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生物クイズ#10【鎌状赤血球症】


問題

鎌状赤血球貧血症は、常染色体上の遺伝子による遺伝病であり、変異型遺伝子(a)のホモの人は貧血により死亡する。ヘテロの遺伝子型(Aa)を持つ人はマラリア原虫への耐性を持つ。遺伝子Aの遺伝子頻度をP(0<P<1)とすると、AAの遺伝子型を持つ人の割合が高いほどマラリアは猛威を振るうため、Aaの遺伝子型の人の生存率は遺伝子型AAの人の2P倍とする。平衡状態に至ったときのPの値を求めよ。

DALL-Eにより生成

答え

$${P=0.75}$$

解説

平衡状態に至ったとき、親世代の遺伝子型AAとAaの人が持つ遺伝子Aの割合がPになるため、

$$
\begin{array}{} 2P^2+2P\times2P(1-P):2P\times2P(1-P)=P:1-P \\\
1+2(1-P):2(1-P)=P:1-P \\\
2P(1-P)=(1-P)(1+2(1-P)) \\\
2P=1+2(1-P) \\\
4P=3 \\\
P=0.75\end{array}
$$

鎌状赤血球症は、異なる遺伝子のアレルが集団の中に一定の割合で保存される平衡選択の例として知られている。その中でも、今回の例のようにヘテロ個体がどちらのホモ個体よりも高い適応度を持つ場合を、超優性という。鎌状赤血球症はヘテロ個体が維持される理由がわかりやすいが、実際にはなぜ集団でアレルが保存されているのかあまり分からない例も多いようだ。

参考文献

平衡選択:バイオキーワード集|実験医学online:羊土社 (yodosha.co.jp)
超優性 - 広辞苑無料検索 日本大百科 (sakura-paris.org)

鎌状赤血球貧血症は遺伝病で、異なる遺伝子型がマラリア耐性や貧血リスクに影響し、平衡状態の遺伝子頻度は0.75である。

ChatGPTを用いて要約
サムネイル画像はDALL-Eにより生成