可可推しとしてスパスタ2期をどう見たか
しんどかった。
さて、世はまさにスパスタ2期の大お気持ちnote時代。
雨後の筍の如く生え続ける賛否それぞれのポジションに立ったnoteを読みつつ、ふと思ったことがひとつありました。
「誰を推しているかで賛否の立場も作品の見方もだいぶ変わらないか?」
推しの視点に寄って見ることはほとんどの人が自然に行っていることであり、それゆえにそれぞれ多少の壁が出来ていることと思います。であればこそ、今回の記事は、唐可可推しの一人としてスパスタ2期全体をどう見たか、というサンプルのひとつとして数えていただきたいと筆を執った次第です(つまるところ他担に他山の石としてほしい[同担もウェルカムだけどね])。まあ今回は便宜上、可可推しとは言ってるけど実際はクーカー推しだし、オニナッツや葉月や千砂都っていう推しとは関係ないとこにもクチバシ突っ込むんだけどな。ぶへへ。
1.スパスタ2期全体の話
2期全体を例えるなら、「カレーが意外と美味い蕎麦屋だったけどこっちは蕎麦が食いたかった」感じでした。
スパスタ2期を「1期からの連続性があるものとして見る」か、「時間軸としては繋がっているものの、ほぼ単体作品として見る」かによってこの2期全体の評価はかなり変わると思っています。
そして特に唐可可というキャラクターは、1期の終盤から2期へ繋がる「帰国問題」というテーマを背負わされたキャラクターであり、可可推しの自分個人としては2期も1期と連続したドラマとして見ており、1期からの続きとしてしっかり課題を解決させてほしい、という気持ちが強かった、とは申し添えておきます。
では2期全体を序盤(1-3話)、中盤(4-8話)、終盤(9話-12話)の3つに分けて美点と疑問点を挙げていきます。
・序盤(1-3話)
・良かった部分
・新入生、桜小路きな子
たぶん「見たかった2期」の大部分ってこういうものなんだと思います。
2話までのきな子のくだりはなかなか美しかった。
・鬼塚夏美
田舎者を煙に巻く判断力、自撮り棒を振り回すしなやかな動き、そして決断を後押しする力強さ。
1話のオニナッツはキャラの掴みとしてなかなか強かったでしょう。
・悪かった部分
・可可のサジェスト汚染
ラブライブは「みんなで叶える物語」だから、これを読んでいるオマエタチも「みんな」に入るし批評の対象だ、わかったか。
この記事のタイトルがこうなったのも5割はこれのせいだからな。
だいたいなんだ、序盤のサジェスト汚染に加担したオマエタチは。
可可が本気で悪口を言ってると思うなら浅すぎるだろ。浅チャプ、朝ピチャ(原文ママ)だわ。
ありゃプロレスだっつーの!!!!!
いや、そもそも可可がこういう態度のシーンしか無くなったのもクゥすみがゴリ押しされたからなんだよな。
クーカーでベタベタの可可、クゥすみでピリピリ可可と分けることは1期から行われていたことで、そのうち片方を切り捨てればそりゃこうなるに決まってるわけ。
だから可可は1期からなーーーんにも変わってない。なのに「1期に比べて2期の可可キラーイ」とか抜かすのはもうね、アホかと。
やろうと思えばずっと書けるので切り上げて次行きます。
・クーカー削り
前述した通り、2期では露骨にクーカーが削られており、その顕著な発端が2期3話となります。
クーカーのステージに居合わせながらもその存在をリアルタイムで知ってはいなかったすみれが解説するという、視聴者側が「あの後すみれも調べたのかな?」などとアニメで描かれていないシーンを自主的に補完させられるシチュエーション。
これはここに限らず、このあとも点在しています。
そして不親切、または不自然なのはクーカー自体の扱いもそうで、1期で可可がベタベタとかのんに甘えていたのが、2期ではパッタリと止み、それぞれクゥすみとかのちぃ(あるいはかのきな)に固定されます。
セリフのひとつやふたつを出せばいい場面ですら削られているので、これは尺の問題でなく意図したものだと思いますが、どのような意図があってこうしたのか、実際の事情を知りたいものです。
・中盤(4-8話)
・良かった部分
・葉月恋
「UR葉月恋」は最高なんですよね。
コメディとしても取れる、葉月恋の成長物語としても取れる。1期生の5人なんかは葉月の想像内と現実との2パターンで倍美味しかったと思います。
まあこのうち葉月の成長物語を抜き取っていくと、
・「ゲーム中毒になる」→自分のやりたいことにハマる、葉月恋という個人を表に出すことがようやく出来た(自己紹介動画などでもイチゴ好きなのを隠したり、過去の葉月はアイデンティティを表に出したがっていなかった)。
・「仲間を頼る」→言わずもがな。生徒会長でも創設者の娘でもない、葉月恋自身を受け止めてくれる仲間がやっと出来た。
といった感じになります。
