大学リーグの成績からNPBでの成績を予測する
大学時代のISOとK%には相関がある
大学3年以降とNPBでのK%とISOには強い相関がある。長打を増やすために強振すると三振が増え、三振を減らそうとコンタクトを重視すると長打が減る、と考えると両者を両立するのは難しいと考えられる。その難しい両立をアマチュアレベルでこなせるのがプロで活躍するための条件ではないかと考える。実際に、両者を両立する打者はプロで成功しやすいのか、大学時代のK%とISOを散布図にした。
吹き出しがついている選手はNPBでの通算wRC+が100を超えた選手である。吹き出しがついた選手は左上(三振が少なく長打が多い)に集中している。(特にK%が15%未満、ISOが.200を超えるとその傾向が強い)三振の少なさと長打力を兼ね備える打者はNPBでも通用しやすいと言えそうだ。
大学時代の成績からNPBでのwRC+を予測する(四球考慮ver)
(9/26改訂 サンプルの選手を間違えて46人でなく36人となっていました。46人を対象としたら四球もある程度、予測に影響しました。申し訳ありません)
重回帰分析を用い大学時代の成績からNPBでのwRC+を予測する予測式を作る。説明変数はK%とISOとBB%、目的変数はNPBでタンゴ定数を用いて平均へ回帰させたwRC+とした。(タンゴ定数は以下のページから引用)
予測式は
K%×(-1.12)+ISO×108.3+BB%×1.3+68.6
となった。
補正R2は0.26、標準誤差は18.2となった。そこまで当てはまりは良くないか。
予測wRC+と平均回帰wRC+の散布図。回帰直線付近にプロットされている場合も多いが回帰直線から外れた例もそれなりにある。予測値80~100程度なら予測値を多めに上回る120付近の数値を記録することもあるので、予測値が低くともNPBで活躍できないと考えるのは早計だ。
実際の選手の予測値と平均へ回帰させたwRC+を比較。
今年のドラフト候補の成績予測
3年~4年春のデータで今年の大学生のドラフト候補の予測式を作成。(ブライト健太は実質1季のみのデータであることに注意)山城、川村、山脇、ブライト、正木がプロでも打者として平均レベル以上に到達する可能性が高いという予測となっている。(ただ、予測式の予測の程度は過信するべきではない。例えば、佐藤輝明など高三振率、高ISOの選手が今季活躍したなど、予測は裏切られることもある)
(四球を考慮するverに変えたことで以前と比較し山崎と古賀の予測値が上がっている。)
予測式の欠点
この予測式の欠点は
・リーグのレベルがバラバラなのを補正できていない。
・サンプルが46とまだそれほど多くない。
・NPBで300打席以上到達選手が対象なのでそれに満たないで引退した選手のデータが含まれていない。
といった点が挙げられる。サンプルについては年数が経過することによって、これから増加することである程度改善が可能かもしれないが、他2つは改善のしようがなさそうだ。この予測式は過信しないほうが良いだろう。
データ出典
大学時代のスタッツについてはドラフト・レポートで全データが揃ってる選手を対象とした。