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カツラ疑惑の量子力学的分析
今回は「カツラ疑惑とはどのような現象か?」について
「シュレーディンガーの猫」の思考実験を
参考に考えていきたいと思います。
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「カツラ疑惑」とはある人物が
「カツラを着用しているのではないか?」と
疑われている状態のことです。
疑惑の対象となる人物は多くの場合、
「いつも同じ髪型している」、
「髪の生え際が浮いている」など
頭髪に関して不自然な身体的特徴を持っています。
しかし「カツラ疑惑」の対象になった人物が
必ずしも「禿げている」とは限りません。
カツラを被っているかどうかは、
「頭髪と思われるものが着脱可能か?」を試してみるまで確定しません。
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続いて「シュレーディンガーの猫」について解説します。
オーストリアの物理学者エルヴィン・シュレーディンガーは
量子力学の奇妙な考え方を説明するためにある思考実験を行いました。
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その内容は、
「箱の中へ猫と吸うと死んでしまう毒ガスを一定の確率で放出する装置を
一緒に入れた場合、どうなるか?」というものです。
シュレーディンガーによると、
この思考実験に対する量子力学の立場からの答えは、
「観測者が箱を開けるまで、猫の生死は決定しない」。
つまり量子力学において、
「物事の状態は観測するまで確定しない」のです。
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しかし、この考え方が正しいとすると、
「生きている猫と死んでいる猫が重なっている状態」
というものが存在するということになってしまいます。
シュレーディンガーはこの思考実験によって、
直観と大きくかけ離れた量子力学の考え方が
未完成の状態であることを指摘したのです。
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ここで量子力学の観点から「カツラ疑惑」を分析してみましょう。
「カツラ疑惑」とは髪の毛が生えているかもしれないし、
禿げを隠すためにカツラを被っているかもしれない状態です。
言い換えると「カツラ疑惑」とは「フサフサの頭髪」と
「ピカピカの禿げ頭」が重なり合っている状態だと言うことができます。
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しかしこの時、「シュレーディンガーの猫」のような矛盾は発生しません。
なぜなら「フサフサの頭髪」と「ピカピカの禿げ頭」が
重なっている状態とは「カツラを被っている状態」そのものだからです。
つまり「カツラ疑惑」の対象となった時点で
その人物は「禿げ」だと確定するのです。
以上、疑わしきは全て「禿げ」。
「カツラ疑惑」が浮上した時点で、
対象の人物は禿げているというお話でした。
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