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まともに働いて得る小銭じゃ人生は買えねぇ



第一話砂上の楼閣


派遣で働いても、コンビニでバイトしても

ウーバーイーツで働いても儲かるのは企業だけで俺の未来は無い。

正社員になれたとして上がらない給料、人員削減リストラ、潰れる会社

期待も責任もない仕事しかない

自分の残高みたいな貯金

全て自分の親以上の豊かな世代に

ずっと絞りとられ若さを削って働いて

30代になり社会から捨てられる。

国も保険も年金も生活も安定したものなど何一つ無い

全て砂上の楼閣だ。








俺の名は拓矢

スタートアップで福岡から上京した24歳だ大卒、地元の掲示板サイトを見て都心の池袋にほど近いシェアハウスを見つけた。

スタートアップと言ってもやりたいことがなんかあるわけでは無いなんとなく東京に来れば色々な出会いや人脈や仕事、地元ではない環境が待ってるだろうと思って上京した。

誰にも指図されない立場になりたい

金持ちになりたい


電話したのだが

拓矢「スタートアップで福岡から上京しました!部屋探してます宜しくお願いします」

相手「ふーん変わってんね、スタートアップって何すんの?身分証明書ある?後お金」

話し方が自分の地元のヤンキーっぽい、、、

変わってんのはあんたもだろと突っ込みたくなった


拓矢「正直お金には余裕無いです、身分証明書はあります」

相手「いいね根性ありそうじゃねぇか無料でスペース貸してもいいぞ」

拓矢「本当ですか?!宜しくお願いします!」


待ち合わせ池袋北口

行くと黒い車から全身黒い服スタイルは細身、腕にはロレックスの時計、年齢は自分より明らかに上だろうけど今まで会ってきた大人とオーラが違う

だがなぜか街の雰囲気と合っており違和感が無い


久山「初めまして久山です、車に乗ってくれすぐだから」

車で少し行くとボロアパートに横付けした


久山「ここのソファでよければ無料で貸すよ面白れーから」

拓矢「あの、、有料でもしっかりした寝床の所あるんですよね?」

久山「何オタク金あるの?それならそこのほうがいいけど九州からスタートアップで来たんだろ」


言い方が気に障るこのヤンキー、、、と拓矢は思っていた、ただ無料で寝泊まりできるならこの上なく有り難い


拓矢「いえすいません贅沢言って、宜しくお願いします」


久山「そうこなくちゃな免許証ある?」

免許証出す

久山「珍しいな開拓の拓に矢か名前、名前通りだといいな」


そして2週間が過ぎた

やはり背中が痛い8時間寝れば体力回復するのが10時間以上かかる

そしてトイレの近くだから他の住民がひっきりなしに通行する。

日雇いに入って少しまとまったお金も出来てきた。

その時久山が来た

久山「久し振り寝心地はどうだはは」

拓矢「背中が痛くて最高です、あの、、もう一つの物件にお金払うんで住めますか?」

久山「なんだもう音を上げるのかマットしけよ、ここは俺がスタートアップで半年寝てた場所だぞ」


へ、、、


久山「ちなみに俺は福岡の大都会糟屋郡出身だ、東京に来たんなら挫けんなよ今から案内するぜ」


拓矢の心の中

(東京は色々な人がいて厳しい街だな、、だけどこんな福岡の田舎のチンピラでもそれなりに金持ってそうだし俺にもチャンスあるかも)



久山「働いて得たお金で寝心地を買った祝いに1つ言うぜ少年」

拓矢「なんすか?」



「まともに働いて得る小銭じゃ人生は買えねぇ」


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