プロタイムズ加盟店で塗り替えを検討中の方々への注意喚起
メーカーが「製品保証に加えて工事内容に対しての保証も出している」以上、杜撰な工事はやらないだろうという浅はかな了見からプロタイムズの加盟業者を選んだところ、中塗りで塗料をすり替えられるという愚を招いてしまった。以下にこの短慮の齎した詐欺被害の経緯を記すので、覆車の戒めとされたい。
その前に便宜上文中に出てくる塗料について触れておく。
2000MF-IR: フッ素系塗料 色はエクリュ(生成り=ほぼ白)
2液型 混ぜた瞬間から固化が始まるため可使時間が設定されている。
メーカーがプラチナシリーズ(2022年12月当時)と称している上位グレードでプロタイムズ加盟店しか使えない。
REVO1000: シリコン系かフッ素系かは失念。色はグレー
1液型 開封しても保管状態次第では概ね一年は使用可能とのこと。
上記製品より2グレード下の塗料で加盟店でなくても買える。元々グレーに塗装されていた笠木に塗るという名目で持ち込んだ。笠木だけ元の色に塗ってくれと頼んだわけではなく、笠木にひび割れがあったため、どうするのかと契約後に尋ねたところ、笠木のことは忘れていた、何とかする、と答えていたので、笠木を面積計算に含め忘れたのだろうと思い、REVOを笠木に塗ると聞いても特に怪しまなかった。迂闊だった。大抜けに抜かっていた。後述するが、その際2000MF-IRは1缶使わなかったので持ち帰ったと話しており、余るくらいなら契約にない塗料を使う必要などはなく、1缶使わなかったと云った時点で既にすり替えを自白していたも同然だったのだ。そこに気が付かなかった己の愚鈍さにはほとほと嫌気が差す。おそらくすり替えはこちらが笠木に言及したのを奇貨としてその場で思い立ったものと思われる。
エポパワーシーラー:下塗り剤 2023年4月28日より新色としてグレーが加わったが、本工事が行われた2022年12月時点では、色は透明と白の二色のみ。
施工業者は プロタイムズ湖西店 ヤマダエナジィ。
代表の山田は己の「説明」にはウソをマコトに変える魔力があるとでも思っているようなサイコパス。
工事は2000MF-IRを4缶用いて行なう契約だったが...
着工から中一日置いて一週間後の朝、いきなり壁を白く塗り出したので、中塗りかと思っていると、翌朝作業開始前に代表の山田が職人一人を従えて現れ、前日で外塗りは終わったというので訝しく思い、庭に置いてある塗料缶を調べたところ、4缶あるはずの2000MF-IRのうち空になっているのは2缶のみで、あと1缶は蓋がされて上にシートが掛けられており、その側にREVO1000が1缶置いてあったので、合点がいかずアステックペイントに問い合わせたところ、2000MF-IRの出荷は確認済みとの回答があるのと入れ違いに、代表がやって来て、2000MF-IRは1缶使わなかったのでそのまま持ち帰った(そもそも持ち込んでいない可能性を度外視すれば、これは事実)、蓋がしてある2000MF-IRは少し余ったのでタッチアップ用に置いてある。REVOの方はこれから笠木に塗るために色が似ているのがたまたま余っていたので持って来た(笠木に塗ったのは事実)と「説明」。その際、職人がこの「説明」を証示しようとするかのようにREVO1000の蓋を開けて中を見せてくれたが、塗料は底面に僅かに残っているのみで、その表面には水の層が出来ていたのを記憶している。この時は愚かにも規定塗布量を満たすのに必要な缶数を計算していなかったので、不審の念を残しつつも上の「説明」を了承。