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回転数向上メソッド ~MOI-75での投球練習~

こんにちは、練習改革 by mizunoです。
今回は、MOI-75(えむおーあい75)を投げると、ストレートの回転数が向上する理由を詳しく解説します。

プロ選手へのインタビューはコチラの記事を確認ください。



MOI-75とは?

MOI-75は回転数が向上しやすいようにコルクを重い鉄球に、糸を軽いゴムに変更した特別なボールです。
重量・サイズは硬式球と同等で、慣性モーメント(物の回転のしにくさを表す)を硬式球に比べて約75%に減少させています。そのため、通常と同じ力感でストレートを投げると、回転が非常にかかりやすくなります。

MOI-75の構造


高校生の投手データでは、平均で15%回転数増加が見られました。同時に、多くの選手が高めに抜ける現象が起きました。
その理由は、ボールリリース前からボールは転がるためです。MOI-75は回転しやすいので、硬式球より早くリリースを迎えてしまい、ボールが制御できず高めに抜ける現象が生じます。

MOI-75を投げている際の連続写真

MOI-75を使用した実験

42名の投手に協力してもらって得られた知見を解説します。

MOI-75を10球投げたあとに通常球の回転数を計測したところ、回転数が増加した投手と変化が起きなかった投手に分かれました。回転数が増加した投手には以下の2点の特徴がありました。

①MOI-75を投げている際に、硬式球と比較して回転数の増加率が高い。②MOI-75を投げている際に、MOI-75が高めに抜けない

つまり、腕をしっかり振りながらMOI-75を低めに制御できていることで、ボールの接線力を増加させる指の使い方を学習しました。その結果、回転数増加につながったと考えています。接線力とはボールを引っかくようにかける力のことです。以下の動画で解説しています。

MOI-75を使った練習

まずは、自分の球速や回転数を計測することをおすすめします。
MA-Qを使って回転数を確認し、回転数をどの程度アップしたいか?の目標設定を行ってください。

その上で、捕手を座らせたり、少し前に出て捕球させたりすることで、高めに抜けやすいMOI-75を腕をしっかり振って低めに投げる練習を推奨します。

低めに投げる目的は、抜けないような接線力をつけることです。また、腕を振って投げることの目的は、MOI-75を投げているときに回転数を多くする状態を覚えることです。もし、Rapsodo Pitchingがあれば、MOI-75を使用しているときに回転数を測定することで増加率の確認もでき、良い練習になると思います。
目安の球数は10球程度です。コツをつかめていなければ、もっと多くの球数を投げても良いとは思いますが、肩や肘など体に違和感を感じた場合は使用を中止してください。
ぜひ、継続的に練習を積み重ねてください。
※効果には個人差があります。

もし低めに上手く投げられない場合は

高めに抜けることが多い選手は、捕手を座らせてのピッチングよりも難易度の低い立ち投げキャッチボールから実施することをおすすめします。
その中で、腕をしっかり振りながら、ボールが抜ける割合が減少するためのコツをつかんでください。
コツをつかめたら、段階的な練習として捕手を座らせたピッチング練習に移行していくことがいいでしょう。

※痛みを感じる、製品に異常が見れられる場合は使用を中止してください。


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