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写実的なデッサンを思わせる人物画が特徴的な福岡えみさんの作品を鑑賞しました。


少しうつむき、何か考え事をしているような男性を描いた作品がありますが、仕事のことで頭を働かせているように私は感じました。決してただ険しい顔をして悩んでいるのではなく、どこか涼しげで余裕さえ感じさせるこの表情はこの男性の知的な雰囲気をさらに引き立てています。
絵の下の方に注目して見ると何やらペンを持っており、この作品の私のとらえ方以外にも本や作品(絵)の制作にあたっているようにもとらえることが出来ます。この後に出てくる女性を描いた写実的なデッサンを思わせる作品にも共通して言えることは人物のシルエットを青い線で表現し、黄色を多用しているという点です。

色っぽく手を組み視線をこちら側に送る女性の作品は細い線を沢山用いて描かれており、線を特にたくさん描いている箇所と少ない箇所で陰影をつけて、女性の彫りの深い顔立ちを見事に表現しています。

この作品に描かれている人物はとても真剣なまなざしをしており、正面を向いていない若干、斜めに描かれた顔の位置から描かれていないその下の体の部分の動きを予測するのがとても面白い作品だなと感じました。私はなぜかこの人物が激しくダンスをしているように感じますが、皆さんはこの作品に描かれていない体の部分の動きをどうとらえ、感じるのかとても気になりました。

この作品は一番最初にあげた作品と同じく、何か考え事をしているように感じますが、私は先ほどのその作品とは違って何か悩んでいるようにも感じられました。口元に手を当てる不安そうなしぐさがそう感じさせるのか、はたまた遠くをぼんやりとみつめるうつろな視線がそう感じさせるのか二つの効果が相まってさらに不安そうな雰囲気がこちらに伝わってきます。

笑顔でこちらに微笑みかける女性の作品はどこか記念写真におさまる女性という印象を受けました。私はこの女性が友達と楽しい時間を過ごした後に、記念に友達と一緒に撮った写真という印象を受けました。きっとこの女性の隣には仲のいい友達の姿が一緒に写っているのではないかと感じました。

グローブという縫い目の複雑な野球の道具と白い野球ボールが青、茶色、黄色で描かれており、描くのがかなり難しい題材なのではないかと感じました。特に驚いたのが野球のグローブの色をよくある茶色一色ですべて塗ってしまうのではなく、ところどころに黄色を塗ることにより、日の光が当たっているような午後の暖かな日差しを感じさせるような他のストーリー性(情報)を感じさせる点です。私はこの作品を見て、夕方の穏やかな西日が今日一日試合で使い終わったグローブと野球ボールを照らし出し、このグローブと野球ボールの持ち主の充実した一日を物語っているように感じました。

福岡えみさん、素敵な作品をありがとうございます。
福岡えみさんの次の作品もとても楽しみです。

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