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えすろくろくまる

猫のシティーは、それぼど、優遇されなかった。狭い六畳一間から出してもらえなかったし、エサは大袋のカリカリを同じ物毎日だし、トイレ掃除はいい加減だった。おまけに大量のタバコの煙を吸った。

シティーはそれでも私に甘えてくれた。出かければ玄関で待っていたし、よく足にスリスリした。

私の布団で寝ることも大好きだった。
布団の中に潜り込み、腹を撫でられるのが好きで、布団の中でいつもゴロゴロいっていた。

ノミがついて、時々、痒いことがあったくらいで、手のかからない、とてもいい猫だった。無駄に泣くこともなく、朝早くに私を起こすこともなかった。
今思えばあれほど、初めての猫に適した猫はいなかった。シティーをもっと愛して大切にすべきだった。猫は犬と違って、よく、空気と化すがもっと尊重すべきだったと反省している

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