ダスクモーンの青黒のあれこれ
挨拶
こんにちは。みやむーです。
関東で大体青黒のデッキを回しています。現在はほぼパイオニアを専門にプレイしており、TLSQで上位入賞など、晴れる屋には定期的にリストを載せたりしています。ブログを書いたりDiscordサーバーを作ったりといった活動もしています。
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今回はMTG新セットのダスクモーン：戦慄の館のカードのあれこれを書いていく記事です。
《今のうちに出よう》
青黒というカラーは、青白に対してカウンター呪文の質で大きく後れを取っています。
青白は追放のオマケのついた《マナ漏出》である《喝破》や、打ち消されない《否認》である《ドビンの拒否権》を使えます。それに対し、青黒は《検閲》や《かき消し》をソフトカウンターとして未だに採用していて、《ドビンの拒否権》の代わりに《否認》を用いています。特にソフトカウンターの質はかなり差があり、ゲーム終盤に腐りやすいデメリットが重くのしかかります。
《今のうちに出よう》はこの状況に新しい風を吹かせるカードとして注目しています。
青青を要求する2マナのインスタントで、二つ能力があります。上の能力ではクリーチャーかエンチャントを打ち消し、下の能力では自分のエンチャントかクリーチャーをバウンスします。主に使うのは上の能力でしょう。
「マナ払え」系のカウンターと異なりゲーム終盤にも腐らないのでロングゲームに向いているのがこのカードの特徴です。2マナのカウンターで打ち消せる対象が限定されているものはこれまでにも幾つか存在しましたが、《鏡割りの寓話》を始めとしたエンチャントに対処しつつクリーチャーにも対処を狙える打消しは《方程式の改変》等限られた打消ししか存在しませんでした。
従前の青黒コントロールでは《検閲》や《かき消し》等「マナ払え」系のカウンターを用いていましたが、ゲームが長引くというデッキの性質から、後半は腐ってしまうデメリットを甘受しなければなりませんでした。
勿論常に強い訳ではなく、デメリットもあります。最も大きなデメリットは青青という強い色拘束を要求する所でしょう。当然マナベースをかなり圧迫する為当初はこのカードを使わない方がいいのではと考えましたが、使ってみたらメリット・デメリットも同時に浮き彫りになっていきました。
このカードをパイオニア環境で実際に運用するに当たり、打ち消す対象として狙える代表的なカードはざっと挙げてみると以下のようなものがあります。
クリーチャー：アグロデッキの大半のカード、《止められぬ斬鬼》、《大牙勢団の総長、脂牙》、「大主」サイクル、《ドロスの魔神》等
エンチャント：《鏡割りの寓話》、《不浄な別室/祭儀室》、《力線の束縛》、《奇怪な具現》、「才能」サイクル等
逆に狙えないカードは以下のようなものがあります。
アーティファクト：《勢団の銀行破り》、《エシカの戦車》等
プレインズウォーカー：《ヴェールのリリアナ》、《放浪皇》、《ドミナリアの英雄、テフェリー》等
これらを踏まえた現実的な運用面で言うと、やはり一部カウンターできない脅威が環境に存在する為、例えば《否認》を併用する事で弱点をカバーしていくような運用は必要だろうなと思います。また、局所的な面で言うと、青白コントロールのフィニッシャーであるプレインズウォーカー2種類がカウンターできないのでこのマッチアップではサイドアウトする事になりそうだ、といった点が見えてきます。
こう書くと弱そうに見えるかも知れませんが、青黒で触りにくいエンチャントをスマートに打ち消しつつクリーチャーも睨めて、ロングゲームでも腐らないカウンターはやはり画期的に見えています。
ただし現在のパイオニアでは廃墟の地等の無色ランドや沼をセットしてしまうと2ターン目に構えられないデメリットはやはり無視できません。これらのリスクを承知した上で使うカードでしょう。
他にまだ未検討の部分としては2番目の効果を使うという考え方もあります。《悪魔の契約》のようにエンチャントを手札に戻す事それ自体がコンセプトになり得るカードもパイオニアに存在するので試してみてもいいかも知れません。
《止められぬ斬鬼》
《止められぬ斬鬼》はダスクモーン屈指のパワーカードだと個人的には考えています。
パイオニア環境では黒の3マナクリーチャーの枠は激戦区で、《墓地の侵入者》や《分派の説教者》といった先達がいます。しかしこのカードは除去耐性と異常に早いクロックを持つ点で白眉であり、3マナクリーチャーとして他の候補と比較して全く遜色ない性能となっています。
除去耐性としても一級品であり、このカードが登場してから《苦痛ある選定》のような追放除去が評価を上げているほどです。《アクロゾズの放血者》もこのカードと相性が良く、《放血者》は《不浄な別室》と相性が良いのもあり以前より評価を上げています。
《不浄な別室/祭儀室》
《不浄な別室/祭儀室》はパイオニアの黒系ミッドレンジを変容させました。
デーモンが場に存在しないと真価を発揮しないカードですが、1体なら自前で用意できますし、イゼットフェニックスに強い等の理由で元々パイオニアで採用を見かけた《ドロスの魔神》はデーモンであり、すんなり採用されています。また、《アクロゾズの放血者》のような環境であまり見かけなかったデーモンもこのカードの登場で評価を上げる結果になりました。
青黒のミッドレンジ等で《不浄な別室/祭儀室》を使う選択肢もある気はしています。青には《碑出告と開璃》のようにデッキのキーカードになり得るデーモンも存在するので、コンボと合わせて使ってみる選択肢もあるかも知れないと思っています。
《フェアリーの黒幕》
個人的にダスクモーン環境で評価が上がった過去のカードとしては、《フェアリーの黒幕》があります。
スタンダードでの活躍目覚ましいこのカードですが、パイオニアでは軽量除去に弱くこのカードがやられやすい環境であり、ドローを沢山するイゼットフェニックス等の相手でさえ、活躍するかは不安定です。手放しに評価できる程のカードではない印象です。
しかし、ダスクモーン環境で以前より風向きが良くなっています。その理由は大主サイクルと《不浄な別室/祭儀室》の登場によります。
大主サイクルはパイオニアの奇怪な具現デッキを以前とは全く別の物に変えました。奇怪な具現デッキは《豆の木を登れ》への依存度が高まり、《豆の木》から兆候で大主を叩きつけていく動きが追加されました。リストによっては《魂の洞窟》で大主を打ち消せなくしてしまう事で、以前よりカウンターを擁するデッキへの耐性を上げたリストも存在します。
また、《不浄な別室/祭儀室》は今ではラクドスや黒単といった黒系ミッドレンジの核になるカードになっています。新時代の《ファイレクシアの闘技場》であるこのカードは除去しにくいアドバンテージ源とフィニッシャーを兼ねるカードです。
どちらのカードも除去耐性のあるアドバンテージを稼ぐ置物なので、青黒では（最近は黒にエンチャント除去が追加されたとは言え）対処しにくいカードになっています。
ここで役に立つのが《フェアリーの黒幕》。《豆の木を登れ》や《不浄な別室》のドローに対応して場に出す事で相手のアドバンテージを能力で帳消しに出来ます。これらの置物を打ち消し等で対処し損ねても《フェアリーの黒幕》が残ればアドバンテージ差は開かず、ゲームに食らいつく事が出来ます。
最近のパイオニア環境は以前より《砕骨の巨人》の採用率が下がっている事も追い風です。
まとめ
青黒のカード結構強いです！
次はファウンデーションズで会いましょう。
おまけ
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