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今のパイオニア環境とブルームバロウ入青黒ミッドレンジ

挨拶

こんにちは。みやむーです。
関東で大体青黒のデッキを回しています。現在はパイオニアやモダンをプレイしており、一介の競技プレイヤーとして店舗予選やTLSQで上位入賞など、晴れる屋には定期的にリストを載せたりしています。ブログを書いたりDiscordサーバーを作ったりといった活動もしています。

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今回は来週あるパイオニア神挑戦者決定戦に向けて考えた事や使う予定のデッキについて残しておく記事になります。

禁止改定後のパイオニア

ご存じの通り8/26よりパイオニア環境を激変させる禁止改定がありました。

メタゲームの中心にあったラクドス吸血鬼とアブザン探検が共にキーカードの1枚を指定される事によって消滅。これらのデッキがいなくなったことに加え、今までこうしたデッキに不利だったデッキ等がメタゲームに浮上する事も予想されます。今後のメタゲームについて考えてみる事にします。

まず、前環境からの生き残り組のうち、イゼットフェニックスは間違いなくTier1のデッキになります。何も弱体化されていませんし、様々なデッキといい勝負が出来る類のデッキであり、メタゲーム上立ち位置が悪くなっていく要因も見受けられません。

また、前環境から特に変わらないデッキとしては緑単信心や青白コントロール、黒単無駄省き等がいます。これらもTier上位デッキを狙えるポジションにあると思われます。

禁止改定後に評価を上げそうなデッキとしては、アブザン探検やラクドス吸血鬼に勝つのが難しかったアグロデッキが挙げられます。各種カラーの人間デッキ、アタルカレッドや赤単のような赤系のアグロ等です。これらは厳しかったマッチが比較的減って戦いやすくなると予想されます。

ラクドス吸血鬼が消滅してラクドスは従来のパイオニアに多く存在したようなラクドスミッドレンジに戻る事が予想されます。ただし、従前の構築では《錠前破りのいたずら屋》を擁するイゼットフェニックスに有利が付かないとされていたので、Tier上位のデッキにしっかり勝てるよう構築を模索していく必要があると思われます。

サクリファイスデッキもにわかに注目を集めています。ブルームバロウで登場した《全てを喰らうもの、イグラ》と以前から存在する《大釜の使い魔》によって無限ドレインコンボが発見され、禁止改定後増えてきているアグロデッキに対して戦いやすいのもあってメタゲーム上のポジションを上げています。

予想されるメタゲームにおける青黒

9月中旬にあるパイオニア神挑戦者決定戦に向けて調整していくべく、自分の使用カラーである青黒のデッキの立ち位置を考えます。

個人的にはイゼットフェニックスは青黒のデッキで十分攻略可能であると考えています。《黙示録、シェオルドレッド》が使えますし、コントロール系統のデッキなら《死人に口無し》で頑張る手もあります。勿論デッキ構成自体で構築の当初からイゼットフェニックスをある程度意識する必要がありますが、十分攻略できる範囲にあると経験則と実感を元に判断しています。(ただし、ディミーアローグを使っている場合は構造上イゼットフェニックスにかなり厳しくなるので、特殊なサイドプランを考える等対策が必要です。)

緑単信心はデッキの構成次第で有利不利がかなり変わると思っています。無策で突っ込むとまず負けます。このデッキを攻略する考え方としては幾つかパターンがあって、①《黙示録、シェオルドレッド》や《概念泥棒》等、緑単信心に対して強烈な妨害になるクリーチャーを使う②カウンターを構えつつクロックをかける③自分のクリーチャーに被害が出ないように工夫しつつ《絶滅の契機》を使って相手の盤面を崩壊させる、等が考えられます。これらの戦略を一つ以上、出来れば二つ以上使って相手が物量で押してくる前に削りきるのがゲームプランです。有効なゲームプランさえ用意できれば決して攻略できないデッキではないと考えています。

一方でアグロ系のデッキはかなり頭を悩ませるでしょう。人間や赤アグロ、ボロス召集等型は色々ありますが、ボロスヒロイックのような黒い除去に脆弱なデッキを除いてどのデッキにもメインは不利が付く事が予想されます。サイド後に除去を増やしたり《ゲトの裏切り者、カリタス》といったクリーチャーをサイドボード後に追加してどこまで勝率を伸ばせるかがカギとなってくると思っています。人間等のようにサイド後も一貫して不利なマッチすら存在します。

