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はじめてのヨントン♡

K-POP界に足を踏み入れて約2年(まだまだド新人!)
ついにその時がやってきた!
ヨントン・・・!
ヨントンっつーのは、ビデオ通話のことで、韓国にいるアイドルと、アプリを通じてテレビ電話で話ができるという夢のような企画のこと。

だいたいのK-POPアイドルの場合、一回のリリースで4形態とか5形態とか、同じCDをパッケージ違いで出してくるわけです。
そんで、CDの中にはランダムでトレカ(トレーディングカード)と、イベントに応募できるシリアルナンバーが書かれた応募券が1枚ついてくる。
まぁ、あれです、大人数女性アイドルの握手券的な。
握手券は絶対握手できるのかな?ちょっと分かんないけど、このシリアル、まぁ~ぜんっぜん当たらない。
応募すれどもすれども落選。「お席が用意されませんでした」という悲しいメールがたまる一方。
ヨントン当てたくて、50枚、100枚とCDを買う方々もいたりと、まぁ、あまり褒められた消費行動ではないかもしれないし、現に私も、我が身がこんなことになる前は、ばっかじゃないの!?って思ってたし。でも、そうまでしてでも推しに愛を叫びたい!という、オタクの夢がつまっているのです、ヨントンには!

で。
私のイチ推しENHYPEN(エナイプン)
オーディション番組から応援していたおばちゃん軍団、リリースのたびに、4形態全部買っちゃう?どうする!?とやいやい言いながら、応募するわけですが、みんなが1回、2回と当てていく中、私、まったく当たらなかったわけ!
日本デビューもして、人気が出てきた彼ら。今後もうなかなか当たる機会はないかもしれない・・・いやいや!私が特別くじ運が悪いわけじゃない、最強にくじ運がいい子がいるだけだ!と折れる心をはげまし、今度こそは!とスマホの待ち受けを美輪明宏にし、お宮参りでうかがう神社にはいつもより多めにお賽銭を入れて当選をお願いし、道に落ちているゴミも拾い、神さまにおもねった。
その結果、今回、1枚目のシリアルでついに!お席が用意されました!
ありがとう神さま!ありがとう美輪さま!

震えながら仲間に報告。
やったね!良かったね!と久々に浴びる祝福の嵐。
もうお赤飯炊く勢いで祝われる。
誰と誰と!?
そう、このヨントン、お相手は選べないのです。(選べる事務所もあります。JYPとか。)
狭き門をくぐった先に、7人のメンバー誰と当たるか分からないという・・・自分の推しにたどりつくには幾重の壁を越えなくてはならないのです。
今回私のお相手は、オーストラリア出身のジェイク
メンバーの中でも、優しくてジェントルマンな彼なら、初めてのヨントンのお相手にぴったり!なはず。

爽やかオージーボーイ。
もうほぼ王子と言っても過言ではない。

このグローバルアイドルが我が家のお茶の間に降臨ですよ?
こないだミュージックステーションでタモさんと絡んだ人たちですよ・・・?
いやこんなの興奮するわ。
とりあえずブライダルエステ行く?(嫁ぐ気)
美容院と整体を速攻で予約。(姿勢を正してジェイクにのぞむ気)

そんなこんなで迎えた当日。
ヨントンの持ち時間は30秒。
事前に考えたミッションは、
●自己紹介、そして名前を呼んでもらう。
●渋谷と原宿で展開されていたプロモーションの写真を見せて、こんなに日本で人気だよ!と伝える。
●私のエアカメラにポーズしてもらう
●サランへ!をいただく
の4つ。
これを30秒でやってやろうというなかなかのハードモード。
みんなに相談しながら準備スタート!

