上昇志向高めの桃太郎
爺様・婆様には勿論感謝しているが、桃から生まれただけで「桃太郎」と名付けられたのは頂けない。
しかも、鬼退治に行くのに吉備団子だけとは。
道中の物乞い達もワンワンキーキーケンケンと煩いこと。
1つあげたら味を占めてついてくる。
そんな時間があるなら自己投資に充てたらどうか。
その点私は鬼退治後は起業することに決めている。
絶対に一山当てるのだ!
目標がある人間は強い。
鬼ヶ島に着くやいなや、鬼達を即座に倒し、あっという間に降参に追い込んだ。
這って許しを乞う鬼達。島に差し込んだ光が鬼達を照らした刹那、桃太郎に衝撃が走る。
なんと出来の良いパンツだ・・・
高級感のある生地、立体裁断、そして丁寧な縫製の上物。おそらく10年履いても破けないであろう。
「このパンツを作ったのは誰だ?」
『へ?この程度、鬼なら誰でも作れますが・・・』
「よし、この島は私が支配する!
私に従えば悪いようにはしない。
共に一山当てようじゃないか!!」
『へへぇっ、桃太郎様!!』
後のPEACH JOHNである。
「上昇志向高めの桃太郎」完
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