コンタクト
地層と地層の接地面をcontact(コンタクト)という……って習った。
地層と地層のコンタクトを地図に書き写すというのを授業で六週間やった。フィールドに出て、歩いて、見て、測って、線を引く。地層ごとに色分けしたカラフルな地図はけっこうそれっぽく見えたけど、ぽいだけだったから成績は悪かった。ビールが初日で全部なくなった。そういうのは、まあまあ楽しかった。
コンタクトを英語で発音するとなんだか優雅な響きがして面白い。コンタクトレンズのコンタクトだけど、あのコンタクトとは思えないくらいきれいに聞こえる。それはあの六週間での収穫の一つだ。その他のはっきりした収穫はフリスビーのフォアハンド。ビュンビュン投げられるようになった。
帰ってきてから「contact」と友達に言いまくり、フリスビーをビュンビュン投げまくった。みんな「だからなに?」と思っていただろうけど、それがなんだ。
過酷な六週間から得たことで、今でも覚えているのらその二つくらい。なぜか楽しい思い出にちょっとなってるのが不思議だ。二度と行きたくないけど。
コンタクトレンズ屋の前のベンチでそんなことを思い出した。