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五年後に(45-50)

週末は咲沢くれはさんという作家の作品を読みました。

私が読書記録用として使っているアプリ「ブクログ」では評価が低かったのですが、著者が元中学校教師だったとのことで、作品も教師の目線で扱いが難しいと言われる中学生の実態や思いを書かれているということで手に取りました。

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中学教師の華に一人の女子生徒が言う。男性教師に告白したが、返ってきた言葉は「五年後に言うてくれたら嬉しいのに」だったと。それは、のちに華の夫が命を落とすきっかけとなった言葉でもあった。人間のささやかな悪意、不器用さ、弱さなどを、元中学教師である著者が教師を主人公に描く。第40回小説推理新人賞受賞作家のデビュー短編集。(Amazon内容紹介)

この作品にはAmazon内容紹介にある表題作「五年後に」のほか、次のような短編が収められています。

津船場で
眠るひと
教室の匂いのなかで

本作は先生もひとりの人間で、家族との確執や、過去の自分を許せない思いなど、様々な思いを背負って教壇に立ち、生徒になにかしら良い影響を与えたいと願いながらも、うまくいかないもどかしさや自己不信を抱えているという教師像が、元教師だった経験からでしょうか、とても細やかに書かれ、読み手である私は実際学校現場にいたこともあって、辛く伝わってきました。

さらには親しい人の「死」について書かれている場面が多く、わたしの年齢にはさらに辛く感じました。

それでも「教室の匂いのなかで」は今短編集のために書き下ろされた比較的長い短編ですが、最近の中学生の実像と教師の関係等がうまく描かれ、比較的暗い作品の多い中、希望の光が差しているような作品で、編集のうまさが感じられました。

最後まで読んでいただき、ありがとうございました。
今日は朝から不調なので、このまま家で静かに過ごします。
季節柄皆さまもご自愛くだあい。


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