A&D GX-Z7000故障から復活
やっと部品が調達出来ました。
2連ボリューム10KΩBカーブ。
汎用標準品です。
シャフトが短いです。
延伸ナットの様なものがあるか調べてみましたがありませんでした。
今回初めて知ったのですが、VRをパネルに固定するねじは特殊で
一般的な規格のねじは使えないです。
VRのねじは特殊ねじで恐らく6.5ミリ?程度で互換性は通常ネジと
はありません。
結局、延伸アダプターなるものを自作することにします。
こういう小物を作るのに3Dプリンターは重宝します。
設計値に対して誤差ががあるので何個か作りながら現物合わせで
トライアンドエラーを繰り返します。
現物合わせしながら寸法を決めます。
ほぼ加工なしでそのまま使えるレベルまで達したので
これで良しとします。
プリンターの精度誤差があるのでドンピシャとはいきません。
早速VRを基板に半田付けして組み上げてみました。
完成させる前に電源を入れて試運転です。
メーターしっかり動きます。
ヘッドホンを耳にはめて音確認です。
左右しっかりとサウンドが聴けます。
完了です。
VRの故障とは珍しい現象ですが何とか治ってよかったです。
店内視聴用にTC-K555ESⅡと交代して活躍してもらいます。
製造から約40年。
保管していているだけでも故障のリスクはあります。
それなら使用頻度を増やし適度に稼働させてあげるのが
故障予防につながるかもしれません。
KENW00DのKX-880Gと比較してみます。
GX-Z7000 1987年発売 79800円
KX-880G 1985年発売 69800円
1万円の価格差があります。
GX-Z7000は高価なパーツや随所に小さな拘りがあります。
そして3ヘッドです。
小さな拘りは音質に関係するかは分かりませんが手間がかかっているのは
間違いありません。
明らかに分かる違いは
パワーイジェクトとサイレントメカニズム再生です。
「GX-Z7000 A&Dカセットデッキを修理します。」で書きましたが再生時のヘッド上昇は移動距離が短いので素早いです。
かつ非常に静かで滑らかです。
音質的には
癖のない溌溂とした前面に押し出てくるような
元気なサウンドです。
音の輪郭はKX-880Gの方がしっかりしているように感じます。
価格差1万円ですから音質的には大きな違いは感じません。
どちらの音が好きかというこになります。
部品類や拘り機能などはしっかり価格差を物語るものがあります。
この価格差でパワーイジェクトはやはりお買い得感を感じますね。
再生かストップボタンを押すとカセットホルダーの蓋が自動で開き
カセットテープをセットして再生ボタンを押すと自動で閉まって
そのまま再生になります。
電源を入れてから再生までの手数が少なく
静かにきびきび動いて非常に心地よいです。
所有の1988年発売ソニーTC-K333ESRは85000円ですが、マニュアルです。
A&Dのカセットデッキは今回が初めての修理体験でしたが、
かなり分解しないと基板に辿り着きません。
これはKX-880Gも同じですが底板に点検窓が付いていません。
かなりのねじや部品を外さないと基板に辿り着かない設計は
故障時に凄くがっかりさせられます。
故障個所にもよりますが、1分あれば部品交換できる状態になる
ソニーTC-K555ESⅡとは大違いです。
今後A&Dのカセットデッキは手にしないかもしれません。
AKAI独自の優れた機能を搭載してお買い得感はあるのですが
非常に残念です。
その後GX-Z7100が後継機としてリリースされます。
幾つかのマイナーチェンジで筐体がアンプの様に高背になり、
底板が開くように改善されています。
もしかしたらアフターサービス担当の三菱からクレームが
出たのかもしれませんね。
いずれにしてもこのGX-Z7000は「お値段以上」だと思います。
無事に復活しましたので、興味ある方店内で無料視聴可能
(お酒の注文は必要)ですので
A&Dサウンドを体験してみませんか?