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人形さんができるまで~経刻変化制作レビュー~6.服・アクセ作り・完成・出品編(完結)

※この記事は未購入で全文お読み頂けます。
先日の「人形さんができるまで~経刻変化制作レビュー~5.小物作り・メイク・組み立て準備・服作り同時進行編2」に引き続き、
~経刻変化が出来上がるまで~の2016年版まとめていきます。
アメブロにて、2014年から作品の制作日誌を付けておりました。
随分と制作日誌の量が溜りましたので、当時よりも目が肥えた私目線でまとめてみようと思います。
当時の写真と当時の文章に現在の目が肥えたであろう私のまとめ・反省・ツッコミを入れていきます。
みなさんの隠れた物作り精神が刺激できれば幸いです。
※コメント頭に 2021年/ と付いているものは、2021年の私が書き込んだものです。

あらすじ

メイクした!
塗装の問題発生!!
関節の受けに革を貼った!
まつ毛は人形さんでも人間でも難問である!!

※うっかり載せ漏らした内容があったので下記の記事をこっそり更新しました!

まつ毛貼りなおしました。

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まつ毛貼り直しました。バライタです。

より自然になったかな?

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バサっと切らずに自然に見えるようにカットしました。
毛先ができるよう、ハサミを斜めに入れたり。

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現状では1番それらしくて綺麗です。

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眉毛もウィッグの色に合わせて黒系を入れてみました。
多少は近付いたかな?という感じです。

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昨日よりも目元がより自然です。
良かった良かった。

あとは服だね!

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2021年/
まつ毛、貼り替えたそうです。
今見ると・・・貼り替えてまつ毛のクオリティが上がったように見えません。
あ、「バサっと切らずに自然に見えるようにカットしました。
毛先ができるよう、ハサミを斜めに入れたり。」って書いてある。
いくら自然な毛先に見えるようにカットしても結局はハサミによる切り口です。
切ってしまった段階でどうやっても毛先にはなりえないのです。
ペンで描いてみると・・・

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これは、ムダ毛を剃刀で剃ると、逆に濃く見えちゃう現象と同じですね。
斜めに切ることで断面が広くなり、余計に目立つというアレです。
私もよくなっていますよ。
そのおかげでこの人形さん、「経刻変化」はかなり目力が出ています。
これでもありっちゃぁありですが、コンセプトとして素朴な雰囲気を目指していたので
そう意味ではこの目力は不要でしたが、眼のギラっとした光と相まって結果オーライにしました。
これもアリか・・・と納得しました。

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「何故私たちはすれ違ってしまったの」現象発生!

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服って難しいんだなぁ。バライタです。

只今鋭意作成中。

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なんとか上下がくっ付きましたが、

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なんとこんなにウエストに段ができてしまいました。

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ベルトをする予定ですから、ベルトをしてしまって正面からならわかりませんが、スナップが付けづらいのでやはりやり直します。

粘土じゃないからあまりやり直していると布がダメになってしまいますねぇ...

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2021年/
「この件に関して、当局は捜査を打ち切りました」とだけお伝えします。
この現象、結局原因が解らずじまいでした。
今考えると、
「布を切り落とした際の切り口が斜めで、
そのまま待ち針で固定したから斜めになったのでないか説」と、
この「経刻変化」の「体幹が歪んでおり、そのまま型紙を作ったため、
上下で歪んだ状態で縫い合わされたのでないか説」を思い浮かびました。
今冷静に考えると、本件はこの2つの説が同時多発的に
発生したために起きた現象ではないかと推察します。
・・・要は、ちゃんと見て切りなさいと言うことと、
もっと造形力を鍛えて体幹がしっかりした子を作りなさいということです。

ちなみに、最新造形の白衣少年こと「ある研究者の幼少期(2020年完成)」の体幹も歪んでいます。

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だってTシャツがすごい作りにくかったもの。

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ついに!完成しましたっ!!バライタでーす!

名刺はまだでーす!

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服完成!ベルトも装備して見た。
あらっ!意外に合うじゃない!
もう少しベルトは幅があっても良かったなぁ。
でもこれ以上幅があると着物の帯みたいになりそうですね。

もう1つの難題。

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頭の飾り。
針が短かったのか、なかなか頭のコルクに刺さりません。
もう一度花飾りを解体して新しい虫ピンを装着します。

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新しい針はこのぐらいウィッグに貫通します。

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おっ!しっかりしてる!
抜けないっ!こりゃ良いねっ!

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あとは名刺か...

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名刺作成中。

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人生初名刺は信頼できるところにお任せします。バライタです。

どうせすぐ内容変わるから...
と、思ったけどやはり綺麗な印刷の方がいいよっ!ということでお店にお願いしてきました。

納期は長めに設定したけど、やっぱり早く欲しいよねぇ〜

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2021年/
この名刺が人生最初の名刺でした。
もう今は手元に残っていません。
当時はTwitterとブログしかやっていなかったのでこのぐらいシンプルにまとまりましたが、
今ではもはや収拾がついていないと思えるぐらいにSNSの量が増えました。
いやぁ、増やすときは色々考えるんですがね・・・。
「これ始めてもちゃんとやっていける?他のSNSと更新の内容被らない?」
「更新を疎かにしない?効果的に運営できる?」
今ですか?Instagramが放置気味ですね。ははっ。
更新内容も微妙に被っています。
でもそれはしょうがないですよね。
だって1人の人間が更新するんですもの。

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名刺が出来上がったぞぉ!バライタです!

