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好きなバンド BaseBallBear 2

今回は前回の続きであるBaseBallBearについてお話します。

前回は、余談等であまりバンドについて話せなかったので、今回はより深く掘っていこうと思います。前回の最後に「BaseBallBear」から様々なアーティスト、ジャンルへ繋がると紹介し「ナンバーガール」や「松任谷由実」等を挙げましたが、こういったアーティストとの関連性もBaseBallBearの魅力にも繋がってくると思います。

・BaseBallBearの音楽

BaseBallBearは、2001年に結成したバンドであると前回のURLを読んでいただくと分かると思います。その当時日本の音楽シーンとして、邦ロックが最も勢いのあった時代だったと言われています。その理由として、1997年に「スーパーカー」「ナンバーガール」「中村一義」等この後の邦ロックへ影響を大きく与えるであろうバンドが多く誕生していました。

当然、BaseBallBearのメンバーもその影響を受け、特にリーダーの小出祐介がナンバーガールに影響を大きく受けていたとインタビューでも話しています。

雑談ですが、ナンバーガールは2019年に電撃的に復活し多くのロックファンを興奮させました。私自身もかなり驚きましたし、今時のバンドが出演するフェスへの参加も決まり、現代の音楽シーンにおいても異様で稀有な存在としてあったと思います。ナンバーガールの為に私も毛嫌いしていた大型フェスへ行きました。本当に音に魔物感があって感動しました。このままナンバーガールの話をしていると、止まらないので改めて違う回で話したいと思います。

というように、ナンバーガール等のバンドの勢いのあったバンドが群雄割拠しているように感じた2000年前後の音楽。どんな音楽かというと、ナンバーガールは一切打ち込みの音使わず、ギター、ベース、ドラムのみで鳴らすバンドです。そんなバンドいくらでもいると思いますが、他のバンド一線を画すのが、音の魔物感、とても生々しく肉体的な演奏感に集約できるかなと私は思います。歌詞も文学的でありながら、音の強さ、魔物さに打ち消されあまり聞こえない稀有なバンドです。

この音楽に影響を受けることだけあり、BaseBallBearも1枚のアルバムを除き打ち込みはなしで音楽を作成しています。打ち込みも使用したアルバムもメンバーが急遽脱退した中で、4人の音に慣れてしまったリスナーと自分たちの可能性と実力を加味したうえでの決断での打ち込みを入れました。ですが、ソリッドでポップなBaseBallBearの良さは健在でライブでは打ち込みを使わず、音の足し算引き算が上手く使っていました。このことについてはまた違う回でお話します。

・BaseBallBearの魅力

ではBaseBallBearの魅力とは何でしょうか??

私の答えは、

”やる事の速さと歌詞の仕掛けそして距離感” 

これに尽きると思います。

勿論、演奏が上手いとか様々なジャンルをポップにソリッドに表現しているとかもあると思います。

ですが、BaseBallBearが音楽のトレンドの真ん中におらずフェスでいうメインステージではなく、次に大きなステージのトップ又はトリを務めているその距離感だと思います。メインステージで演奏をしたことはありますし、CMへの楽曲提供、武道館ライブの成功もあります。にもかかわらず意外と知らない。そんな存在がBaseBallBearの良さであり、私の思う音楽シーンとの距離感の取り方の上手さとやる事の速さに繋がると思います。

まず、やる事が早いとは?

それは、BaseBallBearの得意とする4つ打ちロックをかなり早い段階で取り入れ高速で演奏する形を武器にしたと思います。

邦ロックの記事にも高速4つ打ちの曲紹介として、BaseBallBear「ELECTRIC SUMMER」を挙げています。逆にその対照としてアジアンカンフージェネレーションの「君という花」も4つ打ちの楽曲として代表として挙げられる曲です。

BaseBallBear小出祐介もインタビューで

「今のギター・ロックの主流になってる、テンポが速くて4つ打ちって、あれ最初にやり始めたのは俺たちじゃね? ってちょっと思ったんですよ。もちろん、ほかにも何組かいると思うけど、間違いなくああいうアプローチをひとつの方法論としてバンドの売りにしたのは僕らだし。                ”ELECTRIC SUMMER”を出したときにああいう曲ってなかったから。」と話しています。勿論他にも4つ打ちの曲を出しているアーティストはいますし、そもそも4つ打ちは音楽的には基礎的なリズム、コード進行だと思います。ですが、それをBPM(リズムの速度)を早くし打ち出したのはBaseBallBearだと思います。

現に2010年代のロックフェスで、4つ打ちをダンスロックと打ち出し売れたアーティストは多く存在します。勿論早いから良いとか、後にやったから悪いとかそんな議論は愚問だと思いますが、10年程前から取り入れていたことに驚きと先見の明があったんだと、関心します。

C2というここ数年音楽シーンのトレンドのCITY POP感をギター、ベース、ドラムで表現したアルバムのインタビューでも

今のロックシーンのスタンダードは「ウェーイ!(ドッチータッチードッチータッチー)」ですから。今作は現在のスタンダードではないでしょうね。ただ、フェスでいえば、メインステージから一番ちっちゃいステージまでサイズが違うだけの同じことが起きていて、それをみんなが楽しい楽しい言ってるのもわけがわからないんですよ。何しに来てんの?っていう。とはいえ、盛り上がっているところに水を差すのもなんだし、だったら僕らはちょっと先に行ってますねってことで。でも、こうしておかないと、この“ウェーイフェスティバル”にみんなが飽きたときに、「まわりを見渡したら砂漠でした……」ってことになったら困るじゃないですか。だから、今はわからないかもしれないけれど、砂漠に水を撒いておく必要がある。2、3年後とかに「Base Ball Bear、3年前にもうこれやってたんだな」とか思ってもらえればいいし、時間が経って気づいてくれれば良いし」

とちょっと俯瞰的に、でも現実的にこの音楽の流れに逆らわず小さな流れをBaseBallBearらしさでまた作る。あくまで上流作業みたいな調子で解説していました。このアルバムの最後の曲の歌詞では、

「砂漠に水を撒こう 渇くとわかってても」というフレーズから始まっており、メッセージ性があります。

こういった音楽シーンのトレンドの音楽づくりではない、ちょっとしたムーブメント小さなクラブの箱から大型の箱にも対応できるのがBaseBallBearの良さと、音楽関係者からの支持かなと思います。それこそインディーズ時代にはナンバーガールのパクリと叩かれていたということもあるインタビューで話していました。

そんな中でも自分らしさ、BaseBallBearらしさを追い求め今の音楽シーンにはない違和感と変化し続けることが ”ロック” なんだとリスナーである私たちに訴えているんじゃないかなと思います。BaseBallBearは新曲や新しいアルバムを出すといつも言われていることがあります。

それは「このバンドはいつも今が一番良い」です。

そう言われて続ける彼らを追い続け、私らしく音楽を解釈し私自身変化し続けていたいなと思います。

今回はここまでにしたいなと思います。こんな拙い文章を最後まで読んでいただきありがとうございます。このシリーズはまだ続けていきたいと思います。

次回は、松任谷由実さんとの関連性から歌詞の仕掛けについて私なりにお伝えしていきたいなと思います。


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