また、人気を拡大しつつあるサクリファイスに対しても通常の青黒ミッドレンジでは不利となる事が予想されます。ここにも何か対策があれば取りたいところですが、有利になるほど相性が改善する事は難しいかも知れません。

この時点で、アグロやサクリファイスに不利だが最低限の対策を備えつつ、それ以外のデッキを取りに行くのが青黒のデッキの現在のメタゲーム上の立ち位置であると考えます。

ブルームバロウの新カードについて

新セットブルームバロウで登場したカードで、パイオニアでこのカードを使ってみたいなと思っていたカードがありました。《思考忍びの邪術師》です。

3/2/2威迫で、相手のライフをこのターン削っていたらピーピングハンデス、そうでない場合は相手が手札を1枚選んで捨てます。

パイオニアは《思考囲い》が強力なフォーマットであるのはパイオニアをプレイしている方なら十分ご承知のことでしょう。そんな中《思考忍びの邪術師》は条件さえ満たせばカード1枚で《思考囲い》を撃ちつつ回避能力を持った2/2のアタッカーを出せるカード、と見ました。言い換えれば妨害とクロックを3ターン目にして両方行えて、さながらダブルアクションのような動きを行えるカードとも言えます。

俺は青黒のデッキを主に使用していますが、そうしたデッキでは通常ソーサリータイミングでクリーチャーを展開したターンは除去やカウンターを構えられず隙が出来ます。そのターンに致命的なアクションを通される事も有り得るでしょう。しかし《思考忍びの邪術師》の場合、相手の一番強力なアクションを手札から抜いてしまえる為、返しのターンの相手の動きもある程度想定の範囲内の動きに抑え込むことが出来、このカードを展開した隙が最小限に抑えられています。

この時点でこのカードはパイオニア環境においてもかなり有望ではないかと考えました。

しかし、3ターン目に《思考忍びの邪術師》を出してピーピングハンデスする為には、相手のライフを削っている必要があります。この条件を満たさなければ、3マナ2/2威迫に効力の薄い手札破壊の付いた《泥棒ネズミ》の上位種のようなカードになります。この場合相手の最も弱いカードを捨てさせられるだけのカードになり、プレイアブルかどうかギリギリくらいのカードになってしまいます。よってこの時点で、デッキ構築の段階で《思考忍びの邪術師》の能力の条件を満たせる構築を目指すことが必要になります。

《思考忍びの邪術師》の能力の条件を満たす為には、1~2ターン目にクリーチャーを展開して相手にダメージを与える事が望ましいでしょう。更に回避能力を持っているクリーチャーなら更にダメージを与えやすく安心です。

ここでブルームバロウで登場した別のカードとして《群青の獣縛り》を使う事にしました。

元々このカードは俺がブルームバロウの中で最も注目していたカードです。

2マナのクリーチャーにしてかなり範囲の広い回避能力を持ち、またそれと相性の良い妨害効果を持っています。大型のブロッカーを乗り越えて攻撃する性能に優れており、プレインズウォーカーやアーティファクト等の触れにくいパーマネントも妨害できるカードになります。警戒もクリーチャー同士の戦闘で有用でしょう。

回避能力がかなり緩くてほぼ毎ターン攻撃できるので、このカードを2ターン目に出せば3ターン目の《思考忍びの邪術師》にかなり繋がりやすくなります。

また、2ターン目に出す回避能力を持つアタッカーとして《フェアリーの黒幕》も採用しました。瞬速を持つこのカードを採用する事で除去やカウンターを構えながら動けるデッキになります。

これらを採用した事で3ターン目に攻撃を通しに行く動きが狙えるデッキになったので、相性の良いドローソースとして《漆月魁渡》を採用しています。このカードも3ターン目の攻撃から展開する事で+能力のドローからは入れてかなり堅いプレインズウォーカーになります。

これらのカードにより、2ターン目に回避能力持ちのアタッカーを展開→3ターン目に攻撃して《思考忍びの邪術師》か《漆月魁渡》を展開するデッキの基盤が出来ました。以上の動きをメインに据えた青黒ミッドレンジが今回のデッキです。

デッキリスト

カード紹介(メインボード)

