
球質の目標設定 ~ストレートの変化量と回転軸の関係~
こんにちは、練習改革 by Mizunoです。MA-Qではアップデートにより、ボールの変化量を算出できるようになりました。

この記事は、変化量のデータを活用してより良いストレートを投げるために、
----------------------------------------------
・変化量にボールの回転がどう影響するか?
・ボールの回転軸と投球フォームはどのように関係しているのか?
----------------------------------------------
という内容について解説しています。ぜひ最後までご覧ください!
(そもそも変化量とは何か?について知りたい方は、ぜひこちらの記事もご覧ください!)
変化量とボールの回転の関係性
より良いストレートを目指していくうえで、自分のストレートが、なぜシュートしているのか?ホップするには何が足りないか?といった要因を理解することが重要です。変化量に影響を及ぼす大きな要因は回転数と回転軸です。
2つの回転軸と変化量の関係を理解する
回転軸については、投手から見た角度と上から見た角度に分けて考えることが大切です。
下記動画で、回転のイメージを確認してください。
投手から見た角度
投手から見た角度とは、水平面と投げたボールの回転軸がなす角度です。投手から見た角度は、ボールが変化する方向を決めます。

ストレートに関しては、角度が0度に近いとバックスピンの回転をしていることになり、縦変化量が大きくなります。いわゆる「ホップするボール」に近づきます。反対に角度が90度に近づくとサイドスピンとなり、横変化量が大きくなります。いわゆる「シュートするボール」となります。右投手のストレートは、マイナスの角度を示すことがほとんどであり、左投手のストレートはプラスの角度を示します。そのため、変化する方向に違いが生じます。
上から見た角度
上から見た角度は投球方向と上から見たときの回転軸がなす角度です。上から見た角度はボールが変化する量を決めます。
そもそもボールが変化するのは空気抵抗を受け、揚力が発生するためです。空気抵抗を多く受けると、変化が大きくなります。そのため、上から見た角度が0度に近づくと空気抵抗が大きくなり、変化が大きくなります。

一方、上から見た角度が90度に近づき、いわゆるジャイロスピンとなると、空気抵抗が小さくなり、ボールの変化が小さくなります。
右投手のストレートは、プラスの角度を示すことがほとんどであり、左投手のストレートはマイナスの角度を示します。しかし、変化する量としてはこのプラスとマイナスに差はみられないので、数字の大きさを確認してください。
回転数と変化量の関係を理解する
基本的に回転数が多いほど変化量は大きく、回転数が少ないほど変化量は小さくなります。これは、上から見た角度でも説明したように、空気抵抗の大きさが関係あります。基本的にはバックスピンのストレートの場合、平均より回転数が多いボールだとよりホップするように見え、バッターがボールの下を振ってしまいフライになる可能性が高まると言えます。逆に回転数が平均より少ないボールだと、バッターがボールの上を振ってしまいゴロになる可能性が高まると言えます。
上から見た角度と合わせて、回転数を着目しましょう。
なぜ回転数が多いのか、少ないのか
回転数大小の基準
別の記事で紹介しますので、お待ちください。
ボールの回転軸と投球フォームの関係性
ボールの回転を決めるのは、ボールをリリースする腕や手の角度です。
投手から見た角度については腕の角度が大きく影響しています。そのため、オーバースローはバックスピンのボールが投げやすいため縦変化量が大きく、サイドスローはサイドスピンで横変化量が大きくなる(シュートしやすい軌道)傾向にあります。
ストレートの上から見た角度についてはボールをリリースする際の手の角度が大きく影響していることが様々な研究から報告されています。小指が前に出るような形でリリースすると、ボールの回転軸の上から見た角度が大きくなります。

より変化量の大きいストレートを投げるには、人差し指と中指がホームベースに対して平行な状態でボールをリリースして上から見た角度を小さくすることが重要です。
また、ストレートとスライダーの変化量の差があまりない場合、ストレートとスライダーのどちらも上から見た角度が大きく、ジャイロスピンになっていると思われます。このように球速や回転数だけでなく、回転軸や変化量を確認することも非常に重要です。回転軸にも注目してレベルアップを目指しましょう!
今回の記事は以上となります。次回もお楽しみに!