学問バーにやられた~kisi豆腐店長へのラブレター~

このタイミングでこんなことを書いても後出しジャンケンにしかならないのですが、学問バーkisiさんの衝撃は大きく、書かずにはいられませんでした。
私がバーをやりたいと思ったときに目標としていたことの多くが、まさにkisiさんでやられていました。むしろそう思っていらっしゃるバーテンダーさんは少なくないと思います。
学問バーのコンセプトを見て、初志を忘れていたことを思い出させていただきました。
自分がどんなバーをやりたいのか、今自分が置かれている状況でどんなバーができるのか。kisiさん開店(宣言を見た)後は、心が揺さぶられっぱなしの毎日です。
バーのお客様として特定の属性の方を集めることはとても大変なのですが、kisiさんでは研究者や専門家というフィルタを日替わりバーテンダー側にかけて募集することでお店としてのブランドイメージを形成していること、バーテンダーの方にはギャランティーを保証して学生を含めて日替わりバーテンダーが毎日埋まりやすくしていることの発想と判断に脱帽しています。
バーkisiさんを「ヒト集客ではなくハコ集客として成功している」と仰った方がいらっしゃいました。バーテンダーさんが日替わりのお店ではバーテンダーさんによって集客の波が大きくなりがちで、ヒト集客からハコ集客への転換が難しいことも知りました。
開店からわずかな日数で新規性の高いビジネスモデルが成立していることがとてもすごいです。すごいしか言ってないのですが、それほどすごいことで、kisiさんをとても尊敬しています。

これ以降は思い出した初志などを書いた自分語りですので、ご興味ない方はブラウザバックいただいて結構です。

バーテクノクラートの現状「高専生に世界一優しい」「味醂専門バー」

ありがたいことに高専関係のお客様に来ていただくことが多く初年はお客様の9割が高専関係の方でした。今でも8割を超えているかと思います。専門的な話題もそれなりに飛び交っています。
しかし当店は一応オーセンティックバーの形をとっていますので、"Hide out"、"扉の中での秘密は守られる"(城アラキさん原作、長友健篩さん漫画『バーテンダー』Glass3 復活の酒)ということで、どのようなお客様がご来店されたか、どういったお話をされたかは店主から発信してはおらず、なかなかバーで繰り広げられる話題を魅力としてアピールできていないのが実情です。サロンとしての魅力を追及したいのか、お客様に(オーセンティックな)バーの魅力をご紹介したいのかで自分も揺れています。

バーをやりたいと思った初志(2020年)

私が小岩でバーを開いたのは2021年、その決意をしたのは同年5月でした。
しかし実はその前から、将来バーをやること自体は考えていました。
2020年3月末には既に「仕事に飽きたので裾野(静岡)でバーを開業したい」という旨をSNSに投稿していました。
なぜ裾野だったのか、それが私がやりたかったバーに非常に強く関係があります。
発端はさらに2019年4月に遡ります。その時私は『MaaS モビリティ革命の先にある全産業のゲームチェンジ』という本を読み、非常に強く感銘を受け、その本が示すMaaSレベル4が実現された未来社会に強い憧れを抱きました。
そして2020年1月のCESWoven City(裾野市に建設中のMaaSを含んだ社会実装の実証実験都市とする街)が発表されました。
その未来都市自体にももちろん興味がありますが、その都市に集まってくる未来都市を志向する人達と交流を持ち、知的好奇心を刺激し続けていきたいと考えました。(過去には研究者を優先して入居してもらうという報道もありました。)
そして高専生には、いい意味での変態(誉め言葉としてのスラング)が高い割合で居て、非常に面白い。こういう人達が集まって興味深い意見交換がされる場でありたいと2021年10月に当店をオープンしました。


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