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2024 信越五岳100mile振り返り

昨年に引き続き参加した信越五岳100mileレース。
初めての100mileレースのわりにはぼちぼち走れて30時間25分で完走できたので今年の目標は29時間。

29時間目標のタイムチャート

しかし結果は目標の29時間には遠く及ばず。
しかも荒天、路面コンディションの悪化から142km地点の戸隠エイドでレース終了。
関門時間の0時までに戸隠エイドに着いたランナーは特別完走扱いとなりました。

もちろんゴールを目指して走ってきたのでその先に行きたい気持ちはありましたが、そこは運営されてる方の判断ですので異論は全くなし。
むしろ大きな事故が起こる前にレース短縮の措置をとったのは素晴らしい判断やと思います。
実際、戸隠エイドまでも危険な箇所あったし。

とりあえず信越五岳に向けての取り組みからレース終わりまでをご紹介。

•信越五岳100mileに向けて

7月 326km D+6464m
8月 303km D+2846m
直近の練習量はこんな感じでONTAKE 100mile終わってから20km以上のジョグはなし。
トレイルに入ったのは0回。

1回ぐらい須磨〜宝塚まで六甲縦走したかったけど、それも叶わず。
まぁ子ども達の夏休みもあって走る時間があまりないのは分かりきった事なので子どもたちの予定優先で楽しめたらいいんすよ。
「夏休みめちゃくちゃ楽しかったー!」って言われたら嬉しいやん。
走るのは二の次、三の次ぐらいでヨシヨシ。

累積上昇より思い出だよね

•装備と補給

必携品装備チェック

装備は昨年とほぼ変わらず。昨年足裏が終盤にダメで走れなかったので替えの靴下を持って走ったけど出番なしでした。また来年も持参すると思います。

前回同様背面ファスナー


ザックは今回も自作。基本的には今までの同じ構造でポケットの位置、ショルダーハーネスの角度、諸々変更した。また別記事で紹介したいな。

バックプリントは無題のなんちゃらキャストを配信されてるキョウヘイさんに「ONTAKE100mile完走祝いだ」ってロゴを刷ってもらった。
みんな!教養番組のなんキャス聞いてね!!

補給のメインはいつも通りANDO。
ドロップバッグにはOS-1ゼリー、inゼリー、甘酒、氷を入れた水筒にキンキンに冷えたキリッと果実を用意。汗拭きシートも入れた。

今年はエイド滞在時間短縮を狙ってアパでの着替えはなし。

補給食たち

•長野市前泊

レース1週間前に次女がマイコプラズマ気管支炎にかかりDNSも考えた。自分自身、小学5年生の時マイコプラズマ肺炎になり入院したのでかなり心配してたけど、無事回復。元気に登校できてよかったぜ。

兵庫の自宅を10時に出て長野市に着いたのが18時。ホテルにチェックインして晩御飯を食べたらとっとと休むに限る。

明治亭ソースカツ丼大盛り

前日の緊張からか運転で疲れてるのに眠れない。
Netflixの「地面師たち」に見入ってしまい気付けば深夜1時。やっちまった。
眠りも浅く5時半には目が覚めた。
「まあ、昼寝もできるし」と、思って地面師たちを見始めたw

おはよう長野

•受付〜スタート前

10時30分頃に受付に到着。
マグショット撮影の列が混んでたので今年は撮ってもらわず。
お目当ての手拭いを買うために物販に並ぶもあと3人ってとこで売り切れた。

後泊のホテルへ向かう道中に昼食。
いくら走るからといえ食べ過ぎた。
ご飯おかわり自由とか悪魔のささやきじゃんね。

生そば 信濃屋

途中のコンビニで諸々用意してホテルへ。

大歓迎

車の中で寝ようとするも気温が暑くクーラーをかけないとやってられない。
ホテルは有料仮眠所として利用されてる方もいるので、うるさくしてはいかんと近くの陸上競技場の駐車場へ移動。

移動仮眠所

車内でアイマスク、耳栓をして寝転んでも眠れない。昨年は1時間30分ぐらい眠れたのに今年は全く眠気がこない。くる気配もない。
「地面師たち」に使った時間がめちゃくちゃもったいなく思えてくる。

15時過ぎに仮眠を諦めて用意を始める。

16時30分黒姫ライジングサンホテルからバスでドロップバッグ預け〜スタート会場へ。

スタートゲート

芝生に座ってスタートの時間を待つ。
「もうなるようにしかない。」と思いつつ
「なんであのタイミングで地面師たち見始めたんや」って後悔しっぱなし。

•スタート〜バンフ(19km)

