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自分の言葉を管理する

先輩の子どもが無事リリース後1年を迎えまして、機動力の上がりように驚きを禁じえない前川です。
こないだまでベビーカーで搬送されるだけだったのに、今や高速ハイハイして友人のPCとメガネをロックオンする姿、つかまり立ちする姿に成長って早いなーと。
ランドセル買うまであっという間なんでしょうね。(5-7万するらしいよ)

そして最近のおむつは新しいのを膝まで通しといて、古いのを腰横でちぎって抜き取りサッッと履かせられるようになっている!すごい!!!

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しかし1-2時間見てるだけでも大変、親ってすごいわ


さて、ちびっこを見てて思うのが、「言葉ってすごいなー」ということ。
彼はまだ言語がないので、「ねむたい」「おむつ交換」「たまごボーロをよこせ」などをアピールする手段は、概ね「泣く」です。

意思疎通に言葉が使えるのって成長してからの特権で、
コミュニケーションで一番最初に人が注意しがちなのも「言葉」だと思っています。
なぜなら表情や身振り手振りを反省する人より、「あれは失言だったな」「なにか言葉をかければよかった」など、言葉について省みる人が多いから。
(メラビアンの法則では言葉以外の93%が重要ですが、人は言葉が重要と思いがち)

実際に言葉一つで上司に誤解を与えたり、友人の気分を害してしまったり、恋人とすれ違ってしまったりします。


実は、日本語ってひとつのようでいて人によって「伝え方」、更に「受け取り方」が実に多様なもの。
人の悩みのほとんどは人間関係に起因すると思っている私としては、
「言葉の扱い方」はすべてを円滑にするヒントだと思っています。

ダーリンは外国人(コミックエッセイ)

この漫画は日本人の著者が、ハンガリーとイタリアの血を引く育ちはアメリカの旦那さんとの仲良し夫婦生活をコミカルに描いたもの。
私は海外に興味を持った高校生のころ、外国人の思考がわかるかな?と面白く読んでいました。
(今だとエッセイ漫画ってかな〜〜〜り増えましたが当時としてはまだ珍しかったような気がします。)

このなかに、

「日本語って50音の発音だけでいいから英語より楽だよね〜」と思いがちだけど、
すみません、の冒頭の「す」と、
ありがとうございます、の末尾の「す」(すーと抜ける音)は実は発音が違う
んだよ」

と旦那さんに言われ、著者が「ほんとだ!!」とハッとするエピソードがありました。

高校生の私も試してみて「ほんとだ!!」と。

これは言われてなければ気づかないし、
言われても自分の口で実際に口にしないとわからないような発音の問題です(ぜひやってみてください)。


日本人にとって日本語って子どものころから使っているもので、
文法や表現や発音は「なんとなく」の感覚によるところが大きいもの。
これらは養育してくれた親や学校での文化、普段接する周りの人に影響を多分に受けています。

だから日本人だからといって外国人に正確な日本語を教えられるかというと、そうでもない。
むしろ体系的に教えるのはかなり難しいでしょう。
例えば「あわよくば」とか「ちゃんとしなさい」って、言語化して説明しようと思うと…難しくないですか?

要は自分たちが扱っている言葉を、自分たち自身が明確には捉えていないわけです。
その上で、更に日本語って表現そのものも多彩で婉曲も多い。
更に地域・年代・性別による違いもあって…より複雑になっています。

地域による言葉の違い

方言は、同じ日本人でも話しが通じなかったりします。

たとえば広島弁の「たいぎい」には「めんどうくさい」、「はぶてる」には「スネる」みたいな意味がありますが東京の人には「じゃけん」くらいしか知られていないし、
そもそも広島でもド田舎の言語は広島中心地の若者からするとわからないことがあります。
この小さな島国の辞典で言語が枝分かれしている。面白いことです。

年代による言葉の違い

たとえば、「パリピ」という言葉。
20代→明るい人、飲み好き、友達が多い、騒げる人…というポジティブな意味
30代→派手、落ち着きがない、自分とは違う変わった人、チャラい…というネガティブな意味

