チリも積もれば|度会隆輝の好成績は撒き餌だったのか、コースから考察
始めに
ご覧いただきありがとうございます。
さて、今シーズンもオープン戦が終わり開幕まであと少しとなりました。
ベイスターズも明るい話題が多いですが、その中心はやはりドラフト1位ルーキー度会隆輝選手です。
こちらが度会選手のオープン戦成績です。
オープン戦首位打者をはじめ、安打、出塁率、長打率、OPSなどの多くの部分で12球団トップの個人成績をたたき出しました。
打球方向や対左右のバランスもよく、安定的な活躍をしていたようにも思えます。
一方でオープン戦での好成績ということもあり「どうせシーズンに入ったら…」「データを取るための撒き餌だよ」という声も聞こえてきます。
単純に21歳ルーキーが、オープン戦だけでもこれだけの数字をたたき出している時点で将来への期待は膨らませていいと思いますが、実際のところどうなんだろうかという興味があるのも事実。
ということで今回は度会選手がどんな攻められ方をされてどんな対応をしたのかを考察してみました。
どんな攻められ方だったのかというお話
まずは度会選手に投じられた球数をコース別にまとめてみました。
コースの判定は人によって解釈が変わる可能性はあるので、内外・高低・ストライクボールのざっくりとした判断くらいで見ていただきたいです。
基本的にストライクゾーンはまんべんなく攻められておりこの辺りからも、他球団が得意・不得意コースを探っていたものと考えられます。
ただし、外角低めのストライク、真ん中低めのボールゾーンは他コースに比べて倍以上でした。
実際にはこれらは「低め」かつ「真ん中外寄り」の「際どいコース」を狙った同様の球であり、投手の基本とも言えるコースのため当然と言えば当然ですが、ある意味オーソドックスに使われていたと考えられます。
ではそれに対して度会選手自身はどのように対応したのでしょうか。
度会選手の対応というお話
こちらは度会選手のコース別のスイング率とコンタクト率をまとめた図です。
先ほどのコースが赤字となっています。
まずスイング率はストライクゾーン内においては比較的低めで、あまり手を出さないコースであるということがわかります。
一方でコンタクト率は平均程度で、大きな弱点と言えるほどではありませんでした。
また、他のコースを見てみてもスイング率、コンタクト率ともに大きな弱点と言えるコースは見当たらずバランスよく対応していたと考えられます。
投球の基本とも言える外角低めを多く攻められた割にはそれほど苦しんだとは言えず、度会選手は隙を見せなかったと考えられます。
終わりに
まとめると、
コース別でみた場合はまんべんなく攻めれたがセオリー通り「外角寄りの低め」だけは比較的多く攻められた
そのうち、スイング率自体は比較的少ないがコンタクト率は平均程度
ストライクゾーンに残ればヒットも打つ
ということになります。
この点から度会選手は、確かに全てのコースへの対応データを取るための投球をされたものの、重点的に攻められたコースに関しては、ある程度の対応ができていたと考えられます。
また、今回はコースから考察しましたが、球速や球種の組み合わせで色んな攻められ方をされる一年になると思います。
オープン戦時点ではコースによる撒き餌を食らっても大きな隙を見せなかったことで、シーズンが始まってからはまた別の攻められ方をするのか、あるいはそれに対応していくのか、駆け引きという部分でも楽しみになってきそうです。