ペンタックス望遠だよワイドだよ PENTAX SP
1964年から10年間製造された
TTL露出計を内蔵したカメラです。
露出計を内蔵したにも関わらず、
S3からあまりサイズが変わらないのは
凄いことだと思います。
それまでは、露出計を別で持ち歩くか、
カメラの外部に専用の着脱式露出計を装着する必要がありました。
SPから露出計を省いたSLもありますが、
圧倒的にSPの方が売れた台数が多いようです。
露出計内蔵は見た目がスッキリしています。
でも、外付けの露出計はカッコいいです。合体ロボです。
(長くなりそうなので、外付け露出計は別記事にします)
SPの使い方
フィルムを入れたら、シャッタースピードダイアルを引き上げて、ISO感度をセットします。
ASAと書いてありますが、ここをフィルム感度と同じ数値にします。
これを忘れると露出計が正しく動きません。
巻き戻しクランクの下に、
フィルムの種類をメモします。ただのメモです。
カラーネガフィルム入れてPANCHROにあわせても、カラー写真しか撮れません。
EMPTY:フィルム入れてないよ。
PANCHRO:黒白フィルム入れてるよ。
COLOR☀️:デイライトフィルム入れてるよ。←一般的なカラーネガフィルム
COLOR💡:タングステンフィルム入れてるよ。←シネフィルム
この便利機能を使うのはきっと最初だけでしょう。
露出計を使うときのお作法
今では開放測光が当たり前ですが、
SPは絞り込み測光です。
絞り込み測光とは、実際に絞った状態の時に入ってくる光の量で測光するということです。
まず、レンズのマウントの脇にある
切り替えスイッチを
「AUTO」または「A」にしておきます。
「M」でも測光できますが、
絞るとスクリーンが暗くなり、
ピントを合わせづらくなります。
1.ファインダーを覗き、フォーカスを合わせます。
2.絞り込み測光スイッチを押し上げてONにすると、露出計に電気が流れ、針が動くのと同時に
絞りが絞られます。
絞り値が大きいほどスクリーンが暗くなります。
3.スクリーン右側にある針を隙間に入るように
シャッタースピード、絞りを操作します。
スピードを遅く、または絞り値を小さくすると上に針が動きます。ピッタリ真ん中じゃなくていいです。大体でいいです。
4.シャッターを切ると、同時に露出計のスイッチもOFFになります。
どうでしょう。カメラ汚れてますね。
じゃなくて手順が多いですね。
撮れないことはないですが、
動き回る被写体を撮るには技術が必要です。
最新のデジカメ使いましょう。
その他
カメラの操作はそれぐらいでしょうか。
セルフタイマーは巻き上げて、レバーを180度回して、銀色のポッチをポチッと押せば、レバーが動きだします。
レバーの角度が11時位でシャッターが切れます。
細かいところだと、
・シャッターダイアルの左側に三角窓があります。
ダイアルを回してオレンジになった場合、露出計で測れないスピードであることを意味してます。
・シャッターボタン右側に丸窓があります。
シャッターチャージがされているとオレンジになります。
どちらも気にしなくて良いと思います。
気を付けて欲しいこと
シャッターボタンロックがないので、
撮影直前に巻き上げるようにしましょう。
でも以外と難しいんです、これが。
よし、撮るぞと思って巻き上げ、カメラを構えて露出合わせてるうちに「違うかな。」ということが良くあります。
順序を逆にすればいいのですが、私は左目でファインダーを覗くので、巻き上げ時に右目に刺さります。
電池蓋。優しくしましょう。
あまりきつく閉めすぎないでください。
開けるときに溝を削ってしまうと、更に開けるのが大変になってしまいます。
開閉に使う硬貨は、100円玉,50円玉は縁が丸く硬いので、極力使わないほうが良いです。
もし使うときは慎重に。外国の硬貨は知りません。
エッヂの効いた硬貨が安心です。
今まで幾多の無惨な蓋達に遭遇、涙してきました。
キズをつけずに復活できる方法を生み出す修行ができるところを探してみます。
まとめ
大ヒット商品のため中古品もかなりありますが、
半世紀も前のカメラなので、購入する際、購入後は以下に注意してください。
・プリズムの腐食
遮光材が溶けてプリズムの蒸着を腐食させてしまいます。ファインダー覗くと真ん中に黒い横線が見えます。
撮影した写真に線が出ることはないですが、
ファインダー覗くと気になって、
撮影に集中できなくなります。
・ミラーが降りてこない
早いシャッタースピードなら大丈夫な事が多いですが、1/30秒辺りから怪しくなってきます。
シャッター幕が閉まりきらず、ミラーを下げる仕組みが動作しないのです。
巻き上げはできるので、何回もシャッター切っていればそのうち動く場合がありますが、フィルム入っていたらOUTです。
しばらく動かしていないときは、フィルム入れる前に全速でシャッター切れるか確認しましょう。
取扱説明書がRICOHのサイトの「生産終了製品」からダウンロードできます。
リコーイメージングサービス株式会社様に感謝です。
SPFとMX、MV1もお願いします。
http://www.ricoh-imaging.co.jp/japan/support/download/manual/
このカメラを使いこなすことができれば、
どんなカメラでも使えるようになると思います。
SPで撮影