「覚悟」のその先に|「荊棘の道は何処へ」 感想
画像はhttps://x.com/pj_sekai/status/1844574014326571513より
※イベント「荊棘の道は何処へ」のネタバレを含みます。
読んでいない方は是非とも自分の目で確かめてからこの記事を読んで下さい。
プロセカ4周年記念の生放送にて、なきそさんがニーゴへの書き下ろし楽曲を担当されることが発表されました。
その際のコメント。
この言葉を受けて本気で覚悟の準備ができていた人はいましたでしょうか。
私は無理でした。
というか「”あの話”だとは思うけど言うて察しはつくしな〜」と全く用意していませんでした。舐めてました。
その結果、終始苦しみ、泣きながらストーリーを読むことになったわけです。
瑞希の覚悟
絵名に待ってて、と言い、ずっと逃げてきた瑞希。
まふゆがお父さんに自分の気持ちを話したことをきっかけに、自分も
「進みたい」と強く思うようになります。
しかし、話す勇気が出ない。覚悟ができない。
ニーゴのメンバーが自分のことを拒絶するわけがない。受け入れてくれることはわかっていても……。
「進むか退くかは好きにすればいい。
だが、苦悩の中から自分自身を救う道を選び抜く必要がある」
とカイト。
「これからも触れるべきではないと思っているけど……
どんな結末になろうと、必ず見届ける」
とメイコ。
「瑞希が心から幸せを感じられるようになることを、友人として願っている」
と類。
彼らの温かさを受けて、文化祭の後夜祭で絵名に話をする覚悟を決めました。
どうしようもない現実
文化祭。
ニーゴのみんなとの時間を、「最後かもしれない」と思いながら過ごす瑞希。
そして後夜祭を迎える。
みんなと繋がれた気がした、絵名が「待ってる」と言ってくれた屋上で話をしようとします。
しかし。
クラスメイトが怪我をしてしまい、保健室の先生を探して欲しいと言われる瑞希。
絵名は先に屋上へ向かうことに。
屋上へと先に向かった絵名は、同じく屋上へ来た神高生徒に話しかけられます。
その生徒たちは、瑞希のことを知っている様子。
絵名に馴れ馴れしく話しかけ、衝撃の言葉を投げかけます。
「君も男だったりする感じ?」
「君”も”男」。
つまり、
暁山瑞希は、男だと。
衝撃の事実に驚く絵名のもとに、瑞希が現れます。
脳裏によぎるのは走馬灯のような想い出たち。
その選択は後退か?
どうにか瑞希を引き留めようと走る絵名。
対して瑞希は、何度も謝ります。
「もっと早く話さなきゃいけなかった」
絵名が「ただ驚いただけ」であることを理解した上で
「ダメなんだ」と涙をこぼします。
瑞希は想いを吐露します。
自分が秘密を話しても、ニーゴのみんなは何もなかったみたいに接してくれる。
何も変わらないと、……そう、”思わせてくれる”んだと。
本当は温かいその優しさが生まれてしまうことが、
どうしようもなく嫌なんだと。
そう言い残し、瑞希は姿を消しました。
自分の気持ち、感想
正直、瑞希が生物的に男性であるということはなんとなく察しがついていましたので、あまり驚きはありませんでした。
しかしそれ以上に、瑞希の心情に少なからず共感する部分があり、声優様の演技もあり、本当に辛いな……と思いながら読んでいました。
自分が秘密を明かすことで、優しさを持つ人の目にもそのレッテルが映ってしまう。それによって遠慮が生まれることは避けられない。
相手が「変わらない」でいようとしてくれる優しさ。
でもそこには遠慮があり、気遣いがあり、かつての関係には戻ることはできない。
それが「化けの花」での「秘密ひとつで崩れる」「つぼみにはもう戻れない」
ということにも繋がるんでしょうね……。
辛い!!!!!!!!
また、個人的に演出がとても印象に残りました。
今回、8話を読む前にこのような警告が入りました。
な、なんだこれ……。
プロセカくんこんなことできたの??
見た時は本当に背筋が凍りました。プロセカってホラゲでしたっけ。
「現実世界」に現れないということは「セカイ」に籠ってしまうということだろう……。
そう察しはついても、最終的に瑞希をセカイに閉じ込めるのは我らなわけです。
運営の手のひらで踊らされているというかなんというか……。
やってくれましたね。
ですが所詮傍観者である我らにできるのは、もはや祈ることだけだと思ってます。
この出来事が後退ではなく大きな一歩でありますように。
化けの花が美しい一輪の花として咲けますように。
暁山瑞希が心から笑えますように。