プロ野球の本当の魅力は、リリーバーにあり
0.introduction
私は、10年以上プロ野球を見てきて3つの「オタク」になってしまいました。
1つ目はバレル%オタク。これは以前お話ししたように、OPSや2番最強打者理論に縛り付けられない新たな目線で野球を見る事に感動しました。バレル%の話は、こちらから飛べます。
https://note.com/barrel_pbb/n/n576171310bbd
2つ目は外国人オタク。こちらはまた別の機会でお話ししようと思います。近日中に投稿します。
そして3つ目が今回の内容「リリーフオタク」です。自分はプロ野球の見どころを人に説明する際、その人がある程度の有識者であった時にはリリーフの話をしてしまいます。
これには、自分がロッテを見てきた事が大きく関係しています。長くなりますが、今からお話ししようと思います。
1.なぜリリーフを好きになったのか
前述の通りロッテを10年間応援してきましたが、「思い出に残る試合」と言われた時に真っ先にリリーフ陣が思い浮かびます。
自分が初めて現地観戦をした試合の話は以前も話した事があると思いますが、藤岡、中後、益田の新人3投手+ベテランの薮田投手の継投で勝利を掴んだ試合でした。
この試合を見て、小学生の自分は幼いながら「新人の3人が元メジャーリーガーと並ぶなんてすごい」と思っていました。
2013年になると選手名鑑を買い与えられ、暇さえあれば選手名鑑を読んでいた事で、全球団の全選手の顔を覚えるまでになりました。その上で、ロッテの個性的なタレントに感銘を受ける事となります。
荒れ球が特徴のロサ投手、薮田投手の後継者候補であった内投手、ルーキーながら8回を任される松永投手、先発から転向の大谷投手、重いファストボールが特徴の南投手、左キラーの服部投手、接戦や回跨ぎもこなす中郷投手。
あの頃は継投なんて全く理解していませんでしたから、「次は誰が出てくるんだろう??」なんて純粋な目線で野球を見てました。それが本当に楽しかった覚えがあります。
翌年クローザーに転向する西野投手は、2年連続30セーブをあげて日米野球日本代表に名を連ね、継投ノーノーを達成するなど飛躍。
益田投手や西野投手をはじめ、ここまでに挙げてきた投手たちを「伊東帝国」なんて呼ばれていましたね。
2016年には、夏場に主力の大量離脱がありながら8回南、9回益田の勝ちパターンがフル回転していた事が印象に残っています。結果的にCSの切符を掴むわけですが、その時の伊東監督の工夫の采配に感動して、初めてリリーフ陣のマネジメントに興味を持ち始めました。
2019年には、現監督の吉井さんがロッテにやってきます。この出会いが非常に大きい。
就任早々「3連投禁止」「週4日以上登板禁止」を掲げて投手を守るマネジメントが自分の心に深く刺さりました。以降吉井さんのファンになりました。
そして2020年、自分がリリーフオタクになる決定的な出来事が起こります。
10月27日の西武戦、勝てばCS。先発の小島投手を2回で諦めてその後のイニングを7人で継投し勝利を納め、CSを決定させました。
シーズン途中に加入の澤村投手のインパクトや、「この日のために登板管理をしていた」ことなど今までにない感動がありました。
2021年には、以前から好きだったロベルト・オスナ投手の来日がありました。来日予想はしていたものの、このクラスの投手が来るわけがないと思っていた所に千葉ロッテ獲得のニュース。大発狂しました。
これらが、自分がリリーフオタクになった大きな理由のです。
2.他球団に目を向けると
ロッテ以外ではどうでしょうか。
2010年代後半、ソフトバンクの全盛期を見てみましょう。
サファテ、岩嵜、森、加治屋、モイネロ、嘉弥真、甲斐野、高橋礼、高橋純平、スアレス
全員が1年に揃った訳ではないですが、おかしいです。強すぎる。
現在3連覇中のオリックスはどうでしょうか。
平野投手を筆頭に山崎、宇田川の両右腕が健在。阿部投手のブレイク、比嘉投手の復活、山岡投手の配置転換。
かなり充実しています。
ここまで見てきてわかる通り、強いチームはリリーフが充実しています。
少し見方を変えて、楽天を見てみましょう。個人的にリリーフの供給がうまいな、と思っている球団です。
松井投手をクローザーに抜擢。森原投手と高梨投手をルーキーながら戦力化。先発候補だった安樂投手の活路をリリーフで見出す。西口投手や宮森投手の抜擢。渡辺投手をルーキーながら8回に。
チーム状況としては厳しい所はありますが、若い候補を多く揃えており、同一リーグファンとしては今後脅威になると考えます。
3.リリーバーの魅力
一般的にプロ野球では、良いピッチャーは先発をします。何故なら、どんなに良いリリーバーでも年間50イニング〜70イニングしか投げない所を先発投手は年間150イニング前後を投げるからです。
