父のたからもの
2019.3.1
創業時に店内に置いていた村田高詩手彫りのレザー看板。
現代美術活動を経てゴローズに入社した父は、レザー彫刻を主に担当していました。
独立する時にゴローさんから頂いた肩書が「goro’s brother」。
父は、言葉に言い尽くせないほど嬉しかったそうです。
「ゴローさんと2ショット写真とか撮らなかったの?」
と訊くと、
「恥ずかしくて…言い出せなかった」
と父。
「怖い人だったの?」と訊くと
「怖いよ。怒ったりする訳じゃないけど、なんていうか、オーラがすごかった。」
と。
そんなゴローさんから頂いた名前を彫り込んだレザー看板は42年経ってもSTUDIO T&Yの宝物です。
よく見るとUNCLEのCのところにUFOが描いてあります。
ああ、あの頃、両親はUFOにハマっていたのでした。
多分4〜5歳くらいのころの記憶。夏の日。
私は両親と青々とした草木生い茂る線路を歩いていて、ごくたまに列車が来ると父が私を抱き上げて線路脇に座らせて列車をやり過ごして…そうして向かった山奥で両親と仲間たちが輪になってUFOを呼んでいた。
ふと気付くとおかしな軌道を描く無数の光が稜線の上に現れて…
あれが夢だったのか本当だったのか分からないけれど、それからしばらくの間、両親は毎晩自宅のベランダに出てUFOを呼んでいました。
おかげでUFOに攫われる悪夢を何度も見ました。
そんなレザー看板、今は北口店に置いてあります。
STUDIO T&Yの宝物です。
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