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予定通り50枚用意しました。
納期は長めで切ったんですが、名刺を用意するなんて初めてのことで正直不安でした。
(名刺間に合うかな?大丈夫かな?
あちらはプロですから間に合わないなんてことないはずなんですが...)

これであとは搬入だけ!

ホッともしてられない。
ドキドキ...

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教室でもお披露目会。どうも、ウチの長女です。

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教室での初お披露目が終わりました。バライタです。

先生に少しだけ前髪を切って頂きました。

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あとは服をいい感じにシワシワにする方法も教えて頂きました。

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これいいですね。
真新しい感じがなくていいです。

あとはネックレスを作り直したらもう手を入れるところはないですね。
21日の搬入日を待つばかりです!

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2021年/
そのシワシワ、どうやってやったの?教えて!!

・・・恐らく、霧吹きですこーし湿らせて、
くしゃくしゃッと手で軽くもんだのでは?と思います。
・・・覚えてないっっ!!!

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タツコン2016作家ページが追加されました。

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「作家志望?」から「作家志望!」になった瞬間ですね!
バライタです!

これで「作家目指してます」って言っても変な顔されないで済むぞー!

タツコン2016作家一覧

No.91櫻井涼(サクライリョウ)

すでに作品の画像出ちゃうんですね。
制作日誌は搬入日21日の翌日22日から公開していこうと予定していたんですが、もう公開しちゃっても良いのかな?
どうしようかな?

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2021年/
2016年のあなたにお伝えしたい。
2021年現在でも「作家志望」だぞ。
なんたって、初の売り上げは昨年の蒼い人形展のポストカードの売り上げ100円だけだからな。
でもこの100円は尊い100円。なんなら私の中での価値は7億円はくだらない。
・・・宝くじの当選金かな?

それにしてもタツコン2016の作家情報が見られることに衝撃を受けた。
すごい!ギャラリー龍屋さん、ありがとうございます!!
あ、でも作家名変わったことをお伝えしないと。苗字の名前変わっていますって。

タツコン2016では91番、タツコン2021では41番・・・。
一気に50番も番号が若くなったぞ!!
いや、関係ないです。ただの申し込みの順番です。

うぉぉぉ!今年の人形さんを早く仕上げたくなってきた!!

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座椅子のよう。バライタです。

安定が悪くなかなか座らないので、教室で安定させる方法を教えて頂きました。

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結果的に座ってくれました。
なかなか安定します。

教えて頂いた方法なので詳細は書けず。
許可を取っていないものですから...

ひっつき虫で固定させるとどうかな?

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アクセサリー完成!

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これで本当に完成!バライタです!

予定していたものが出揃いました!

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ネックレス〜!
アジャスター付きだからサイズ調整できちゃうもんね!
これで作品に直接関することは完了です。
あとは納品書を仕上げるだけですね!

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人生初、金額を決める。

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ようやく金額を決めました。
バライタです。

自分の作品に金額付けるなんて初めてだぁ...

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金額は秘密☆
会場でご確認下さい。

何を基準につけたら良いのかわからなくてひとまず語呂合わせにしてみた。
材料代とかも一応考えてこのお値段。

難しいなぁ〜

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なんとか梱包が終わりました!
バライタです。

タツコン2016
搬入は自分でするから良いと思ったら梱包も必要なんだとか。
そうなのかぁ...。
仕事終わりに頑張りました。
力尽きて、ダンボールの高さのサイズ調整まではやってないです。
ちょっとデカイんだなぁ。

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そして搬入へ・・・。

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搬入が無事に完了しました。バライタです。

色々不安でしたがよかったですよ。

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照明のおかげ様で、自宅で見るより良い感じです。
他の作家さんとも少しだけお話しさせて頂きました。
貴重な体験がいっぱい。
ありがたや〜!
名刺を思い切ってたくさん置いてきたけども、どれだけ持っていってもらえるかな?

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タツコン2016出展作品について。

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観に行きたくてもまだ観に行けてないバライタです。

オープニングパーティのプレゼンテーションに出なかったのでなかなかみなさんに作品の意図をお伝えできないなぁ、ということでブログでちょちょっと書いておきます。

タツコン2016 テーマ『時』

1.【塗装】
服でよく見えませんが、実はグラデーションになっています。
黒系統→緑系統→黄色味の肌
これは怪物が人間になっていく過程を色で表現しました。

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2.【質感】
顔の質感は割とツルッとしていますが、手足はザラザラしています。
これも怪物の肌から人間のツルッとした肌に変化しています。
鱗のイメージですが、露骨に鱗ではイメージが爬虫類に固まりすぎるためザラザラのみの質感にしました。

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3.【表情】
怪物の肌とのギャップのために顔は普通に可愛くメイク。
当初の予定だった、能面のような角度によって表情が変わる、という仕組みを狙った表情を作りました。
果たしてちゃーんと変化するのか、会場で確かめて観て下さい!