自己紹介は、
アニョハセヨ~!チョヌン ナオコ イムニダ。
完璧!
えーっと、私、今回人生初ヨントンだから、ジェイクが初めての相手です、って言おうかな、韓国語はムリなので、英語でいいか・・・
Jake is my first partner!
・・・いや、ちょ、これ違う!と我に返る。
つい処女感出しちゃった。X世代なのに。怖い怖い!
私はカメラマンです、は、
I'm a photographer.
オーケーオーケー、これはスムーズに言える。
で、私はENHYPENを撮影したいです、はなんて言えば良いかな、と、翻訳ソフトにかけると、出てきたのが、
I want to shoot ENHYPEN.
・・・なんかエナイプンを狙撃したい、みたいになってない!?
take picturesでいいのか??
Please pose for my camera?
で、ポーズしてもらう・・・
いやー、むずいわー。合ってる?伝わる??
私、受験英語しかできなくて、これまでの人生で英語で思いを伝えるなんてしたことなかった。あ、一回だけ、ケニアのチンパンジー保護区に行った時、あまりにも興奮して、急にアイラブチンパンジー!と叫んでボートの上で立ち上がり、現地ガイドをビビらせたことあったな(笑)
チンパンジー以来、愛を叫ぶ時がきたぜ。
アイラブジェイク!チョンマルサランヘ!と。

事前にアプリを入れ、指定の時間に入室。
並んでいる間に免許で本人確認を済ませ、レーンに並ぶ。
あなたの番まであと10人、5人、3人・・・
そして、接続中です・・・の画面が白く反転し、ジェイク登場!

アニョハセヨ~~!アイムナオコ!(韓国語どうした!)
『なおこ、おー』
と名前を呼んでくれるジェイク。かっこ良すぎて死ぬ。
「やば!ジェイクかっこいい!」と心の声が大音量でもれ、のけぞる私。
渋谷と原宿の写真を見せながら、町中にエナイプンがいるよ!と報告。
『わ、すごい~!ありがとごじゃいまーす!』
と口に手をあててニコニコ。くーー尊い!
「アイムフォトグラファー!」
『お!はい~!』
「My dream is to take pictures of ENHYPEN!」
ふりしぼった英語力!
うんうん、と聞いていたジェイク、小指を差し出して
ヤクソッケ!
え?なんて?ヤクソッケ?約束?約束!つった?ふたりだけの?(そこまで言ってない)
「ギャ---!マジで~~!約束!?」
頭ぶん回しながら必死に指切りする私。
「プリーズ!ポーズフォーマイカメラ!」
おーー!と顔ハートしてくれたところで画面から消えていくジェイク。
「あーー!消えたーーー!!」
30秒タイムアウト。
反転した真っ暗な画面と、自分の鼻息だけが響く静寂の空間が訪れる放心状態タイム。
あれ?今の現実だった?
あ・・・サランへもらえなかった!あかん!一番のハイライト!
チョンマルサランヘ伝えられなかった・・・
興奮とあーしくじった!という後悔がセットで押し寄せる。
いや、ちょっと実際、腰も魂も抜けてたね、しばらく椅子から立ち上がれなかった。
ようやく放心状態から現世に戻ってきたら頭がガンガンする。鏡を見たら、なんかやたら目が血走ってるし!
興奮しすぎてどっか血管キレたかな眼底出血とかしてない!?ばばあの命がけのヨントンにつきあわせて、マジで、ジェイク怖かったと思う。ごめんよ~~~!

アイドルはホントに大変だよね。
仕事とは言え、30秒刻みで、興奮したファンとおしゃべりしなきゃなんないのよ?若い子ならともかく、こんなおばちゃんとも。
なんか申し訳ない。
青春を捧げてステージを見せてくれるだけで十分なのにさ、さらにこんなファンサービスもしてくれて。
早く、日本のステージで歓声を浴びる姿を見たいな。

いや~~、それにしても、ジェイク、優しかった。
しゃべりすぎて私のヨントンにジェイクを招待したみたいになってたのに、うんうんニコニコと一所懸命聞いてくれて。え?彼氏?付き合ってたっけ?ってなるよね、これね。
今はやり?の国際ロマンス詐欺ってたぶんこんな感じだわきっと。
カタコトの日本語もかわいすぎてさ、
いや、こんなもん、いくらでも払っちゃうよね、実際、今回CD5枚買ってるしね、貢いでる。
ジェイク、私とのヤクソッケ破ったら国際ロマンス詐欺で指名手配されちゃうので、ENHYPEN撮れるくらい私、仕事がんばらねば!
そして次があるなら(懲りない!)今度こそチョンマルサランへ!と叫びたいと思う。

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