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君の"絶対信者"でいたいよ【ドマレコ】
こんばんは
ドラマチックレコード、縮めてドマレコ。 いいグループですよね。
そんなドマレコの最新曲「ぜったいしんじゃ」の歌詞が結構好みだったので、歌詞についてつらつらと能書きを垂れてみたいと思います。
※以下個人の感想です。 文句ある方は私ではなく作詞家に直接文句を言ってください。
※私は金子いちか推しだし、新居歩美三部作の中では断然メインキャスト推しです。
1.まず始めに
聞いてください、そして再生数に貢献してください。
この曲をパッと聞いたファーストインプレッションは、今現在地上地下問わずにアイドル界に跳梁跋扈している、推しメン尊いオタク最高賛美系キラキラ推し活ソングだと感じて、君はソナチネ作った癖にまたこういう曲作るのかよと思っていたのですが、ちゃんと聞くと少し様子が違っていて。 この曲の実態は『推しに対して気持ちが冷めてしまったけど嫌いになりたくない』曲であり、タイトルの「ぜったいしんじゃ」とは単なる全肯定オタクという意味ではなく、そうでなければならないと言い聞かせるように、自分自身を定義する呪いとしての「ぜったいしんじゃ」だったんですね。
まず、1番の歌詞は特に言うことないですね。 量産型の推しメン尊いオタク最高賛美系キラキラ推し活ソングです。 注目すべきは2番からです。 推しが最近売れてきたこと、それに伴って心なしか距離が離れてきたこと、それらに対しての戸惑いと不信感が描写されていて、サビの歌詞も「常に絶賛だし肯定したい」と弱気ともとれるものに成り下がっています。
2.対比が効いてるのがいいよね
このように、1番と2番で曲中の「僕」が全く変わってしまうのですが、その対比が上手く効いてることがこの曲の魅力なんですよね。
まず最もわかりやすいポイントとしては、サビの歌い出しの「君の絶対信者でいたいよ」「君の絶対信者でいさせて」というフレーズで、1サビ2サビで同じ歌詞であるにも関わらず、前後の歌詞から全く違う意味に受け取れるのが面白いところです。 1サビでは燃え上がるようなキラキラした感情、他の子なんて見えない私君にまっしぐら という意味で使われていたのが、2サビでは今まで好きだった感情を否定したくないという意味での「ぜったいしんじゃ」に変わっていくのがいいです。
その他、この曲の中で最もフックのある部分である2Bの「ぜったいしんじゃ」と連呼する部分ですが、1Bでは「いちばん最強お姫さま」「君に出会って幸せなんだ」と様々なポジティブな言葉に溢れていたところが、2Bではひたすら「ぜったいしんじゃ」としか言えなくなっており、冒頭で書いたように自分自身に言い聞かせるように同じ言葉を連呼しています。 見方を変えたら1Bの反対でネガティブな言葉が出そうになっているところを「ぜったいしんじゃ」という言葉で上書きしているようにもとれますね。
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また、歌詞の話からは少し逸れますが、この部分のメンバーの歌い方も好きで、「ぜったいしんじゃ(言い聞かせ)」「ぜったいしんじゃ(疑問形)」「ぜったいしんじゃ(ヤケクソ)」というように、同じ言葉でも別々の想いを汲み取れるように歌っているところがいいです。 歌詞をただの言葉の羅列にせずに、きちんとメンバーが噛み砕いて表現出来ているところがいいですね。
その他、ドマレコには既に「君はソナチネ」という量産型の推しメン尊いオタク最高賛美系キラキラ推し活ソングに最近流行りの"エモ"を加えた属性モリモリの曲があるのですが、ソナチネとこの曲の違いとして、こちらはとにかくオタク目線に終始していて、ソナチネであった「『アイドルから見たファン』を考える」という図がほぼ存在せず、常にオタク側の高揚と葛藤が描かれています。
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そして更に、この曲の中では「飽きた」という決定的なワードまでは出てこないんですよね。 きっとその言葉を使ってしまったらそれが本当になってしまうから、それだけは最後まで言えなかったんですかね。
3.最後に
ラスサビの歌詞は1サビと同じものになっていて、これは自分の中での不安や葛藤を乗り越えて、最初の頃の燃え上がるようなトキメキを取り戻し辛い時期を乗り越えた本当の意味での「絶対信者」になれたということでしょうね。 落ちサビの「君がぜったいだよなびかないよ」という言葉が強い決意を感じさせますね。
と、考えるのが普通の解釈だと思いますが、少し穿った見方をすると、冷めた結果推し変して別の子の「ぜったいしんじゃ」になっている、という解釈も出来たりしますね。 嗚呼辞められない抜け出せない、オタクは無間地獄……
終わりです。