これを「弱体化した(ネタキャラ化した)」と言うのは簡単なのですが、個人的には「今まで全体のために尽くし続けてきた少女が、やっと自分なりの青春を手に入れた」という文脈で読み取る方が美しく、心惹かれるものがあります。
まあ7話はしきメイが目につくところはありますが、それでもどう食べても美味しい、良回だと思います。
・鬼塚夏美
連投だぁ。
でもオニナッツって序盤中盤終盤の要所要所でしっかり活躍しているので、全編でMVPに挙げられちゃうんですよね。
実際、このあとの終盤でも活躍を挙げますし。
5話のヘイト演出も個人的には引っかからなかったし(ちゃんとかのんに契約書読んでもらってるし、どこ通して売ってるかわからんスクールアイドルグッズだらけの世界では契約の概念があるだけマシですらある)、6話で牙を抜かれて寂しくすらありました。
そして6話の金稼ぎをする動機を語るシーン。
これが1話と繋がっているのが丁寧で、「やってみなくちゃわからない」ときな子の背中を押した言葉で夏美自身は自分を閉ざすこととなった、この言葉の表裏を描いた部分はなかなかキレイで、1期の「おしまいなんてあるんデスカ!?」などを連想させてくれる美しさだったと思います。
まあそのあたり、6話の締めパートでちょっと乱れたかな……?と思える部分もあるんですが、そこは後述します。
・ビタミンSUMMER!
ヒゲドラを崇めよ。
この2期の中で「スクールアイドルを楽しむ」ということに最も特化した曲で、つまりそれは清涼剤なんですよね。
初めて9人揃った曲だとか、文脈だとか、このあとの展開だとかそんなまどろっこしいことは考えず、ただ曲を楽しむだけだとしても100%遊ぶことができていると言えるし、常夏サンシャインより夏のバカっぽさがさらに増した曲かなと感じました。
この曲を楽しい、と多くの人が思っているのは、なによりYou Tubeの再生数が2期曲トップなのが物語っていると思います。
そもそも、俺なんかこれ拾うために3rd行くようなもんだしな!
・悪かった部分
・澁谷かのん北海道出張
オニナッツの勧誘に北海道まで出張ってきたかのん。
ただ、きな子達でなくかのんでなきゃいけない理由も見えてこないし、勧誘する動機も薄いんですよ。
まあこれはきな子の勧誘からずっとそうなので、仕方のない部分と割り切るしかないのかもだけど、ならもっと勧誘の動機がある2期生達に任せるのも手だっただろうし(オニナッツに背中を押されたきな子が押し返すのでも筋は通るし)、どうも後の展開のための「かのんがLiella!の要であるという既成事実の構築」をしたくてこうしていたと思える部分がありました。
この段階から「またかのん頼みかよ」と辟易する展開が続いており、これは終盤まで継続されます。
一応、自分はクーカー推しなのでかのんの活躍も結構楽しめる人種なのですが、それでも「ちょっとやりすぎじゃないか……?」と思ったところがあるので、かのん推し以外の人にはうんざりさせられる展開だったかもしれません。
・8話の説明不足感
最初に言っておくと、これはしょうがないと思ってます。
8話で「表参道でない道」として神宮外苑のイチョウ並木が出てくるわけですが、これを一発で飲み込めたのは東京の地理に詳しい人くらいではないか、と感じました。
表参道とイチョウ並木はそれぞれ明治神宮と神宮外苑から青山通りへ伸びる道となっており、対になるものとして扱うことができるわけですが、これを明治神宮という単語を使わずに説明できるか?となると、個人的には難しいと言わざるを得ません(穏田神社みたく協力関係にないってことなの……?)。
構図自体は美しいもので、8話の話自体も練られていたと思いますし、ベストは尽くしたものの力及ばずといった部分になるのであれば、視聴者側で補完する他ないと思っています。
・終盤(9-12話)
ラストシーンはもう手垢つきまくりだと思うので言及しません。なにより感想に個性が出ない。
・良かった部分
・鬼塚夏美
完 全 試 合
12話で2期生をまとめ、ラブライブ優勝の意味を6話からの流れで強めてみせた名プレイヤー。コイツがいなかったら2期は限りなく葬式に近かったのではないか、そう強く感じさせてくれます。
・留学を見送る可可
可可推しにとって12話の数少ない可食部。
クーカーっていうのは、本来これくらい強いんですよ……。離れていてもクーカーと言えるくらいの強さがあるハズで、なのに、近くにいるのに全く……。
良かったポイントを挙げる章なので次へ移ります。
・悪かった部分
・9話
書きたいことが多すぎてこのnote収まらない気がしてきちゃった。
ここが記事のタイトルをこれにした理由の残り4割です。
あと1割は12話。
まず単刀直入に言ってしまえば、9話は帰国からの可可の掘り下げを期待していた自分にとっては最悪です。帰国は不発で続く10話からは何事もなく平常通りのストーリーに戻りました。なにも解決してないのに誰も帰国の話をしない。
