プロ用中判カメラ MAMIYA RB67
1970年に発売された機械式シャッターの中判カメラです。
プロのカメラマンがスタジオ撮影で使うためのもので、外に持ち出してパシャパシャ撮るようなカメラではありません。
どうしてもこのカメラで花火を撮りたくて、会場まで片道30分担いで歩いたら、ストラップに肩を殺られた思い出のあるカメラです。帰りは逆側の肩です。
当然、翌年の花火大会のカメラ選考からは真っ先に除外されました。バケペンが軽く感じられます。
RB67の特徴
重いです。デカイです。家に届いた段ボール箱を持ったとき、「カメラ何台買ったっけ?」と錯覚するような重さです。
デカイですがレンズシャッターなので、シャッター動作音は「チッ」くらいです。耳を澄まさないとミラー動作音の「バシャコン」にかき消されます。撮影時の音の99%はバシャコンでできています。
フィルムバックというフィルムだけ入れるケースがあり、撮影途中でも取り付け取り外しができます。
種類は645、6x7、ポラロイドがあります。(他にもあるかもしれません)
残念ながら、この規格のポラロイドフィルムはすでに製造終了しています。
スタジオ撮影用なのになぜポラロイド?と思いませんか。ポラロイドがダメとかではなくて、単純に描写力はフィルムに敵わないはずです。
真偽はわかりませんが、本番撮影前に適正露出であるかの確認用に使われていた様です。
それほどプロとして撮影の失敗は許されないものだと感じます。
ファインダー
用途に応じてファインダーの交換ができます。
オススメはウエストレベルファインダーです。是非、鏡の世界で混乱してみてください。プリズムファインダーは偉大です。
・ウエストレベルファインダー
このカメラを使うのに理想的だと思います。
ファインダーを上から覗くので、目の高さまで持ち上げる必要がありません。
ストラップを首から下げ、お腹に押し付けながらシャッターを切れば手ブレも軽減できます。
ファインダーを覗くと、左右反転して像が見えます。
被写体がスクリーン左にあれば、自然とカメラを左に動かします。被写体がファインダーからいなくなります。
頭ではわかっているんです。わかっているんですが、体が勝手に動きます。
・プリズムファインダー
手持ち撮影の場合、マッチョまたはマッチョになりたい人専用です。
プリズムファインダーだけで1kg以上あります。
それを目の位置まで持ち上げて手ブレしないように固定して、シャッターを切る。
上腕二頭筋がTシャツの袖口を引き裂く日も近いでしょう。
・ルーペファインダー
使いどころがわかりません。マクロ撮影時に使うのでしょうか。
レボルビングバック
普通、縦構図で撮影するときはどうしますか?
右手を上にしてカメラを90度回しますよね。
このカメラも90度倒して横から覗きますか。やってできないことはない(はず)です。
もっと良い方法があります。
カメラを倒さずフィルムを90度回転させることができます。
レンズ
RB67はすべてレンズシャッターで、レンズ側にシャッタースピードダイアルと絞りリングがあります。フォーカスリングはありません。
ピントはボディ側のつまみを回してレンズを前後に動かして合わせます。
中判カメラのレンズなので、描写力は抜群ですが、残念ながら状態の良いものが少ないと思います。特に中望遠レンズはバルサム劣化、クモリが発生していることが多いです。
RB67の使い方
シャッターチャージ前は、ファインダーには何も映りません。ミラーが上がっていてレンズシャッターが閉じている状態です。
右側のシャッターチャージレバーを押し下げると、ミラーが降りてレンズシャッターが開き、スクリーンに像が映りますので、ピントを合わせます。
フィルムを巻き上げます。一般的なカメラは巻き上げと同時にシャッターチャージされますが、このカメラは連動していないので、どちらが先でも構いません。
適正露出になるようにレンズ側にあるシャッタースピード、絞りを選びます。
ミラーが大きいので、ショックで手ブレしないようにしっかりと固定してシャッターを切ります。
まとめ
知らない人から見たら、フィルムカメラに見えないと思います。他人とは違ったカメラを使いたい人にオススメです。あとは筋肉に自信のある方。
そもそもスタジオ撮影用のカメラで三脚必須かと思っていたのですが、ストラップ取り付け金具があるので、手持ち撮影としての使い方も考えられていたのでしょう。
RB67で撮影