
ラクドス吸血鬼対策を考える(パイオニア)
挨拶
こんにちは。みやむーです。
関東で大体青黒のデッキを回しています。現在はほぼパイオニアを専門にプレイしており、TLSQで上位入賞など、晴れる屋には定期的にリストを載せたりしています。ブログを書いたりDiscordサーバーを作ったりといった活動もしています。
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プロツアーの経過
カルロフ邸殺人事件発売から1ヵ月も経たないうちに始まったプロツアー『カルロフ邸殺人事件』。メタゲームは以下のようになりました。

直近のセットで強化がされているイゼットフェニックスとアゾリウスコントロールが多数に。ラクドスミッドレンジは直近のセットであまり強化されなかったのが災いしたか、少し数を減らした形です。また上位3つに対して相性の悪くないロータスコンボや青白コントロール以外には戦えそうなアブザン探検(アマリアコンボ)が続く形に。そしてトップ8は以下のようになりました。
ラクドス吸血鬼2
イゼットフェニックス2
ロータスコンボ2
アブザン探検1
ボロスヒロイック1
沢山いたアゾリウスコントロールとラクドスミッドレンジは1人もトップ8に残らず負け組に。そして今回のプロツアーで彗星の如く登場したラクドス吸血鬼が2人トップ8に入っています。
そして決勝トーナメントの結果、ラクドス吸血鬼を使用する殿堂プレイヤー、セス・マンフィールド選手が優勝しました。
今回の記事はそのラクドス吸血鬼にスポットライトを当てて研究します。
どんなデッキか
ラクドス吸血鬼自体は優勝したセス・マンフィールド選手も参加している強豪プロチーム、ChannelFireballが作成したチームデッキのようです。ChannelFireballの方に解説記事が上がっているので英語が読める方は読んでおくことをお勧めします。
軽くデッキの内容を解説しておくと、デッキの核となっているのは傲慢な血王、ソリンと血管切り裂き魔のコンボになります。


ソリンの-3能力で血管切り裂き魔のコストを踏み倒して戦場に送り込む事が可能です。ソリンが3マナなのでわずか3ターン目に6マナのクリーチャーが出てくるコンボになります。このコンボを、プロツアーでラクドス吸血鬼を使用した1人であるLSV選手が「欠片の双子」と呼んでいる通り、2枚コンボでゲームに勝利するインパクトがあります。
血管切り裂き魔はライフレースを大きく有利にする能力を持ちながら、クリーチャーの少ないデッキに対してはほぼ呪禁として作用する強力な除去耐性を持っていて、戦場に出たら最後盤面を掌握します。クリーチャーが入っているデッキに対しても、除去しようとするとクリーチャーを道連れにしていくので単純な1:1交換を許しません。
また、このデッキはこのコンボ以外の部分も強力で、吸血鬼でクリーチャーを固める事で魂の洞窟の採用を可能にしています。

青いカウンターに依存したデッキは頭を悩ませる事必至であり、これにより青白コントロール等に強く出る事が可能になっています。
また真新しい部分が目立つこのデッキですが、一部は従前のラクドスミッドレンジと同じパーツを共有しています。




これによりラクドスミッドレンジのようなデッキとしてコンボを使わずにフェアに戦う事も可能なデッキになっています。
ラクドス吸血鬼への対処法を考える
方法1:盤面を無視したコンボを使う
ラクドス吸血鬼はコンボが入っているとはいえ、基本的には強力な盤面を作り出すだけの手段が入ったミッドレンジなので、盤面に関係無く勝てるコンボがあるなら問題無く勝てます。このプランを取れるデッキは、具体的にはロータスコンボ、アブザン探検、ゴルガリスケープシフト等が考えられます。これらのデッキを使う方には朗報かもしれません。
ただしこの対処法はラクドス吸血鬼が登場する前から存在しているので、ラクドス吸血鬼の開発者も十分理解してデッキを構築しています。プロツアーのデッキリストのようにサイドボードに強迫等のハンデスやロータスコンボ対策の減衰球等が投入されて対策されます。それらをサイドインされる事を想定した上で戦えるなら、これらのデッキは良い選択になりそうです。
方法2:コンボを妨害しつつ戦う
ラクドス吸血鬼は3ターン目のソリンからの血管切り裂き魔の動きを妨害すればただの変則的なラクドスミッドレンジになるという考え方もあります。この考え方で、ソリンか血管切り裂き魔のどちらかに妨害を当てていきつつクロックをかけていくという対策法もあります。
具体的にはハンデスで片割れを落としたり、カウンターでソリンを弾いたりします。また布告除去を使って血管切り裂き魔を倒すのもアリです。
血管切り裂き魔は6マナで普通に唱えるのも狙えるカードである事から、ロングゲームでは普通に出てきます。魂の洞窟でカウンターは効かないので、特にサイドボードに採用するなら布告除去は良い選択になると思います。
黒の布告除去は汎用性を損なわず、サイドボードだけでなくメインボードから採用出来そうなカードが揃っています。



