チリも積もれば|8/3 対阪神15回戦を振り返る

ご覧いただきありがとうございます。
気になった部分を振り返っていきます。

試合前に気になっていた部分

・打順を元の考え方に戻した
 →牧が2番と形は違うものの、コアである牧佐野TA宮﨑のメンバーを前に詰めることができ、TAや宮﨑不在時とは違う考え方に戻ったと思う。
機能させられるのか、注目したかった。

・吉野の2登板目
 →前回を踏まえての今日。メンタル的な部分で集中のベクトルがどうか、ランナーケアや一球ごとの出し入れ、力の入れ方などに注目したかった。

試合振り返り

まず投手陣から。
吉野に関しては、やはり集中するベクトルが少しどうなのかなという部分がありました。
全体的にゾーン勝負にいっているというよりも漠然とゾーンに入れにいっているという印象で、勝負する球としてその球を投げているのかなという疑問は否めなかったです。
ボール先行を嫌がるのは当たり前ですし、試合前の段階でどんどんストライク先行でいこうねというプランを立てていたようには思えます。
ただそれが捉えられてしまう球なのであれば意味はないですし、本来は押し切れる球を持っているはずですが今日はそうではなかったので難しい投球になってしまったように感じました。
しかし最後の最後、4回表の二死満塁で近本との対戦、フルカウントから投げた6球目は細かいことを考えずとにかく腕を振った球だったように思えます。
おそらくあそこに投げようとしたわけじゃないと思いますが、それでも良いですしアバウトで構わないので思い切り腕を振れたあの一球を次回に繋げて欲しいなと思います。
悪いだけではない日に感じました。

リリーフでいうと、森原が久しぶりの登板でしたが変化球多めだった印象です。
点差があったので色々試したいのかなと思いましたが、そこで気になったのはゾーンに入れるフォークでした。
操作して投げているのかは分かりませんが、最近の京山やウィック、それ以前の中川虎など、変化球をゾーンに入れる投げ分けをすることで選択肢を増やして、いい投球に繋げているシーンをよく見ます。
彼らと対戦する打者にとってはケアするボールが増えたり、変化球だから見逃そうという判断ができなくなったりと難しくさせることにつながると思います。
怖いのはそれがバレて相手がその球を強めに狙った時、簡単に捉えられるのではないかというところです。
上手く使う必要があるとは思いますが引き出しを増やすという点ではいい試みだと思いますし、今日の森原がそこまで狙っていたかは分かりませんが1つ、今後気にして見ていきたいポイントかなと思います。

次に打線ですが、TAの2本塁打があったとはいえその前にチャンスメイクしたことを含めてしっかり機能した10得点だったと思います。
牧の2番は、得点圏で自分が決めるという姿勢から四球を選ぼうとならずに全てに手を出しにいく悪さを考慮すると、後ろに繋いでくれれば良いから無理をするなと言える良い打順だったと思います。
実際に初回は無理についていくことなく四球を選んだことが同点に繋がりました。
試合後の監督インタビューからも「2番を楽しんでくれ」とあったようですし、そのあたりのケアも出来ていて良かったです。
また佐野は、ここ数日、少し左投手に対して背中側に体重が乗ってしまい、外側の球に対して踏み込めずポイントも前に崩される、腰が入らない、内側の球は難しい球に手を出してファールやどん詰まりというシーンが目立っていました。
今日もその傾向が強くありましたが、最後に浮いたスライダーを内側気味ではありますがしっかりとセンター前に腰を入れて弾き返すことができていました。
修正できたのはいいと思う一方で、こちらに関しては大事なのは明日、西勇輝の内外の出し入れに対しても同じような対応をしていけるかだと思いますし、明日の注目ポイントになりそうです。
林に関しては元々アプローチが良い打者だと個人的に思っていて、ゾーン管理も上手いですし、積極さと慎重さを状況に応じて使い分けられるタイプだと思っています。
もちろん打ちに行った中で仕留め損じたり、力負けしたり、狙いをスカされたりは課題としてありましたが、現状だと調子が良いだけあってそこが目立たないくらい成功体験を積めているなと感じます。
今日も四球を選んだ部分をはじめ無理にボールゾーンについていかないでカウントを作れていました。
セーフティスクイズは甘いところに投げてくるタイミングで出したベンチも良かったですが、その甘い球に対してしっかり下半身を使って転がしてから走るという形で、さらに転がす方向も投手や一塁手が右利きでトスしにくい場所に転がす、理想的なものでした。
守備も含めて昇格後の活躍としてはインパクトのあるアピールが出来ていると思います。