西武ライオンズの平良投手が、先発は多くイニングを投げれるからリリーバーより貢献していると発言している通り、選手の方がその認識が強いように思えます。
そんな中、リリーバーはファストボールと武器となる変化球が1球あれば一流になれる世界です。
ファンの目線として自分が思うのは、
ドラフト時には下位指名、育成指名だった選手がリリーフを通して自分の立場を確立していくストーリーがたまらなく面白いです。
1ポジション1人の野手と違って投手はローテ6人、リリーフ8人で1年を回せる訳ではありませんから、二軍で結果を残せばすぐ一軍昇格のチャンスは回ってきますし、チームとしても層が厚くなります。
また、リリーバーを経て経験や実績を得た選手は先発に転向することもあります。
リリーフに残ってクローザーを目指す選択肢もありますし、抑えれば抑えるだけ評価される世界ならではの魅力があるのです。
4.個人的、期待のリリーバー5選
リリーフを愛する筆者が、特に動向を追っている5人の投手をご紹介します。
①豆田泰志
2002年代生まれの21歳で、上から投げ下ろすパワーフォーシームとスプリットチェンジ系の落ち球が冴える西武期待の投手です。
昨年は夏頃から一軍に昇格し、勝ちパターンも任せられながら防御率0.59をマークしました。シーズン最終戦では9回を任されるなど、首脳陣の期待が明らかでした。
増田投手が年々厳しくなってきている現状、将来的なクローザーとして筆頭候補になってくるでしょう。
②清宮虎多朗
190㎝の長身から100マイルの超剛速球を投げる楽天の育成投手です。5年間の背番号3桁での下積み期間を経て今年支配下が期待されています。
内投手の先発転向や安樂投手の不祥事なとで手薄になってしまったリリーフ陣に、ファストボウラーが加わればかなり脅威です。
最近練習試合で160キロを連発したことでネット上の書き込みが増え、自分は密かに「世の中にバレちゃったな」と思いました。(笑)
制球力が課題ですが、多少荒れ球の方が打者も絞りにくいですし今江新監督の抜擢を楽しみに待ちたいと思います。
③宮城滝太
こちらも長い育成期間を経て一軍に定着しかけている横浜の23歳です。個人的に5人リストアップした中で1番期待しています。石川達也、中川虎大と共に横浜の将来を担う候補です。
1イニング投げて1個は三振を取る奪三振能力が持ち味ですが、それ以上にK/BBが8.00と脅威の数値を叩き出しています。
奪三振能力に加えて、サンプルは少ないですが、8個の三振に対してフォアボールを1個しか与えない制球力も持ち合わせているという事になります。
今期はどのようなシチュエーションで投げているか注目です。
④藤井黎來
ブレーキのよく効いたフォークが持ち味の投手で、2022年はイニングを上回る三振を奪いましたが2023年に育成落ちしてしまいました。
広島には益田投手や河野投手など期待のリリーバーがいるにも関わらず、藤井投手を挙げているのには理由があります。それは、このタイプの投手が近年続々とブレイクを果たしているからです。
代表例としては、ソフトバンクの藤井皓哉投手です。フォーシームとフォークのツーピッチですが2球種とも質が良く、三振を量産しています。
ロッテの西村投手や西武の田村投手も同様で、ファストボールとスプリットのコンビネーションが今の日本のトレンドになっています。
(大谷翔平選手の影響でスライダー系ボールもトレンドになって来てはいます。)
藤井投手はフォークの質は良いですから、フォーシームの質にこだわれば間違いなく覚醒する要素を持ち合わせていると思います。期待したいです。
⑤横山陸人
最後は自分の贔屓チームから、昨年のU23日本代表にも選出された横山投手をご紹介します。
動くファストボールとスライダー、スプリットを投げ分けて2023年は38登板と立場を掴みかけました。
なんと言っても奪三振能力に秀でており、ここまで一軍で奪三振率9を下回った事がありません。これはここまでのキャリアで、1イニングに1個以上三振を奪っている形になります。
贔屓チームだからこそ、弱点なども見えてしまう事もありますが益田投手の後継者筆頭なので、今後の成長に大きく期待したいです。
5.最後に
今回は、自分のリリーフ愛を存分に語れた回になりました。魅力が少しでも伝わっているでしょうか。
ヒーローインタビューに選ばれる事は少ないですが、試合終盤の痺れる場面での好投や、ロングリリーフからの逆転などリリーフ陣に着目して野球を見るのはいかがでしょうか。
今回は以上になります。最後まで読んで頂き、ありがとうございました。
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