見出し画像

cheerioの超個人的レビュー第26回『畠田理恵:PREMIER』

ちょっと間が開いてしまいました。今回はタワレコでの再発が発表された畠田理恵さんの『プルミエ(1987年5月1日発売)』についてつらつらと書いていきます。

シングルデビューは1987年3月3日ですので、そろそろおニャン子が解散へ向けて焦燥感を醸し出した頃ですかね。
畠田理恵さんと言えば今では羽生夫人として有名かもしれないですね。そんな彼女も当時はアイドルとして活動していました。

・・・が、個人的に当時はそんなに注目もしておらず。何なら生稲晃子さんのそっくりさんくらいに思っていたのです(全方位の方に申し訳ないです)。その頃の僕の判断基準は完全におニャン子だったので、例えば北岡夢子さんは吉見美津子さんのそっくりさんとして捉えていたり・・・。

それはともかく。チラッと見たタワレコの感じだとシティポップの括りで再発が決まった、的な感じ何ですが、これってシティポップなんですかね。正直僕は昨今のシティポップという流行の意味がよくわかりません。

かと言って、このアルバムがいわゆるアイドル100%かというと、そうでもないような。よく言えばアイドルの枠に留まらない、悪く言えばとっ散らかった感じかな。どちらにしても褒め言葉ではありますが。

アルバムの中でヴォーカルスタイルが変わるのも特徴です。正直、1曲目、2曲目あたりまでは引き込まれる感じではなかったです、あくまでも個人的にですが。1曲目「いっそあなたに」は来生えつこさん、来生たかおさんコンビの曲なんですけど、まとまり過ぎているというか。

で、何気に聴き続けると、最初の衝撃がやってくるんです、5曲目にして。

「プラス・マイナス・ゼロ(作詞:許瑛子 作曲:安藤まさひろ 編曲:椎名和夫)」がその曲。イントロのちょっと不穏なムードからの、特徴的なアルペジオ。落ち着いた声で歌われる歌い出し。なんか出来過ぎな感じ。
そしてサビの「プラス・マーイナス・ゼロっ(ゼロっ)」のディレイ。このディレイが個人的に響いたんですよね。当時の感じだとおそらく女性コーラスを使ったりするところなのかなと思うんです。この1箇所だけで心奪われました。そしてこの1箇所だけでこのアルバムが名盤だと感じることが出来ます(おそらく超個人的感想ですが)。

そして次の曲「SATISFACTION(作詞:小林和子 作曲:和泉常寛 編曲:椎名和夫)」。イントロから歌い出し、何とも言えない高揚感。そしてサビ!・・・ここでも衝撃が。「NO NO SATISFACTION(いつも) NO NO SATISFACTION(ファクショーン)」の感じ。焦らすというか煮え切れないクールさ。それが最高にカッコいい。洗練されているようで、でもどことなく違和感。それが最高に響くのです。

その後は「ここだけの話〜オフレコ〜」へと続き一気に最後の曲まで聴かせてしまいます。そしてその頃にはこのアルバムの中毒になっているはず、です。

そして思うのです、2曲目の雰囲気って何だったの??と。音楽的以外のアイドル要素を求めるファンのための曲だったのかな?とか。

全体的に歌詞はアイドル然とした感じではなく大人っぽい感じですね。音作りも丁寧です。90年代に入ってからのふわっとした音像ではなくしっかりしています。でもメインストリームのアイドルのアルバムからすると独特ではあるかなと。そこがシティポップ?として括られる所以なのかもですね。とにかくわちゃわちゃはしていないです。音源だけ聴くとその後に出てくる(アーティスト気取りの)ガールズポップ(?)の方々とそんな変わらない気がします。

そういうわけで。今回の再発はボーナストラックのあり値段も安いので「買い」でしょうね。ただリマスターは気になります。昨今のスマホやポータブルシステムを中心とした小さいスピーカーで聴くのに適したリマスタリングだったりすると、従来のアナログファンの方々にとっては残念な感じになるかもですね。

それでも欲しいのには変わりないですが。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?