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お笑いのファン
愛してやまないお笑い、またはお笑いライブについて…
約6年間、演劇に携わる生活を送ってきました。そしてこれからもそんな生活を送っていくことでしょう。
だからと言って演劇について語れることなんてわたしにも、そしてお前らにも、何一つだってないんだ。
よし!
みんなでお笑いの話をしませんか?
わたしは中学2年生の時に生まれて初めてお金を払ってお笑いライブを観に行きました。それはよしもと∞ホールで行われていた『AGE AGE LIVE』でした。
その頃神奈川の実家に住んでいたわたしにとって∞ホールのある渋谷はそれほど遠い場所ではなく(片道1時間以上はかかるけど)学校終わり駅のトイレで制服から私服に着替えてしょっちゅうライブを観に行くようになりました。
そして高校生になってもお笑いライブへの熱は冷めやらず、アルバイトとお笑いライブの往復と言う生活リズムに【学業】を取り入れることを完全に放棄したわたしは高校を半年で卒業(中退)し、そしてまた何事もなかったかのようにお笑いライブに足を運び続けます。
26歳になった今、いくらかでも演劇をやっているせいで「自分の芸の肥やしにするためにお笑いを観ている人」と思われることがありますが、それは全く違います。(肥やしたほうがいいのではと言う意見は受け止めます!)
自分が役者として何度舞台に立っても芸人さんと共演させていただくことがあっても、客席に座ってお笑いライブを観ているときは本当にただ面白いものを観て笑いたいだけの純粋なお笑いファンでいたい…観客であるわたしたちがこの気持ちを忘れてしまっては、どんなに面白い芸人さんを前にしても極上のお笑い体験をすることは出来ないとわたしは考えます。
かつて東京には、出演者発表前にチケットが即完する『バスク』と言うお笑いライブがありました。
その時MCをしていたAマッソ加納さんが、舞台の上から客席を眺め「バスクの客は(物理的に)浮いてんねん。」と言いました。
全ての雑念を取り払い、目の前のお笑いライブを楽しむことだけに全神経を注ぐと人は浮く…と言うことを身をもって知った、お笑いライブファン終末の地こそがこの『バスク』と言うライブだったのです。
バスク無き今、物理的に浮くお笑いファンを支える新たなお笑いライブが誕生しました。それが『グレイモヤ』。
過去のグレイモヤに出演したママタルトのネタ映像ですが…ここにいるお笑いファンの存在感が常軌を逸していることがお分かりいただけるでしょうか。
演者と観客の尋常じゃない熱量のぶつかり合いが2時間以上ノンストップで繰り広げられる異常空間ライブ『グレイモヤ』。
それは本気で笑わせたい人間と本気で笑いたい人間だけが生き残ることを許された戦場とも、ひかるぶんどきムラムラタムラを連続で観る・観せる行為が許された超常世界とも言えます。
このライブに辿り着くまでになにを見て、どんな困難を乗り越えて生きてきたのか、ファン一人一人に聞いて回りたい気持ちです。
毎度ストーリーテラーとして活躍しているMr.ドーナツ伝説 咳暁夫が『水曜日のダウンタウン』に出演するビッグサプライズが起こったその3日後、グレイモヤの舞台に登場して開口一番「とんでもないことになったよね。」と言って巻き起こった爆笑と言うかもはや爆発を、わたしは当分忘れられそうにありません。
カナメストーンの「手でやったM1」を、ママタルトの「真空ジェシカの漫才のつかみ」を、スーパー4助を、ヨシダin the sunを…テレビで観たい。
【藤井健太郎さんへ】
『今一番客が浮いてるライブグレイモヤ説』
やってください。
お笑いのファンより。