と、捉える人が多いようです。

「エグい」という言葉で言うと、
20代→すごい、極端…などポジティブな意味を含む
30代→ひどいこと、悪いこと、えげつない…などネガティブな意味合いが強い

過去で言う「ヤバい」と全く同じことが起きてる気がします。
(今の30代はヤバいを乱用して、顔をしかめる大人世代に「違うって!すごいって意味なんだって!」と言い返していた時期があります)

(そういえば「意味合い」の「合い」もなにか説明できないな)


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ウエ〜イ

ちなみに私は「大人になったらヤバいって若者言葉をやめないとな〜」と思っていましたが、
大人になってみたら「ヤバい」を使っているのは30代くらいになってしまいました笑
言葉が年代と共に上の世代に上がっていった例ですね。

性別による言葉の違い

だからモメる! これで解決! 男女の会話答え合わせ辞典

この本は前にも載せたのですが、
「男女はよくモメますが、言葉がそもそも違いましたよ」という解説がてんこもりで、なるほどと唸らされることばかり。

例えば「喧嘩」という言葉。
女性→そのプロセスでお互いを理解し合うコミュニケーションの手段。
男性→闘争、戦う、勝たなくてはいけないこと。

「結婚」という言葉は、
女性→キラキラの始まり。
男性→安定の始まり。

そもそも男女では言葉そのものの認識が違ったんです。

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そりゃモメますわ

よく男性は「忙しいから会えない」とLINEを返してしまいますが
女性は「忙しいけど、本当は俺も会いたかった」って感情が一つ乗ってるだけで(これだけで!)案外満足するもの。それが男性にはわかりません。
このへん、その一言がうまい男性友人は、だいたい彼女や嫁とうまく行ってます。

個人による言葉の違い

私個人的には、LINEの文末にある「??」が、あまり好きではないです。
問い詰められている気がするし、イライラしてるのかな?と感じてしまう。
でもこれが平気な人もいるし、悪気がない人もいると知ってるので指摘はしません。

他には、文末にある「かと。」が、好きではないです。
そんなの当たり前じゃん、ってニュアンスを感じてしまう。
ただ文脈的に自分も使ってしまうこともあるので要注意。
そしてこれも全く気にしない人もいる。

タメ口も、急にきかれるのと、姿勢から敬意が感じられて「仲良くなりたい」から言われるので全然受け取り手の気持ちが違ったりします。
タメ口が一律ダメどうこうってルールでなく、背景に相手への敬意があるのかどうかだったりします。

要は、個人の価値観によって言葉の使い方は様々。
自分にとって、相手にとって適切な(心地いい)表現が異なるのです。

まとめ

地域や年代、性別、育った文化で言葉が違う。
言葉は実に曖昧で、なんとか「最大公約数」的なところで私達は意思の疎通を図っているのに過ぎない。

そうなってくるととんでもなく複雑な問題だぞと思えてくるのですが…
逆にこれを使いこなし、「この人にはこう」「40代の方はこういう話し方を好む」「経験上、彼にはストレートに言ったほうが伝わる」という、
自分の言葉をうまくコントロールできるようになれば、人間関係が円滑に回ります。

好きになんとなくしゃべるのでなく、
相手に伝えるのが言葉の目的ですから、そうなるように「ちゃんと選んで言葉を使う」。
これは多くの人とコミュニケーションを取って失敗したり好例をパクったりして身につけていくのが最短です。

求められるのは語彙だけでなく、
相手を選んで、配慮して、適切な言葉を引き出して使う力。

なんとなく気の向くまま喋っていませんか。
気のおけない友人とはそれでいいとして、
「自分は何の意図でこういう言葉を使う」「こう言い換えてみたほうがこの人には伝わるかも」というチャレンジを日々してみると気づけば言葉を操る達人になっています。

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(部長、褒めといたら仕事やりやすくなったわ)

先輩の子どもはどんな言葉を使っていくのかな。
楽しみです。

本日もありがとうございます。

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