【MA-Q】ボールの変化量の見方とポイント
こんにちは、練習改革 by Mizunoです。
MA-Qではアップデートにより、ボールの変化量を算出できるようになりました。しかし、変化量のデータをどのように活用すればよいのか分からないという方もいらっしゃるのではないでしょうか?
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・そもそも変化量とは何か?
・変化量を見ることがなぜ重要なのか?
・どのように変化量のデータを活用すればよいのか?
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この記事では、このような悩みをお持ちの方に向けて変化量の見方についてご説明します。ぜひ最後までご覧ください!
1 変化量とは
ボールの縦と横の変化を数値化した指標です。単位はcmです。
「ボールがホップしているな~」や「ボールがシュート/スライドするな~」など感覚的によく表現されますが、変化量はこのようなボールの動きを数値化したものです。
高校生の右投手の平均的なストレートを分析したところ、縦方向への変化は21.6cm、横方向への変化が17.1cmです。例えば図のデータは縦変化量が33㎝、横変化量が2.1cmです。このストレートは、平均的なストレートよりもホップしており、あまりシュートしていないことがいえます。
一方、カーブは下方向に変化し、横方向に変化していますので、平均値は、縦変化量:-33.8cm、横変化量:-14.4cmです。なお、変化量グラフの原点(0,0)はボールが無回転の場合の変化量を表しています。
1‐1 縦変化量と横変化量
縦変化量は、ホップするや垂れるといったボールの上下方向の変化を数値化したものです。数値が大きいと、ボールがホップしているように見え、打者がボールの下を振る可能性が高まります。一方、数値が小さいとボールの上を振る可能性が高まります。
横変化量は、シュートする、スライドするといったボールの左右方向の変化を数値化したものです。右投手の場合、数値が大きいとシュートしているように見え、数値が小さいとスライドしているように見えます。逆に左投手の場合は、数値が小さいとシュートしているように見え、数値が大きいとスライドしているように見えます。
1‐2 変化量を生み出す要因
変化量を生み出す要素として、よくあげられるのは回転数と回転軸です。
”回転数”と回転軸の”上から見た角度”が変化する量に影響しており、回転軸の”投手から見た角度”が変化する方向に影響しています。
回転数が多いストレートは伸びてるな~やサイドスローのスライダーがすごい曲がるな~ということを正に表しています。この辺りは別の記事で解説予定です。お待ちください。
2 なぜ変化量を見るべきか?
投手の役割は、打者を打ち取ることです。
打ち取るために、どういう球を投げるか、どういう組み合わせをするかを日々考えていると思います。
打者は様々な投手との対決の経験を踏まえて平均的なストレートのイメージを持っています。そのイメージとのギャップがあるボールを投げることが打ち取る可能性を高められる1つの手段です。
2-1 平均値との比較
2022年の高校生平均では、ストレートの縦変化量は21.6cm、横変化量が17.1cmとなっています。
この平均値と自分が投げたデータを比較して考えることが大切です。
平均値と比較して、縦変化量が大きければフライに、小さければゴロになりやすいボールと言えます。
実際に高校生が使用する金属バットの直径は6.7cmから6.4cmに、細くなります※1。そのため、より平均値から変化量をずらせることで打ち取る確率があがると思われます。もちろん、変化量だけでは説明できない※2とは思いますが、球速を速くすることだけでなく、ぜひ変化量から考えて目標設定してください。
※2022年にミズノが計測した約100名の高校生の投手データ
2-2 他の球種との比較
ストレートの変化量を平均からずらしたいものの、なかなか難しい場合は変化球を平均からずらすのも、打ち取る確率をあげる1つの手段だと思います。
それぞれの球種の役割を捕手やコーチとも相談して、どういう軌道の球を投げればいいか?を分析してみてください。
2-3 調子の確認
調子の良いとき、悪い時のデータを普段から計測しておけば、今の自分の調子がどうなのか過去の自分のデータと比較することで、客観的に分析することができます。 例えば、調子が悪い時は、調子が良かった時のデータを確認しその時どのような球速や回転数、回転軸だったのか、今とどれくらいの解離があるのかを確認し、どこに原因があるのかを自己分析することができます。
今回の記事は以上です!回転軸と変化量の関係性の記事も書いていくので、お楽しみに!
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