「学生のうちからブランド運営とオムニチャネルを知るきっかけに」(大阪文化服装学院)
関西を代表するファッションに特化した専門学校、大阪文化服装学院では毎年、生徒自身が約3ヶ月間、実店舗を運営する先進的な授業を実践しており、最近では実店舗のみならずネットショップ運営にも取り組んでいます。今回はその取り組みについて大阪文化服装学院のブランドマネージメント学科3年生、中島美緒さんと松花美那さんにお話をおうかがいしました。
ブランド立ち上げの経緯
中島さん・松花さん:4月からブランドマネージメント学科3年生が3つのグループに別れて、1グループずつブランドを企画し、大阪は中崎町にある商業施設<チェルシーマーケット>内で私達が2019/9/21〜12/22まで長期運営するリアルショップに協力していただいている、株式会社パル様に向けてのコンペを行った結果、<WORKID」>が選ばれました。
選ばれた理由はウケがよさそうというか……コーディネートなどがイメージしやすい点でしょうか?
みんなが知ってるもの(ワークウェア)だからこそ、コーディネートの組み合わせがイメージしやすいというのがポイントです。
コンペを勝ち抜くうえでそのへんのリサーチを徹底的に行いました。リサーチする過程で“自分たちだけの好き嫌いだけで考えるのではなく、お客さんにはどう映るのか? どう企画したら提案が通るのか”ということを意識しました。
<WORKID>というブランド
中島さん・松花さん:中長期的な未来を予測したファッションの提案ではなく“今”同世代が好きなものをギュッと凝縮したブランドです。
ワークマン女子が流行ったことが発想の源泉にありつつも、日常着としてのワークウェア提案としてコンセプトを「To work, To play. はたらく服で、服あそび」としています。
たとえば「ワークマン」を彷彿とさせるようなワークウェアに真逆のレースやパールなどのドレッシーさを組み合わせたり、ギャング要素のあるカラフルなものを取り入れたり、この2つの要素でコーディネートを提案するブランドです。
中崎町の<チェルシーマーケット>内の実店舗も、既存のレンタル什器だとブランドの世界観が作り込めないので、自分たちでホームセンターに出向き単管パイプを組み合わせたりドラム缶やコンクリートなど活用した什器を作り込んでインダストリアルな内装にしています。
実店舗だけでなくネットショップにも挑戦
中島さん・松花さん:私たちの世代は実店舗でもネットショップでもボーダレスに多様な決済手段で洋服を買うのが当たり前の世代です。せっかくそんな時代に生きているのだからこそ、実店舗も昔ながらのレジではなくタブレット端末で簡単に扱えるAirレジを導入していますし、ネットショップも特別なものだととらえることなく、標準装備として用意しておきたいと考えました。
ネットショップがあることで実店舗の存在に気づいてもらえることもあれば、実店舗に訪れてくれたお客様があとからネットショップで購入してくれるといったシーンも私たちは実体験として容易に想像することができるので、いろんな方向にブランドを知ってもらう可能性を用意しておきたいと考え、ネットショップも開設することにしました。
実店舗だけだとどうしても関西圏のお客様がメインになりますが、ネットショップだと日本中のお客様に向けてブランドを知ってもらえる可能性もあるので。
「BASE」を選んだきっかけ
中島さん・松花さん:学校の経緯としては先輩たちの代からネットショップを作成してみるといった授業はありました。でも自分たちでHTMLなど分野外のことをイチから学ぶよりも、「BASE」を使ったほうがかんたんにネットショップを作成することができるので、浮いた時間を本来の学業であるブランド作りに専念することができるといったよさがあるかなと思います。
デザインマーケットを活用すると自分たちがイメージしたブランドコンセプトに合わせたネットショップのデザインが編集しやすくなる、というのが一番うれしいですね。頭の中にインプットしたブランドコンセプトを難しい操作をする必要がなくアウトプットしやすい、というか。
私たちは普段スマホをメインで使うので、シーンに合わせてスマホとPC両方で管理できるのもうれしいです。
デザインテーマによっては地図を貼り付けることができるものもあるので、私たちのように実店舗も案内したいと考えるブランドにとってはありがたいですね。
ブランドとしての売上目標
中島さん・松花さん:約3ヶ月の運営で売上500万円を目標にしています。そのうち最低10%はオンラインで販売したいと考えています。
また、ネットショップ単体の売上にならなくても、先ほどお話ししたように「ネットショップがあることで実店舗の存在に気づいてもらえる」こともあるので、その結果、ネットショップがきっかけで実店舗の売上に繋がることはあるかと思います。
「BASE」にはクーポンを発行する機能もあるので、この機能を活用してオンオフ両方に送客して売上向上を目指すこともできそうです。
最後に
中島さん・松花さん:私たちはあくまでも授業の一貫として実店舗運営やオンラインショップ運営に取り組んでいますが、本当に自分たちのブランドを運営する気持ちで取り組んでいます。
この過程で学んだことは学業はもちろん、就職活動にも活きてきますし、卒業後の将来にもきっと役立つと感じています。
自分自身でショップを運営してみるということは世の中の経済活動を知るきっかけ、社会勉強になると感じています。