数日経って封緘された請求書を持って来た際、事務所の近くに来る折があったら遊びに寄ってくれ、などと妙に親しげな愛想を使っていたので、怪訝に思いながら開封してみると、果たして未使用の1缶分の値段まで計上されていたため、アステックペイントに、返品は効かないのか、と問い合わせたところ、10年間のW保証を謳っていながら、塗料を出荷した時点でこちらの義務は終わり、後のことは知るか、と、不当な要求でもされたかのような不機嫌な声を上げていたが、それでも相手方から事情は聞いたらしく、現場に2000MF-IRが3缶しかなかったのは1缶を8割がた使ったところで持ち帰ったからだと話しているとのこと。これは先の「説明」と相違しているのみか、2液性の塗料の使いさしを持ち帰ってみても意味がないので疑わしく思い、必要な塗料の缶数を計算したところ、最低4缶は必要であることを知り、担当者は塗料には規定の塗布量があるのを知っているので、4缶とも使ったと云ってその場を取り繕ったのだろう、してみると中塗りをやらなかったのではないかと疑念を持ち、この旨を「全国どこでも高品質の塗装工事を提供できる仕組みを構築」しているプロタイムズに通知すると、担当者から、先方は1缶は半分程使って持ち帰った、外塗りは当方に前日で外塗りは終わったと告げた当日の午前中に職人二人がかりで行ったと「説明」していると知らされ、塗料の最低乾燥時間を調べたところ、アステックペイントの場合4時間は必要であることを知り、これはいよいよ中塗りをとばしたな、と思っていたところへ、代表から電話があり、この時にはプロタイムズのほうからこちらが必要な塗料の缶数を計算したことを聞かされていたとみえて、前言を翻し、1缶は空になるまで使って持ち帰り、刷毛やローラーを洗うためのシンナー入れとして使ったと「説明」。さらに外塗りと中塗りを一日で終えたと云うので、試みに一回の塗装に要する時間を尋ねると、それには答えず、4時間半以上乾燥時間を設けたなどと現実離れした「説明」や二枚舌に終始していた。
中塗りを抜かれてしまうと証拠も残らないため一度は諦めたが、そのうちにふと壁を白く塗り出した前日にグレーの粘着物が建物の南面と西面に汚らしく塗られていたことを思い出した。さらに、それまでは5時前には作業を切り上げて帰っていた職人のうちの一人がその日に限って日没後も作業を続けており、翌朝には前夜この居残り作業をやっていたと思しき若い職人が外出しようと玄関を出た筆者を見て「お出かけですか?」と意外の念に打たれたような面持ちを見せたこと。また、作業開始前にもう一人の職人の発する異様な哄笑があたりに響き渡っていたが、その笑い方はさながらトリックスターの所業を前にして驚きとコードが破壊されたことによる喜びとを隠せないといった態のものだったことを思い出した。そこで遅まきながら下塗り剤の色について調べたところ、庭に空き缶が積んであったエポパワーシーラーは透明か白の二色しかない(当時グレーは未発売)、となれば、壁がグレーの塗布物で蔽われていることは本来あり得ない、また日程的にもこの日、中塗りをやっていたとしてもおかしくないので、これはこちらが戸外に出ないと踏んで夜陰に乗じて塗料をすり替えたな、と不覚にも事ここに至って気づくと共に頭に浮かんだのが2000MF-IRの代わりに置いてあったREVO1000のことだ。笠木用と称して持ち込んだREVOを壁にも塗ってしまえば、2000MF-IRを己の懐に収めることが出来る。そのREVOも塗布面が液だれしていたことから見て、未使用品とは考えにくく恐らく使いさしを薄めて間に合わせたのだろうと確信して、このことをプロタイムズに伝えると、既に双方の言い分が食い違っていたこともあり、さすがにこの「選び抜かれた優良施工店」の釈明に不信の念を抱いたのか、今回は先に山田の方から事情を聴き、聴取した内容の正否を当方に質したうえで、その申し開きの真偽を確かめようとしていたが、もとよりその場しのぎの言い逃れがこちらの回答と一致する筈もなく、結局、「業界最高レベルの工事品質基準に則った塗装工事」を行なう業者がウソを吐いているという結論に落ち着かざるを得なかったようだった。
