シリーズ最後の機械式カメラ Nikon F2
ニコン初の一眼レフカメラ、Fの発売から12年後、1971年に発売された後継機です。
シリーズ最後と言っても機械式シャッターはFとF2しかありませんが。
minoltaSRT101やNikon FEなどを使っていた私が初めてF2を手にした時、その重量感に感動しました。
でも、持ち運びするにはちょっと重いかもしれません。
■交換式ファインダー
F一桁シリーズの中で交換式ファインダーの種類が一番多いです。
露出計なし、非Aiレンズ対応、Aiレンズ対応と大きく分けて3種類あります。
1.アイレベル
2.フォトミック、フォトミックS、フォトミックSB
3.フォトミックA、フォトミックAS
アイレベルは露出計なしのスッキリとしたデザインです。
フォトミックはアルファベットで違いが分かります。
S・・・露出計の表示がLED(無印は追針式)
A・・・Aiレンズ専用(無印はレンズ側に連動爪が必要)
B・・・測光センサーが違うらしいですが持っていないのでわかりません。
オススメは2.の無印フォトミックです。
中古市場でも一番多く見られるファインダーです。
レンズに爪があれば、Aiレンズでも使えます。
追針式の露出計も直感的に操作できます。
フォトミックAとASはガチャガチャしなくても露出計使えますが、非Aiレンズだと露出計使えないので、ちょっとさみしいです。
左からアイレベル、フォトミック、S、A
■ガチャガチャ
ニコンのMFレンズにほぼついている「連動爪(カニ爪)」についてです。
これはボディ側の露出計にレンズの絞りを伝達するためにあります。
現在のデジカメならボディとレンズ間は電気信号で色々な情報をやり取りできますが、この連動爪は絞りの情報のみです。
ガチャガチャの儀式で出来ることはただひとつ、「レンズの開放F値をボディ(露出計)に伝える」ことです。
TTL測光方式の露出計はレンズの開放F値と選んでいる絞り値がわかれば、あとはボディ側のシャッタースピードとISO感度で適正露出を求めることが出来ます。
ガチャガチャしたあとに、ファインダー前面の小窓に開放絞り値が表示されていればOKです。
爪が露出計のレバーに掛かりF5.6にリセットされます
絞りを開放まで回します。これが「ガチャガチャ」です
レンズによって絞りが変わります
■F2の使い方
以下、フォトミックファインダーを装着している場合になります。
ボディ底面にある電池BOXに(SR又はLR44×2)を入れます。電池蓋側が+です。
露出計用なので電池を入れなくても撮影できます。
巻き上げレバーを予備角まで引くと露出計のスイッチが入ります。前に押し込むとOFFになります。
ファインダー前面の銀色ボタンを押すとバッテリーチェックです。
針が露出計の凸の飛び出た部分の間にあればOKです。
ファインダー上部でも確認できます。
ファインダーを覗くと、スクリーンの下に露出計と絞り、シャッタースピードが表示されます。
もし見えない場合は、覗く角度・位置をずらしてみてください。
それでも見えないときは、ファインダー上部に光が当たっていない可能性があります。
キャップをかぶっている時は間違いなく帽子の鍔が光を遮っています。
シャッターボタンのダイアルを引き上げて右に回すとシャッターボタンロック(L)、左に回すとタイム(T)になります。
タイムは長時間露光する際に使います。シャッタースピードをバルブ(B)に合わせ、シャッターを切ると指を離しても露光が続きます。露光を止めたいときはダイアルをTから元の位置に戻します。
レンズ脇のボタンを押し込むと絞りが動作します。押し込みながらボタン回りのレバーを反時計回りに回すとミラーアップします。
セルフタイマーはちょっと面白いですね。残り1秒位から音が変わります。
■ソフトシャッターレリーズ「AR-1」
シャッターボタンに取り付けると、少し高い位置でシャッターを切ることができます。
このアクセサリはFMやFE、ELにも装着できますが、実はF2フォトミック用に作られたものだと勝手に思ってます。
なぜなら、フォトミックファインダーを装着するとシャッタースピードダイアル位置が高くなるので、シャッターボタンも高い位置にあると指の移動が少なくなるからです。
■モータードライブ
もちろん、モータードライブあります。
もちろん、連写なんてしませんが。
一応つかえますが、ギアが劣化していて壊れそうな音がします。
単3乾電池が8本必要です。なかなかヘビーです
■まとめ
プロ向けのカメラというのは伊達ではなく、キズはもちろん、凹み位では壊れません。
外見はボロボロでも、撮影には問題ない物が多いです。
ただし、露出計はセンサーの劣化や、接触不良で動かない物もあります。
露出計が動かなくても外部露出計やスマホを使えばEV測れますし、勘露出で撮るのも楽しいです。
非Aiレンズとフォトミックファインダーで、デジタルカメラではできないガチャガチャを体験してください。