4.【花】
頭にも花が付いていますが、手にはひときわ大きな花を持たせています。
プラ板で作成しました、『ハナミズキ』です。
ハナミズキの花言葉に『返礼』があります。
『礼を返す』、何かをもらったらお礼に何かを返す、『ヘンレイ』です。
何かのきっかけで怪物が人に変わっていく、そのきっかけを与えてくれた何かに対して礼を返す。
というストーリーのためにハナミズキを作りました。
人間なっても忘れちゃ行けない礼を返す、感謝をする。
いつも職場のゴミ集めを率先して、サラッとスマートに、さりげなく回収して下さるOさんには感謝しております。ありがとうございます。

何かのきっかけで変わって行き、最終的にはどこかに落ち着く、これも時の経過ではないでしょうか。

作品タイトルは『経時変化』。
たしか物理学でいう経時変化は「時間と共に物質が変化する」という意味だそうです。
そのままですね。

何事にも意味を持たせたくなる私らしく、意味合いが盛り盛りですがどうぞ宜しくお願い致します。

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2021年/
ついに完成しました。
あと1記事ぐらいかかると思いましたが、一気に完成しましたね。
後半はスピードに乗っていたし、早く完成が見たい!という欲求に任せて突っ走った感じですね。
まぁ、コンペ出品という絶対的、後ろにずらせない納期があったというのも大きいでしょう。
最後のコンセプト説明、アーティストステートメントってやつですが、
ちょっと恥ずかしくてちゃんと目を通していません。

しかし、これだけはお伝えせねば。
今回モチーフに選んだハナミズキですが、モデルにしたのは実家に植えていたハナミズキ、
なんですが・・・。
この作品完成後に実は、私がモデルにしていたのはハナミズキではなく、ヤマボウシであることが発覚、
というか、思い出しました。
制作中に母から、「それ、ハナミズキの花かな・・・?」とやんわりと指摘を受けていましたが、
「いやいや、ハナミズキだよぉ!」ということで譲りませんでした。

すみません。ヤマボウシでした。
実家にはヤマボウシとハナミズキが2つともありまして、両者は非常によく似ています。
業者が取り違えるぐらいですからよく似ているんです。
だって!桜井家は最初、ハナミズキですって言われてヤマボウシを購入して、
そのあと「あれ?これハナミズキじゃなーい!ヤマボウシじゃん!」と気付いてハナミズキを買いなおしているぐらいですからね!

両者は本当に似ているんです・・・信じて下さいよ刑事さぁん・・・。

何故今になって初期作品の制作日誌をまとめたのか?


最初を自己紹介的な記事としてご覧頂きたいし、ブログ形式のままでは読みずらいだろうと思いまとめ上げたわけですが、
物作りについてふと思うことがありまして。

以前から、「そんなにさらっと(簡単に)作れるならもっと安くしてよ~」などと言われた、という声がTwitter上でよく聞こえてきます。
(・・・私は言われたことありません。)
私が思うに、「そりゃぁ、そう言われてしまうかもしれない」です。
というのも、みなさん、TwitterやInstagramにアップする作品、みんな美しすぎる!!!!!
そりゃそんな美しいものポンポンとアップしていたら、「あら簡単にできるのね~」と思われてしまう可能性がある!
たまに、「ちょっとヘンだけどアップします~」・・・どこがヘンなの?と聞きたいものまでアップしている。
そういうところですよ!みんな、みーんな見えないところの努力や失敗があるはずなのにまったく表に出てこない!!
まさに沈殿して、ろ過された、濃度(完成度)が高いものだけが世に出ている!
でもね、本当に物作りで面白いところは上澄みの不要になった部分の、失敗や苦悩・羞恥だと思うんですよね。
そういうところを積極的に発信していき、ご覧頂いた方々を物作りの沼に引きずりこみたいと思います。

物作りの面白さを知らないから「安くして~」なんて言えるんですよぉ・・・。

よく言うじゃないですか、「(クロッキー作品に対して)この作品を仕上げるのに30年と数分かかりました」っていうやつ!
これですよ!これ大事!「この作品を作るのに数百回のトライアンドエラーと十数年と数か月で作りました」
・・・よし!私は自分の失敗を発信していく作品製造責任者になります!
物作り愛好家もいいね。


それでは、また制作日誌まとめでお会いしましょう!

ここまでご覧頂きまして誠にありがとうございました!

※ご購入後に読める範囲にはちょっとしたご挨拶と近況が書いてあるのみです。
※ご購入頂かなくても全文しっかり読めます。
※それでも良いよ!という方はご支援のほど、よろしくお願い致します。


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