ただしラクドス吸血鬼はクリーチャーデッキであり、血管切り裂き魔をこうした布告で倒す為には切り裂き魔以外のクリーチャーを前もって除去していく必要があります。また変わり谷なんてカードも入っているので、普通の布告除去はやや信頼性に欠ける側面があります。
そこでほぼサイドボード専用ですが、血管切り裂き魔を狙い撃ちにするタイプの布告除去もあります。3つほど実戦で使えそうなカードを挙げます。

毒を選べはアーティファクトやエンチャントを対処するサイドカードも兼ねているのでサイドボードにはすんなり入れやすいカードだと思われます。ただし密輸人の回転翼機で防がれる裏目があるのがマイナスです。

覆い隠しも今までマイナーなカードでしたが、血管切り裂き魔を対処するだけなら最上級なカードに見えます。追放なので切り裂き魔の能力も発動しませんし、マナ総量が最も高いカードを狙うので必ず切り裂き魔を倒す事ができます。欠点は3マナと取り回しが悪い上に他のデッキにサイドインしにくい事です。

ヴァラクートの涙なんてカードもあります。護法を貫通する能力があるのが強みです。ただし、このカードは切り裂き魔が出てきたターンにこれを撃たないと、次のターンにソリンの+1能力で切り裂き魔のタフネスが増えてこのカードの圏外になる可能性があります。その為最初に挙げた2枚より大分信頼性が落ちると思います。
ここに挙げられてないカードで良さそうなのあったら教えてください。
方法3:無視する
無視するとは何事だ、と言う感じですが、実際有り得る考え方ではあると思っています。ラクドス吸血鬼はソリンと切り裂き魔のコンボが無ければ鈍重なラクドスミッドレンジであり、押し付けに押し付けを繰り返して倒しきるゲームプランを展開するのが有効な場合もあると思っています。ソリンと切り裂き魔が揃っていなければそのまま勝てますし、最善とは言えずともそうした選択肢を取る場合もあると思います。前述した毒を選べ等のようなカードはカードとしてお世辞にも強いとは言えないので、デッキを弱くするぐらいならいっそ対処札を使わずに最速で殴り切ってしまえという考え方です。性質上アグロデッキに限る話になりそうです。
方法4:トークンで護法を突破する
これはデッキ単位の話というより小テクの部類の話ですが、トークンを出して血管切り裂き魔の護法のコストに充てて除去するという技があります。単純ですが色んな場面で有効です。例えば、放浪皇を相手ターンに出しつつトークンを出して、自分のターンに‐2能力で倒す。アーデンベイル城やミレックスが入っているデッキはそうしたトークンを出しておいて除去する。若き紅蓮術師を出しておいて除去を撃ち出てきたトークンを生贄にする等です。デッキにトークンを出すカードが入っている場合は常に有効なテクとして覚えておくといいかもしれません。
方法5:全体除去に巻き込む
主にコントロール系のデッキで戦うにはこれがゲームプランになりそうかなと考えています。全体除去で切り裂き魔ごと巻き込んでしまおうという作戦です。特に青いコントロールでは、吸血鬼のクリーチャー達が魂の洞窟でカウンターが効かないので、カウンターで撃ち漏らしたクリーチャーをまとめて流してしまうという役割もあります。ただし至高の評決のようにただ破壊するだけの全体除去だと、切り裂き魔の能力で大量にドレインをされてしまいます。これを意識するなら告別や太陽降下や絶滅の契機等の、追放をするタイプの全体除去を使ってみるのも手かもしれません。
終わりに
この記事の内容の性質上鮮度が命だと思ったのでまだ研究の余地はありますが早めに公開しました。あなたのパイオニア攻略に役立てたなら幸いです。
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