18時30分花火と同時にスタート。
今年も後ろの方から。
スタート直後にも関わらず体が重い。
意識的にペースを上げて体を起こしてみようと軽快に飛ばすも体は起きず体力を消耗しただけてドツボにハマっていく。
計画 21時15分(経過時間2時間45分)
実績 21時10分(経過時間2時間40分)

•バンフ〜赤池(14km)

登りも出力が上がらず息切れ、下りは下手くそ。
わかっていたけど、山での練習不足。
昨年もこの区間で感じたが今年はそれ以上に酷い。
しかも眠気と吐き気がする。
赤池のエイドでかぶり水をして少しでも目を覚ます。胃薬も飲んだ。
計画 23時30分(経過時間5時間00分)
実績 23時36分(経過時間5時間06分)

•赤池〜アパ(19km)

袴岳手前のフラットなトレイルで前転1回転。
右脚のテーピングも外れて気持ち萎えまくり。
袴岳の頂上にTwitterのフォローさんがボラで参加してたので声を掛けて元気をいただいた。

しばらく気持ちも持ち直したかと思ったが時間と共に激落ち。
名物の階段、アパへのながぁーい下りを経てエイドに到着。
計画 2時30分(経過時間8時間00分)
実績 3時17分(経過時間8時間47分)

•アパ〜青少年自然の家(17km)

計画より50分近く遅れてる。
ドロップバッグをもらって芝生に倒れ込んだ。
夜空がぐるんぐるん回ってて、このまま寝てしまおうかと思ったけど、後々の事を考えるとそんな余裕はない。
補給食を補充してエイドで白湯、オレンジ、シャリ玉をいただいて出発。
エイド滞在時間は37分。めちゃくちゃ遅い。

昨年走り通した区間だっただけに貯金を作るならこの区間と思っていたが全然ダメで走り続けられず。

昨年の自分に全く及ばず「1年なにやってきたんや。ONTAKE100mile完走して舐めとったんちゃうんかい。」
自分に喝を入れるも奮い立たせる要素もない。

辞めようと思えばすぐ辞められるけど、潰れた状況からどこまで粘れるかやってみないと強くはなれないんじゃないか。

あかん時はあかん時のやり方で出し切る。

夜が明けてきて眠気もマシになってきたが吐き気は治らず。
計画 5時00分(経過時間10時間30分)
実績 6時30分(経過時間12時間00分)

•青少年自然の家〜池の平(19km)

「復活の泉枯れてます」
これを見た瞬間のショック半端なかったです。
昨年、水浴びしてだいぶ生き返った覚えがあったので体冷ませないのはキツい。

両胸のボトルとサブボトルに麦茶をパンパンに入れて出発。
エイドを出てすぐ昨年の優勝者の小原さんが応援してくれてた。

日差しを浴びながらゲレンデを繋いでいく。

チャンピオンゲレンデ

必死こいてゲレンデを登り切りアスファルトの下りへ。前腿がちぎれそうになりながら下っていく。登りもキツいけど、個人的にはこの下りもめちゃくちゃキツい。

ゲレンデを下り切り、森の中を登り返してエイドへ。
計画  8時30分(経過時間14時間00分)
実績 10時46分(経過時間16時間16分)

•池の平〜黒姫(11km)

エイドではかぶり水、麦茶補給して出発。
計画から2時間以上遅れてて関門を考えると、かんずりラーメンを食べてる余裕はない。

しばらく走ると関川沿いの宴会隊エイドに到着。
キンキンに冷えた紫蘇ジュースがめちゃくちゃうまい。これを飲むためにここまで走ってきたって言ってもいいほど楽しみにしてた。

珍しく笑顔

関川の橋を渡ってから昨年とコースが変わっていたけど初めに登ってからは走りやすいトレイルへ。

黒姫エイド手前にもTwitterのお友達がいてザックを撮っていただいた。

満身創痍

計画 11時00分(経過時間16時間30分)
実績 13時01分(経過時間18時間31分)

•黒姫〜笹ヶ峰(12km)

関門時間の1時間前に到着。
この先の事を考えると13時30分までには出たい。
inゼリー、os-1ゼリーを無理矢理流し込み、着替えてエイドを出発。
エイド滞在中に雨が降ってきたけど、レインは着用せず。

今年はゲレンデを登らずシングルトラックから林道に繋ぐコースに変更されてた。

延々と続く緩い林道を歩く。
ここを走れるかどうかでタイムは変わるって昨年言っておきながら昨年の二の舞。
いや、それより酷い。

吊り橋手前の激下りが濡れた岩と泥で滑りまくってめちゃくちゃ怖い。
滑った瞬間、変なとこに力が入って右太腿が攣った。
後続のランナーに抜いてもらう為、コース脇に移動すると同じところで別のランナーが滑って足攣り。
また別のランナーはコース外の草むらまで滑り落ちるカオス状態。

