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ボルダリング(2)

 今日のテーマは、腕を伸ばす、について。

 よく、登っていると、腕を伸ばしていないと疲れるよ、サルが登るようにホールドにぶら下がって行かないと、と言われたことありませんか?言っていることはわかるんですが、そんなことできないよ!と思いませんか?

 梯子を上る時、手が伸びています?伸びているところもあるけど、伸びてないところもある。全部伸ばすなんて無理ですよね?そうなんです、無理なんです。じゃあ、梯子って、どうやって登っています?両手で梯子の段を握り、足で登りますよね?まずは、足で登るということなんです。そこで、梯子と同じように段が2つのホールド並びになっていたと仮定ましょう。右足上げる時、左右の手はどうしますか?手横並びで足上げます?上げないですよね?右足上げるとき、先に右手を上げる。左足で踏ん張り、右足を一段上のホールドに乗せる。この時、右手、左足の2点支持で立ち、左手は回転するのを抑えるだけ。でも、左手は伸びていないです。この後は、右足で身体を上げる。もちろん、右手も補助します。でも、左手はほとんど使わない。これが上がる時の体勢です。次に、縮んでいた左手を上の方に移動します。これ、掴んで身体を引き上げるのではなく、軽くホールドを掴むだけ。この状態、左手+右足状態で、右手は縮んでいます。回転を抑える役目しかしていない。ここで、左足が自由になっているんで、左足を上げ、その足で踏ん張って上がる。

 すべての基本は対角線です。右足+左手、左足+右手。この2点で支え、回転をもう一方の手で止める。だから、その手は力要らないし、登りには関与しない。この状態で空いた足、右足+左手なら左足、左足+右手なら右足で登る。登るんだから同側の手は縮む(決して手で引っ張って上がるのでなく、足で上がる)。同時に回転を止めるためだけに使っていた手は空くので、上に伸ばす。すると、対角線は逆になる。こうして上がるんですね。決して、身体を手で上げていないこと、お判りいただけますか?

 対角線はわかった。でも、その時の持ち手は疲れない?はい、状況によっては疲れます。例えば、45度に傾いていたとしましょう。そのまま本当に45度に傾いていると、保持している手は疲れます。では、疲れないようにするにはどうしたらいい?軸足になっている足にしっかり乗るのです。重心を足側に持っていく。重心が足にあれば、足だけで立て、手は壁から落ちないように支えるだけ。基本はこれですが、現実には100%とはいかない。でも、一応、それを心がければ手は疲れません。

 まあ、梯子はわかったかと思います。でも、ボルダリングにすると、そうにはならない。今、両手の高さ、両足の高さは一緒にしましょう。間隔は肩幅+αくらい。上下は1mくらいとしましょうか?この状態から、右上のホールドを取りに行きます。さて、どうしますか?
 最初はおサルさんがやるように、両手を掴んで腕を伸ばし、腰を落として足でホールドに乗た状態です。まさに、おサルさん!この状態から右上のホールドを取りに行きます。さて、どうしますか?

 一つ目。左手でホールドをしっかり持ち、右足に荷重を掛けて右手を伸ばします(右ひざは右へ進みます)。左手+右足状態で、右手を伸ばしているんだから、合っているじゃないか?ですね。これも一つの方法ですが、たぶん、左手疲れます。手は伸びていますけど。どうして疲れます?身体が壁から剥がれ落ちないよう、壁にしがみつくよう、左手が頑張るからなんですね。この時、身体が壁から離れれば離れるほど(へっぴり腰は更に)、左手は疲れます。だから、壁に這いつくばるように、ぴたっと付きましょうと言われます。なお、この時、重心が右足の上に来ると、左手は結構楽になります。ただ、これを実現するには、壁にくっつかないと。これもやり方の一つです。
 二つ目。腕+足でグンって伸び上がって、そのまま右手を取ります。これ、いつかご説明する、デッドに近い動きです。手は起き上がるきっかけに使うだけで、基本は足で立ちます。登ってはいません。立っているだけです。これは疲れません!
 最後。右膝を左に折り(右足の太ももは壁にくっつく)、右腰を壁に近づけます。ここで身体を捻ります。捻るとどうなるか?左手は引っ張られます。引っ張られるのだから、疲れると思われますが、捻りに対応しているだけ。50㎏とか60kgの体重を支えるわけではないので、そんなに疲れません。左足はスメアです。これで右手が空き、取りに行ける。足を捻る方向を逆にするだけで、結構いい感じになります。

 ということで、困ったときは、足を捻り、それで手が引っ張られる体勢を作りましょう。これで、取りにくかったものが、取れたります。ガンバ!

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