーティストをゲストに迎えております。Furui Rihoさんというシンガーソングライターです。彼女の楽曲を聴くと何より声が素敵と思いましたので、是非聞いてみてください。
曲の紹介として、ボーカル尾崎(兄)さんとふるいさんのコーラスのハモリが聴き心地が最高です。とても優しい気持ちになります。夜、昼の河川敷、朝なんかにも聴きやすかったです。
「君はさせてくれる」という少しいやらしさを感じさせるタイトルですが、そういった意も含んでる曲だと思います。
君といればどんなことがあっても乗り越えられる、みたいなロマンス系の物語で出てくる映画のワンシーンの様な歌詞になっています。
このアルバムの中では一番の清純ラブソングかなと思います。だからこそ、ふるいさんの様な素敵な声を持っている方を迎えたのかなと思います。
こういった爽やかなテーマ感とは違ったテイスト感のベースラインが素敵な楽曲になっています。
最後のパートの入る前にトランペット?の音を入れてから「君の隣で目覚めるとき ああどうか終わらないで ずっとこうやって生きていたいってそんな気に君はさせてくれる」この歌詞がたまらないです。どうこう説明する前に聴いてもらってから感想を聞きたい曲です。
この曲は、アルバムの後半に収録されているのですが、一つ前紹介した1988では孤独を感じていた青年が、ずっとこうやって生きていきたいって思える人を見つけたんだなっていうストーリー性を感じほっこりするような曲だなと思います。
ここまでが私が出会った2020年最高の一枚のアルqバムの紹介でした。私自身が小説を読むのが好きなので、歌詞を読みこんでそういった部分込みでアルバムのコンセプトを歌詞のバランスとかで選んでしまうのですが、このアルバムは音楽好きの方であれば間違えなく楽しめると思いますので、お時間がある際にアルバムを通して聞いてみてください。