「ADHDに理解を!」の文字がカサンドラ症候群にはキツい
タイトルまんまなんだけどね。
ADHD(あるいは発達障害、アスペルガー症候群、自閉症)を理解して!
私達だって苦しいんです!
やりたくてやってるわけじゃない!
この主張、最近よくTwitterなんかで見るようになった。
先に述べておくと、この人達は何も悪くない。自己紹介をしてるだけだ。
だが、カサンドラ症候群に陥った自分にとって、正直、きつい。
いや、本人には申し訳ないんだけど、ほんっとーーーーーにきっつい。
理由は、カサンドラ症候群は長年ADHDのパートナーに振り回され、(例え本人にとってそのつもりが無かったとしても)ないがしろにされ傷つけられ、自尊心を失い、疲れ切ってしまっているからなんだと思う。
発達障害者は嫌いだとか、近寄るななんてことを言うつもりは毛頭ない。
彼らの中にはそうやって、自分達の特徴を理解し、どうにかしたいと思って治療に臨む人もいるのだし。
そもそも彼らだって、なりたくてADHDなわけじゃない。
病は違えど、生まれつきの病気で苦しめられる人の気持ちは自分にもよく分かる。
だが、私はそうやって「発達障害のパートナーをどうにかこうにか愛そう、理解しようとするあまり、自分をないがしろにして、相手の意見や主張ばかり優先させてきた人間」だった。
だから、カサンドラになってしまった。
相手を許してばかりいることと、自分を捨てることは違うのに、だ。
これは私にも問題がある。原因は心無い言動を繰り返す元パートナーだけれど、だからといって発達障害者だけを責めるのは間違っている。
それでも、私自身は「私は彼に傷つけられた、辛かった、だから離れて拒絶した。もう二度とあんな思いはしたくない。そのためにきちんと自分の意見を言う。ぶつかることを恐れない。」ことをもっと強く自覚しなければならない。
発達障害者側の主張を見るたびに「俺が悪い!でも仕方ないだろ!もう謝ってるんだから分かってくれよ!」とすがりついてきたダメ男のことが脳裏をよぎる。
なるほど、私は私を守るために、ADHDの情報とは距離を置かなければならないんだな、と初めて思った。
あの日の私は
バル子の稼ぎなんて俺の実家からしたらはした金
女のくせに
食事の用意も風呂の支度もセックスの相手もしないような女は死ね
(私の愛猫に向かって)クソ猫
顔むくんでる、クマがひどい
バル子が街コンなんか行ったって無駄、男に相手にされるわけない
などの様々な暴言を、何とか薄ら笑って流し、平穏にその日を終わらせることに全エネルギーを注いでいた。
自分の趣味には多額を突っ込むくせに二人の生活費には超ドケチな彼のために、毎日チラシをチェックし、特売の食材だけで食費を数万円に抑えたりもした。
毎晩ゲーム仲間とネットで通話して私との会話はなく、肥満だというのにお菓子をむさぼって、何をするにもやらない言い訳しかしない、ある日突然仕事を辞めてくる、私の家族を悪くいうなど、彼と離れた今思うのは「あ〜〜〜〜、あんなヤツと別れてよかった!人生サイコー!」だが、別れるに別れられず耐えている人もたくさんいるんじゃないかと思う。
ADHDはツラい。
人を傷つけているのに、それに気付けないのだから。
カサンドラはツラい。
自尊心を傷つけられ、トラウマに悩まされるのだから。
お互いの辛さはどちらかが黙ることで消滅するものではない。
でも、だからこそ、私も元カサンドラ症候群として、はっきり声を上げていきたい。
あなたが自分を守るためなら、理解できなくたっていい、優しくなれなくたっていい、距離を置いていい、離れてしまってもいいんだよ、と。