吊り橋は渋滞していて10分ぐらい待ったかな?
雨がかなり強くなってきたので登りきったところで携帯をザックにしまった。

森の中を通って笹ヶ峰エイドへ。
計画 13時00分(経過時間18時間30分)
実績 16時21分(経過時間21時間51分)

•笹ヶ峰〜西登山道(12km)

まずカレーを2杯いただいた。
胃の調子は徐々に上向いてきている。

雨でエイド内はごった返していて座る場所がない。
胃薬を飲んで麦茶を補給、ヘッドライトの電池入れ替え、レインを羽織って出発。滞在18分。

牧場の間を抜けて行く。

ダムの手前で地元の人の応援があった。
「足がちぎれそうでヤバいんですよw」と言うとめちゃくちゃ嬉しそうにしてたw

森の中は薄暗くヘッデンをつける。
走りやすいフラットなトレイルを経て西登山道入口に到着。
計画 15時00分(経過時間20時間30分)
実績 18時47分(経過時間24時間17分)

•西登山道〜大橋林道(6km)

初めてMAGMAを摂取。
これが吐き気に効いた気がする。

登山道は雨でぬかるみまくって泥まみれ。
もうどこに足を着こうがくるぶしの深さまではまってしまうのでどうでもよくなってくる。

コースが崩落してる箇所もあって木の根に足をかけながら通り抜けた。

膝上深さの水たまりで転倒して全身泥まみれ。幸い怪我はなかった。

洗濯大変

ぬかるみのせいでさらに時間がかかってしまった。
陽が落ちて潜んでいた眠気が襲ってくる。
耐え難い眠気にカフェインタブレットを初めて使ったてみた。
ちょっと間経つと頭がスッキリ眠気が消えた。

計画 16時30分(経過時間22時間00分)
実績 20時29分(経過時間25時間59分)

•大橋林道〜戸隠(13km)

野沢菜と味噌汁をいただいてストーブで温まる。
でもゆっくりしてる時間はない。
雨で低体温症になったのか、たくさんのランナーがレースを終えていた。

この区間は走りやすい区間。
走れるところはしっかり走ればなんとかなるはず。
カフェインの覚醒作用か気持ちが上向いてきた。不思議と体も動く。

他のランナーと話していると戸隠の関門時間を間違っていた事に気付く。
(関門23時30分だと思ってたら0時00分でした。)

途中、左か直進かコースマーキングがわかりにくいところがありロストしかける。

戸隠エイドでは水を補給してたらすぐ出るつもりでいた。

ロードからトレイルに入る立哨のボラの方から「戸隠エイドでレース終了です」と告げられる。
「ん?どーゆーこと?タイムオーバーか??」と、うまく理解ができず混乱しながらエイドへ。

エイドに着くと両脇には花道ができていて拍手で迎えてくれた。
コースディレクターの石川さんから「荒天の為、戸隠でレース終了は聞かれてますか?特別完走扱いになります。」と声をかけられてやっと理解した。

「はい」と返事し、ICチップを回収されてレースは終了した。

2024信越五岳100mile終了

計画 19時00分(経過時間24時間30分)
実績 23時22分(経過時間28時間52分)

•ゴール後

Twitterのフォロワーさんと会ったのでお互いの完走を讃え合う。
「事故になる前に戸隠ストップになって妥当だと思う」と言われていたけど、その通りやと思う。運営をされている方は難しい判断やと思うけど。

靴の泥を落としてもらう為に放水の列に並ぶ。
段々と気分が悪くなってきて立っていられない。カフェインタブレットのせいかな?

泥を落としてもらってトイレに駆け込む。
その後、キッチリ戸隠そばを2杯いただいたw

室内はストーブがあり暖かいが屋外はめちゃくちゃ寒い。濡れたウェアで体が冷えまくる。
銀色のサバイバルブランケットに包まれた人がたくさん。
手持ちのパタゴニア キャプリーン•ミッドウェイト•クルーに着替えてレインウェアを着込んだ。
正直、必携品の長袖ベースレイヤーっているんかなって思ってたけど身をもって実感した。
絶対いるわ。

ゴール地点でドロップバッグを引き取り後泊のホテルへ。

次は自分の足で来たいねぇ


•レースを振り返って

正直、達成感は昨年よりある。
あんだけボロボロになっても進み続ける事ができて自信になったし、トラブルに対処できる引き出しも少しは増えた。

速くはなっていないけど、強くはなってる。

「あかん時はあかん時のやり方でやる」
これはトレイルランニングに限った事じゃなく、他にも通ずる事があると思う。

ともかく次はレース前の睡眠不足と食べ過ぎに気をつけてチャレンジしたい。

掴み取ったバックルとスペシャルザック



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