フォークボールを落とすコツ
フォークボールは落差を出したい
以前、分析したところオフスピードボール(フォークやスプリット、チェンジアップなど回転数を落とす球)は基本的に速球との落差が大きい方が空振りを取れる、ボール球を振らせられる、といった投手優位な結果が起こりやすいことがわかった。
つまり、基本的に投手はフォークボールを投げるときに縦変化を小さくすることが求められる。
挟むだけではうまくいかない?
フォークボールを投げるためにはまずボールを挟むのが普通だと思います。しかしそれだけではボールがうまく落ちないという人もいるようです。
![](https://assets.st-note.com/img/1655968062625-RFVXM09d8l.png)
挟んで握る例
このようにただ挟んだだけではうまく落ちてくれない場合は、リリース時に指の腹を巻き込んでいる可能性があります。ドライブラインのアナリスト、Chris Langinがその様子を動画で見せてくれています。
In the first clip, the athlete IS able to kill some spin partially due to a wider grip.
— Chris Langin (@LanginTots13) June 22, 2022
There is little to no involvement from the middle fingertip at release... resulting in some loss of spin.
However, the index is heavily involved, leading to backspin + high spin efficiency. pic.twitter.com/jAAcF5RzJ5
ただ挟んだグリップでも、中指を投球時に関わらせないことで、部分的に回転数を落とすことができます。しかし、このグリップでは人差し指は大きく関与しており、(動画を見るとリリース時に人差し指がボールに残っているのがわかります)落差を阻害するバックスピンと高い回転効率をもたらします。そのため大きな落差を産み出すことはできません。
人差し指を巻き込んで握る
Chris Langinはその対抗策としてボールを握る際に人差し指(もしくは人差し指と中指の両方)を巻き込んだ握りにすることを提案しています。
![](https://assets.st-note.com/img/1655968565444-RlhzTEDd5X.png)
To combat this:
— Chris Langin (@LanginTots13) June 22, 2022
1. Account for the fact the learning curve on this pitch may be larger than other pitch types.
2. Trying "curling" the index (or both) fingers at release. This can prohibit the athlete from wanting to get those finger pads involved at release. pic.twitter.com/GFzSaPDHfc
このように巻き込んで握ることにより、リリースの際に人差し指の腹をリリース時に巻き込むことを防ぐことができます。
By getting the pitch to pop out, spin will be lowered further… AND the spin direction of the pitch will shift to be more lateral rather than mimicking your fastball spin direction.
— Chris Langin (@LanginTots13) June 22, 2022
There’s also a large non-magnus component to splits.
Average tilt shifts:
CH: 0:20
SP: 0:40 pic.twitter.com/MPgctcphEk
動画で見てみても、あらかじめ指を巻き込んだ握りはリリース時に人差し指がボールに残らないことがわかります。
両者の比較動画を見てみましょう。
Development of Splits/Forks seem to lag behind other pitch types in the States.
— Chris Langin (@LanginTots13) June 22, 2022
• Coaches seldom threw them when they played, so they may have less confidence in troubleshooting it.
• Splits are thrown with a far different "feel" at release relative to other pitch types.
🧵 pic.twitter.com/ukorsG53OM
指先を巻き込まない握り
回転数 1251
回転軸 12:45
縦変化 42cm(重力のみの影響を受けたボールより42cmライズする)
指先を巻き込んだ握り
回転数 844
回転軸 2:15
縦変化 5cm(重力のみの影響を受けたボールより5cmしかライズしない)
指先を巻き込んだ場合は回転数が大きく低下し、回転軸が横に傾き、落差が大きくなっていることがわかります。
まとめ
・フォークボールは落差があると空振りを取れる、ボール球を振らせやすいなど投手優位になる。
・ただ挟むだけでも回転数はある程度落ちるが、リリース時に人差し指が残り、バックスピンや回転効率が高まって落ちにくい。
・その対抗策として人差し指を巻き込む形で握っておけば、人差し指が残らず大きく回転数を落とせ、落差を出しやすい。