もう推しの掘り下げを期待していたフラグでCPのゴリ押しをされた時点で最悪なのですが、さらに最悪なのが話の過程です。
この回ですみれが暴走するのは可可とすみれがそれぞれ“過程”と“結果”を重視している差から来るのであって、前者にはかのんや可可、後者には千砂都やすみれのような勝負の世界で生きてきた側が含まれている、という分類に疑問を持つ方はあまりおられないと思います。
可可が帰国を黙っていたのは、それを勝つ目的にしてしまうことで楽しむことを忘れてしまってほしくないから。
決して消極的な理由ではないし、そもそも「スクールアイドルを楽しむこと」という過程を一番の目的としているから、勝ち負けは実は二の次なのです。
対するすみれは、可可に帰ってほしくない。だから楽しさより結果を求める。この時点ですれ違いが発生しています。
しかもすみれは可可が「本当は帰りたくないけれどみんなの楽しい時間を奪いたくないから帰国を黙っている」と思っていると勘違いしている節すらある(その気持ちがあるのは否定しないけれど、メインではない)。
ここまで決定的にすれ違いが生まれれば、9話のようにすみれが可可の想いを踏みにじるのも自然ではありました。
そんな9話で繰り広げられた2期生を切り捨て、かのんと一触即発となるすみれの光景は、結果より楽しむ過程を重んじる可可にとってまさに悪夢そのものでした。
そして可可が騒動の火消しをし、すみれの暴走を止めた末に次の回からは何事もなかったかのように皆が振る舞うのですから、あの回はなんだったの???と言いたくもなります。
個人的に、期待していた帰国という切り札が無駄死にしたことは当分引きずると思います。
(ディスコミュニケーションの途中で1期みたく奇跡が起きてくれればなぁ……)
・11話冒頭
葉月きな子オニナッツをハブってそれぞれペアになって抱き合った意味を教えてくれませんか???
1期10話だとみんなで抱き合ってたじゃん、なんで……。
・12話
まだ俺のターンは終了していないぜ。
12話が最悪なのは、千砂都が反対意見を許さない振る舞いをした点です。
あんなふうに泣いて、あんなふうに主張されたことを反対できるか?という話です。
そういった反論を許さないズルい言い方は今に始まったことではなく、かのんが副会長をやるか迷っていたときに「できないから〜」とかのんから言われた言葉を返したりと、2期が始まってから兆候そのものはありました。
しかし、11話と12話でのやり口は凶悪そのものであり、今までのそれとは一線を画したものである、とも言えます。
9話の項において、千砂都とすみれは結果を重んじる側に立っていると述べましたが、過程を重視せず、かのんの留学を成就させたいと結果を狙いに行くこの姿勢はまさしくそれですし、その結果として留学キャンセルになったというのは因果応報という気もしなくはないです。
さて、ここで可可推しとしての意見です。
まず千砂都は1期11話や2期12話のように、「私を叶える物語」を担っています。
一方で可可は1期3話を代表として「みんなで叶える物語」を担っており、この2人は対として澁谷かのんの両脇を固めておりました。
ところが、なんということでしょう(劇的ビフォーアフター)。
2期に入りリフォームされたLiella!では、かのんは可可と「みんなで叶える物語」を展開せず、千砂都との「私を叶える物語」が重視されるという偏ったものになってしまいました。
なんということをしてくれたのでしょう(悲劇的ビフォーアフター)
恐らくかのんと千砂都で「私を叶える物語」、可可とすみれで「みんなで叶える物語」として分けたつもりなのでしょうが、それで果たしてそれぞれ上手く動けたか、という話になると……。クゥすみに関しては前述の9話をご参照ください……。
そういったわけで、12話はラストがなくともボロボロであり、這々の体で強気な可可の姿にすがっていたところを爆発オチに遭遇した形で、個人的にはあのラストは全部吹き飛ばしてくれてスカッとすらしたところもありました(ヤケクソ)。
総括に移ります。
・まとめ
この2期において、鬼塚夏美と葉月恋は最も活躍したメンバーと言って過言ではないと思います(ナッツはきな子からスタプロへ憧れる役割を託された部分もあるけれど)。
一方で、1期と比較すると活躍を一気に減らされたのが我が推し唐可可になります。
この段階でもうどうこう言う気はありません。
帰国は帰ってこないし、2期はやり直せない。
ただ、次があるなら、可可の主役回か、クーカー回が欲しいです。
可可が輝けるのはクーカーなのですから……。
ただなぁ……、3期ってここからさらに増員とか上手くまとめられんの……?
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