《群青の獣縛り》

このカードが攻撃してブロッカーに取られるパターンはほぼ無いので毎ターン攻撃する事が出来ます。

攻撃時に相手のクリーチャーかアーティファクトかプレインズウォーカーを固める能力はかなり汎用性が高く、様々な場面で役に立ちます。大型のブロッカーを突破したり、プレインズウォーカーを固めたりします。ただしアーティファクトだけは相手がインスタントタイミングで起動出来る事が多くすり抜けられやすいです。

警戒を持つブロッカーでもあるので対アグロではブロッカーとして活躍します。また、《放浪皇》も気にせず攻撃できますし、残っても無効化しながら《放浪皇》にダメージを与えられます。また緑単信心のようにサイズが大きいクリーチャーが多く除去が無いデッキ相手には、生き残って相手のカードを無効化し続けるのでかなり強いです。

《フェアリーの黒幕》

現在のパイオニア環境では軽量除去が多く、火力にも《致命的な一押し》にも取られるこのカードの評価は個人的にはあまり高くありません。ドロースペルを多く持つイゼットフェニックスに対しても、ドロー効果を誘発する前に大抵は除去されるので過信は出来ません。しかし、こういうカードを採用しないとカウンターを採用しにくくなり、メインボード・サイドボードどちらもデッキの柔軟性が大きく下がるので採用しています。

《思考忍びの邪術師》

攻撃が通った3ターン目にキャストしても強いですが、全体除去や抜きたいカードのコストに合わせて直前に出すプレイも可能です。また、攻撃を通さずに素で出すとあまり強くないカードになるのは前述した通りですが、消耗戦ではこの使い方でも十分な働きをする場合があります。

《厚かましい借り手》

カウンターや除去を構えて動く為、瞬速持ちのクリーチャーが少しは入っていた方がいいのと、汎用性が高いので入っています。3マナ域が少し膨れているので別のカードに変えてもいい枠かも知れません。

《黙示録、シェオルドレッド》

いつも俺のデッキに入っています。特にアグロ・緑単・イゼットフェニックスに強いです。黒系ミッドレンジ同系でもこれの倒しあいになりがちです。

《復活したアーテイ》

優秀な瞬速クリーチャーです。《フェアリーの黒幕》と相性が良く、相手ターンに相手にドローさせる事で自分も1枚引けます。

《スカラベの神》

ラクドス吸血鬼が登場する前、ラクドスミッドレンジの使用者が多かった時代に主に使用していたカードですが、《傲慢な血王、ソリン》の禁止指定により再びラクドスが従来のミッドレンジに戻るだろうと考えて採用しました。

《漆月魁渡》

青黒のクリーチャーデッキのリソースカードとして俺がよく使用している軽量プレインズウォーカーですが、このデッキでは2マナの回避能力持ちクリーチャーから仕掛ける事でプラス能力から入りやすいので特に強いです。

《思考囲い》

パイオニアの黒では基本です。特に言うことはありません。

《致命的な一押し》

こちらもパイオニアの黒では基本です。このデッキでは紛争を達成し辛いのだけネックですが、それでも4枚入っています。

《幻影の干渉》

汎用2コストの打消し。トークンモードのおまけが強いので個人的には《かき消し》より評価が高いです。パイオニア環境は3ターン目以降に強力な仕掛けをしてくるデッキが多いので、後手でも戦えるようにする為に個人的には2コストのカウンターは必須です。

《否認》

《鏡割りの寓話》を後手でもカウンターできるカードは多めにとっておきたいですが、マナ要求カウンターは入れすぎると後半弱くなるので1枚《否認》にしています。

《喉首狙い》

パイオニアの黒の2マナ除去ではかなり基本に位置するカードだと思っています。多くのクリーチャーを倒せますが、イゼットエンソウルの《アーティファクトの魂込め》の付いたアーティファクトや《奔流の機械巨人》等が倒せないのでそこだけ注意します。

《保安官を撃て》

《傲慢な血王、ソリン》の禁止指定により《血管切り裂き魔》が環境から事実上退場した事によって採用した1枚です。無法者に当たるカードはパイオニアではかなり少ないですが、ディミーアローグではならず者が大量に入っているのでその対面だけではこのカードが腐ります。ただし多くのディミーアローグでは《黙示録、シェオルドレッド》が入っているのでこの除去はそこに撃てば良いという考え方もあります。

このまでお読みいただきありがとうございました。有料部分ではサイドカードの解説やサイドボーディングを載せておきます。ではまた。

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