山田の方はといえば、当方の申し立てが憶測に過ぎないとでも思ったのか、この期に及んでもまだ騙す気満々で、職人を連れて「説明」に行くから都合のいい日を教えろと申し入れてきたので断ると、先述のウソを繰り返し、それが通用しないとみると、「屋根なんかキレイにしてあげたのに」と、当たり前のことを恩に着せようとし、それも効果がないとわかると、「あなたは何という人だ。私が塗料をすり替えるなんて悪いことをするはずがないでしょう。」と謂れなき誹りでも蒙ったかのような演技を始め、それでも承服させることが出来ないと知るとヤケクソになったのか、あの時置いてあったREVOは実は2000MF-IRだったのだ、というファンタジーまで語っていた。
この一件以来一年以上経つが、アステックペイントはいまだにこの塗装詐欺を働く業者に製品を売っている。アステックペイントにしてみれば、プロタイムズは関係会社というだけであって、他社が何を云っていようが、ましてや販売先の業者が何を仕出かそうが自分たちには関わりがないということだろうが、プロタイムズのほうは「悪徳業者」の跳梁を嘆き「業界の健全化に取り組んでいきます」と揚言している以上、当たり前のように塗料をすり替える「悪徳業者」は加盟店から除いて然るべきだろう。それを相変わらず当の「悪徳業者」を「塗料メーカーが厳選した優良塗装店」の列に加えているからには、HPに鏤められたインテグリティ溢れる文言の数々はマーケティングに付きもののウソだと断じられても文句は云えまいと思い、念のため加盟業者募集用サイトに目を通したところ、「社会に誇れる塗装工事を約束する」という看板はまさしく羊頭であったことを知った。狗肉の例をニ、三挙げると、
「塗料メーカーが厳選した優良塗装店」という条の「厳選した」とは加盟した業者とアステックペイントとの間で交わされる施⼯店契約を誇大に言い換えているだけで、
「プロタイムズに加盟できるのは地域での実績と確かな施工技術が認められた優良塗装店だけ」ではなく、新規参入者であっても加盟でき、
「全国の工事状況は専用システムで徹底管理。万全のチェック体制があるので安心です。」と公言している「専用システム『現場ポケット』」の正体はよくある建設業者向けの業務効率化アプリの一つに過ぎず、「リアルタイムで品質をチェックし、全現場で徹底的な品質管理」を行なうようなシステムではない。
なんのことはない、プロタイムズ自ら自分たちが表向き云っていることはウソです、と裏で教えてくれていたわけで、それを見過ごした魯鈍さには我ながら呆れるほかはない。「業界唯一」と号する保証については業者向けサイトには特に言及はないが、一般向けサイトの「職人による施工に不良があった場合 『塗装会社』『塗料メーカー』の双方から『お客様』に工事保証が出る」はミスリード表現であって、保証書によれば加盟業者が倒産乃至廃業しない限りアステックペイントによる保証は発効しない。過日プロタイムズの社員に、施工業者が手抜きをした場合でも保証はしてもらえるのか、と訊いた際にも、あれは塗料の保証だけ、と答えていた。
要するに、https://protimes.jp は、張りぼてでしかなく筆者のように後知恵という苦い臍を噬みたくなければ話半分に受け取っておくことだ。例えば、代表挨拶の「全国の優良な塗装専門店が集結し、手抜き工事を一切しないルールづくりや、お客さまが生涯にわたって塗装工事を任せたいと思っていただけるサービス基準を構築。全国のどのエリアでも同じ安心をお届けするための仕組みづくりに取り組んできました。」という箇所は次のように読み換えるといい。
「全国の質の区々な塗装店が集結し、手抜き工事をやりかねないルールづくりや、お客さまが二度と塗装工事を任せたくないとお思いになってもおかしくないサービス基準を構築。全国のエリアによっては不利益や損害をお届するおそれのある仕組みづくりに取り組んできました。」