最後に采配についてですが、広島戦までは混乱の中で許容しがたい部分だらけでした。
しかし昨日から徐々に戻りつつあり今日に関しては違和感があったのは点につながったものの終盤に無死一塁でバントをしたことくらいでした。
特に上位に続く柴田のバントはともかく、6番の蝦名にバントは微妙というか、山本林代打と下位打線へ向かうところだったのでどちらにせよヒットを絡めるなら蝦名に打たせても良かったのかなと思いました。
結果的に山本がヒットを打って林のセーフティにつながったわけなので良かったですが過程の根拠としてはもっと詰めていける部分かなと感じました。
ただそれ以外は筋が通っていると思いましたし、正気を取り戻してくれたようで安心しました。
負けはじめた時にあのような采配に頼ろうとするということは、おそらく前半戦や今日の采配がなぜ良い方なのかという根拠が首脳陣の中に浸透していないとは思いますが、とにかく成功体験を積んでこちらを選び続けてくれることを願います。

終わりに

なんとか連敗ストップして嬉しいですし、打線やリリーフ、采配の方含めて良い感じに機能した試合だったと思います。
ただ選手たちも言っていたようにここからが大事ですし、今日でハイ満足です終わりというわけにはいかないと思うので今日をきっかけにするためにも良いところはいっぱい喜んで詰めれるところは明日以降詰めていってブラッシュアップしていって欲しいなと思います。
ヤスアキの言うように頑張っていない選手はいないと思いますし、みんな目の下クマだらけになる程苦しんでいたのは十分に伝わってきました。
若手が引っ張ってきたとも言える今年のチームだったと個人的には思いますが、ここで支えるのは経験のあるものたちというコメントもありました。
キャリアの中で苦しい日の方が多かった彼らが頼れる存在として救ってくれることを願っています。
そのためにもまずは今日を踏まえた明日、注目ポイントが多そうです。

[追記]
盗塁について書き忘れてました。
まずこちらが仕掛ける側の視点では、3点差つけられているところで即走れるのは梶原の良いところだと思います。
点差などは関係なく相手に隙があれば迷わずいける、さらに牧への初球だけで相手のケアが無いなと判断できるため、次打者に無駄な待ちを作らせない走者でいられるという良さが見られました。
一方で3回表に近本に盗塁されたところは、やられたらやり返すってとこで相手監督の性格もあったと思いますが、それはメタ的な視点になるのであまり重要ではなく、どちらかというと中野がその前の球でセーフティ仕掛けているにもかかわらず次の球では最初からバント構えてることへの違和感に気づけるかどうかの方が大事かなと思います。
吉野の前回登板から、打者に集中してランナーケアが甘くなるのを把握されていた上でバントを構えておけばバントをさせにくるだろう、なのでそこでスチールっていう狙いだと思いますが、打者が最初からバントですよと構えるのは本人のやりやすさもありますがそれと同時に、サインを切り替えたタイミングであればバスターやスチールに変化した可能性も高いので、構えてない時以上にバッテリーは警戒を強めないといけない場面だったかなと思いました。
めちゃくちゃ細かいし変な長文になりましたが、まとめるとサインが切り替わったタイミング、打者の動きが変わったタイミングはそれを素直に受け止めない方がいいよなというふうに思ったシーンでした。

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