テレビは巨悪を報じない
ネットフリックスに最近アップされた「コカイン・カウボーイ」は実に見ごたえがある。マイアミをルーツに持つ麻薬王とFBI・DEAとの闘いの歴史を、関係者のインタビューからひも解くドキュメンタリーだ。廃人を生み出すコカインを売りさばき、警察関係者や陪審員を買収して罪を逃れ、数々の人間を殺害し・・・彼らの悪行を文字に起こすと、それは巨悪そのものである。そこでふと思ったのはテレビは、多目的トイレで不貞行為を働く芸人崩れをやたらと断罪するクセに、真の巨悪とは、正面から向き合わないということである。いま、この日本で巨悪と言われて、真っ先に思い浮かべるのは「現在の自民党」である。日本がスタグフレーションに苦しんでいる中、消費税増税を断行するとともに、社会保障費を削減し、弱者を切り捨てた。コロナ禍で東京五輪を断行し、感染爆発という人災を引き起こした。この2つだけで、死者は累計したら優に10万人は超えるであろう。「一人殺したら殺人者だが、100万人殺せば英雄」という言葉があったかと思うが、今の自民党はまさにこれで、これを巨悪と呼ばずして何を巨悪と言うのだろうか?それでもテレビは自民党の内情を決して伝えようとはしない。与党にそっぽを向かれたら困るからだ。政権批判したところで、結局、放送法に縛られているのがテレビのリアルだからだ。だから何度でもいうがテレビにリアルなど期待してはいけない。よくてリアルへの入り口があるかもしれない、くらいに思っておいた方がいい。ああ、そうだ、90%以上がフェイクであるということも付け加えておく。