年末年始の過ごし方(2023年雑感)
クリスマスイブ、今年も華やかにM-1が終了した。もう19回目というのに毎度目新しいのはなぜだろう?今年も最初から最後まで興奮して見ていた。技術とオリジナリティの両方を兼ね備え、且つ、熱量が高くて激しい漫才。眩しかった。
そしてふと自分たちのローテンション漫才を振り返って微かに絶望する。“微かに”と言ったのは、それが既に私たちが求めてるものでも、任にないこともわかっているから。なのでそんな微かな絶望はつかの間で、その後はただのお笑いファンとして何度も何度も見返して堪能する。恒例行事。
あっ、そういえば私たちもその2週間前に「THE W」の決勝に進出させてもらったっけ。M-1の激しさに上書きされて遠い昔のように感じるけれど、それはそれで私たちの今年一番の熱い出来事だった。もし優勝したら『仕事はやっぱ退職かな?』とか『賞金はチーム変ホのメンバー4人で分けて、前から欲しかったラパン(軽自動車)買えるかな?』など、こじんまりした皮算用を楽しんでいたのもすでに過去の思い出となった。
結局、何にも変わることなく、あっという間に日常になり、退職することもできず、抱えている仕事は来年に持ちこして仕事を締めた。
今年1月、介護休職が終了して職場復帰した途端、異動で極端に忙しくなった。残業が増える一方、そのすき間を這うようにしてライブに出た。積極的にライブに出ようと思ったのは2019年のM-1 の頃からだ。「たくさんライブにかけてネタを磨こうね」「あ一回の客前だけで判断してはいけないよ」「いろんなタイプのお客さまがいるよ」とNSC生が入学して1回目の授業で習うようなことをコンビ結成13年目で気づいた。バカさ加減も甚だしい。
だけど、平日仕事を終えてから、土日の度に東京ー大阪を往復するのはさすがにおばさんには堪えたよ。体力もお金も。
9月以降はスケジュールの過密さが増して『しんどいな』『ヘロヘロやな』『もう無理かも』が相方との常套句になっていた。でも常套句の後ろには『幸せやな~』『楽しいな~』『ありがたいな~』の言葉が続いてたんだと思う。お互い声には出してないけど。
楽しいから続けてこれたんだ。これからも。
実家に戻り、積年の課題であったインターネット回線を引いて、早速Netflixを契約した。一人暮らしの母とこたつでみかんをほうばりながら韓国ドラマを見る静かで平和な年末。少しでも長くこの時間が続いてほしい。
年が明けたら父が入所している施設に行く。父は久しぶりに会う娘の顔を覚えているかしら?
皆さま、本年は本当にたくさんの応援ありがとうございました。
どうぞよいお年をお迎えください。
2023年12月31日
変ホ長調 彼方さとみ