ペアリングイベント2024 / 2ndのはなし outro
これにて「2ndのはなし」はおしまい。
回をいくら重ねても毎度変わらず追い詰められる。
そして作っている最中は「早く終わらせたい」とずっと思っているけど終わってみると「次はどうしようかな」と考え始める自分がいる。
…まあ今回は間髪入れずに翌月に洋菓子ペアリングだったので、その「どうしようかな」はそういった明るい、余裕のあるものではなく、アイデア出し~グラスに落とし込むための期間の短さに由来する「どうしようかな」だったわけですが。
何はともあれこの回も無事に終わり。
でもいきなり3rdのはなしになるのもなんだし、「intro書いちゃった以上、outroも書かなきゃな」という、あってもなくても困らないところに義務感を感じるあたり、自分らしいと苦笑い。書かないと自分の具合が悪いんでお付き合いください。
さて、和菓子はintroで書いたようにカクテルを受け入れるフィールドはとても大きい。
「ただのアテ」扱いならカクテルから蒸留酒のストレートまで対応可能。
しかし線が細く、アルコール度数や香りの強度に関してとてもシビアなので、引き立て合うペアリングという形になると途端に範囲が狭まる。
故にミキサー(割材)など副材料をどう使いどう活かすかが肝要。
そのため、そういった周縁のノンアルコールアイテムへの知見と経験が広がるのがとてもありがたく面白い。
そして広義での「茶」というものがいかに万能なミキサーかというのをこれでもかと体験している。そのせいで使い始めるとかなりの比率で頼ってしまうからアプローチやプレゼンテーションにパターン化が生まれやすいのがネガティブなところ。
組み合わせやブレンド、抽出方法とか変化を持たせないといけないと思っている。
自身の知見も知識も相当浅いので経験を積まないと…とは思いつつもなかなか飲むために、それも自分のために淹れようとは思えないのが良くないですね。
「コーヒーより手間かかんないよ?」と言われたりもするけど、僕にとっては茶の方が手間です。飲む習慣がもともと無いとか根っこの方にある苦手意識とか、その他諸々のせいだと思う。
これは日本酒が苦手ということにも繋がるところで、「愉しむ文化が自分の中にあまりない」ものは当然に興味をそそられないからもちろん飲まない。だから知識も経験も積めない。→必要になった時に開ける抽出しがない、という残念な構造になる。
まあ「和菓子×日本酒使用のカクテル」というのも短絡にすぎると思わないでもないけど、そういうのも納得のいくもの作ってから言えることだから、いまあまり口にできる段階ではないのよな。
まずは茶と酒への苦手意識を取り除くことが平時での第一歩だろう。相当に難しいと思うけど。
個人にせよ国にせよ、文化って一朝一夕で出来上がるものじゃないから大変。
まず生活のルーティンに組み込まれないとその先は作り得ない。「より良きものを」「より好みに合ったものを」まで到達するには評価軸の構築から。壊すのは簡単なのにね。
今回も気づきと発見の多い良きイベントでした。
次から3rdの話にすぐ入りたいけどちょっとひと呼吸おきたい気もするなあ。