『動かないボーナス』
去年、山梨県が独立した。
東京一極集中に反発した県職員らによる大規模な独立運動が発生、日本政府は旧山梨の強みである精密・ロボット技術の使用制限を警戒して黙認、「ネオ甲州」は無血独立を果たしたのだ。
日本への「輸出」で企業とネオ甲州政府は大きく潤ったが、ネオ甲州の外れの町役場勤めの私には特段恩恵はなかった。
しかしある日、給与明細に気になる記載が。
「風林火山ポイント:山」
なんだコレ?
担当に聞いてみると、
「公務員へのやり甲斐増進策として、風林火山に従った行動が認められる人に政府から特典が支給されるんです。」
「風のような素早い対応だと臨時手当て、
林のように静かに着実な成果を出すと有給休暇、
火のように住民全体へ広がる好影響を与えると昇格の推薦が貰えます。」
やるなーネオ甲州。
今まで何も変化がないと思っていたが、公務員のことまで考えてくれるとは。
「山のように動かない人は、速やかに再就職を斡旋します。」
・・・私は動かないぞ!
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