耳鼻科で耳掃除をしたでござる
「耳掃除はあまりしてはいけない」
「するとしても手前側だけ」
それを守り続けていた。守っていたつもりだった。
綿棒で掃除をすると耳垢を押し込んでしまうらしいと。
だから手前だけ…。
なぜかというと、耳の内部は耳垢を自然に排出する機能があって、あまりカキカキしていると耳を傷め、その作用も失いがちなんだとか。
しかし突然、耳掃除してたら「ガサッ!」という音がして、それ以降右耳だけイヤな感じがした。
どうイヤなのかというと、塞がっていて少し聞こえにくい。なにかがあるような違和感があった。まさか鼓膜を傷めたなんてことはないだろうが、とっても気になっていた。
GWも明け、満を持して耳鼻科に向かった。
きっと大きい耳垢が出てくるんだろう、そういう覚悟はあった。
お医者さんはとっても明るくテンポのよい説明で、ノリノリで診断を始めた。あまりのテンションにちょっと面喰いつつ、ファイバースコープで自分の耳の奥が映し出されるのを見ていた。
左耳は…まあ耳垢はあるけれど異常はない。
右耳は…おお、みごとに乾いた耳垢が膜のように塞がっている。
これだ。これが違和感の正体だ。
ちょっと取りますねー、とお医者さんがゴソゴソと耳の奥に何かをつっこんで取り出した。
それは…
まるでホタテの貝のひものような、乾いた細長~い耳垢だった。
予想以上に長いので面喰っていたら、おやおやまだありますね、と。
それですんごい長さのが出てきたので、一言わたしは「もう失神しそうwwwww」って爆笑してたら看護婦さんに笑われたさ😊
そしてすっかり耳は聴こえるようになった。
ウソのように。
少しの間、右耳が聴こえにくくなってたから右耳でよく聴くようにしていたせいなのかわからないが、以前の2倍ほど良く聞こえる感じがした。
例えるのならば、100m先で1円玉がチャリンと落ちても聴こえるんじゃないかという感度だ。
もともと私は耳が良くて、空気の細かな振動、遠くの音、色々なもんを拾って生きてきたんだ。聴こえづらくなってから分かった。塞がって聴力が落ちると、まるでレーダーを失ったかのように異様な感じがしたんだ。
現代の生活では何かしら電気製品が動いていたり、些細な音がずっとしている。全くの無音なんてあり得ない。けれど、無音であることを確かめるには耳が正常でなくてはならない。静寂を聴くにも聴力は必要なのだ。何を言ってるかよくわからないけれど、聴こえづらくなると分かるのだ。
ちなみに、耳鼻科でこのように奥の耳掃除をしてもらうことは普通に良くあることのようで、初診料含め3割負担でお会計1000円ちょっとだった。
1000円ちょっとでマイクロスコープで耳の奥が見れて、診断してもらって、耳の奥もスッキリ掃除してもらえるなんてお得なんじゃないだろうか。
耳に違和感があったら、迷わず耳鼻科へ行くのです。