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«開発的対応»
がっこう】について再掲
みやま市にてH22/2/3発行
§1「読み書き算盤」
社会に出るためのスキルを
教授する一面がある。
遠く、
中国の科挙の制度に似た、
人材登用のための知識を
伝授する一面がある。
しかしまた
幕末において注目を集めた
私塾にあっては
思想を継承発展させる一面も
備えていたように思う。
それらを全て担うのが
現代の学校かもしれない。
§2国家百年の計
教育を科学として考えたのは
明治政府であり、それは
開国によって明らかとなった
文明国と
日本国との「差」を、
富国強兵策によって
埋めるために不可欠な
人材育成
それに資する意図が大きい。
§3開国
ペリー来航以前にも
開港、開国の
呼びかけはあったし
二百年以上にわたって
オランダ、中国、朝鮮などが
海外情報をもたらした訳で
開国、明治維新の
最大の導火線が
帝国列強の植民地政策に
他ならない。
これにより
「国」が亡くなる危機が
迫っていたから
旧来の手法である鎖国と
封建制度を廃し
開国と帝国主義を
目指さざるを得なかったのに
相違ない。
§4学制百五十年
政府は
あらゆる制度において
制度の維持、発展に寄与する
人材育成のために
学制を施行する。
高等教育において
多方面にわたって
御用学者を招来、雇用する。
世界的に見ても日本は
都市部における識字率が高く
福澤諭吉が著した
学問のすゝめによる啓蒙の
国民への浸透は速かったに
相違ない。
§5学問のすゝめ
著作で彼は
立身出世のために
学問を奨励したのではない。
あくまで
欧米で学んだ
人権思想の啓蒙、
個々人の内省的成長をこそ
促している。
そのための手立てとして
学問を身につける事
その副産物として
豊かな生活が得られると
説いている。
§6徴兵制
デモクラシー
自由と平等の機運は
日本人の気質にマッチし
百年ほどは
前進を続けたように思う。
それにブレーキを掛けたのが
徴兵制度ではないか。
おそらく
徴兵制度そのものが
ブレーキだとしても
実際に
ブレーキを踏んだのは
入営後の体験だと
思われる。
およそ
教授する立場の人間が
備えてしかるべき
人権思想を持たぬ者に
権力を付与した
その仕組が
日本国の啓蒙を遅らせ
誤った国政の舵取りをも
無批判に受容する
フランス革命以前の体制に
逆走させたのでは
ないだろうか。
今も昔も
権力の使い方を知らない
考えないプチ独裁者が、
自らは図らずも
無知な人民の人権を
ないがしろにしている。
今一度世間には
学問のすゝめが
必要ではないだろうか。
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